ニゴイ
TEXT / ドン玉 

 何年か前のマミヤオーピー鬼怒川予選大会の事。
この年は渇水の年で、ポイントも限られていた。
運良くオトリ配布の順番も早く急いで目指すポイントへ入ることが出来、今年は、決勝進出か?
などと、一人ほくそ笑んでいた。仕掛けをセットし競技開始の合図を待つ。

 頭の中ではあそこで1匹、ここで1匹とか考えているうちに開始のブザー。
はやる気持ちを抑え、オトリにハナカンを通しそっと送り出す。
元気に泳いでくれよオトリちゃん!そーだそーだそこでちょっと上に昇れ、

  「ガツーン」よーし来た、来た、来た〜!思い通り!

 周りはまだ誰も掛けていない、周囲の視線を集めちょっと優越感(^_^)v(^O^)。でもって竿を立てる。
ん?ん?ん?〜デカイのか?竿が満月にしなる。懸命にこらえる。
 「バシャッ」ワーーーー!!!!!!!!!ニゴイだ〜(?_?)(*_*)(@_@)カンベンしてくれよ〜、
はずれてくれ〜ハリスだけ切れてくれ〜の願いも虚しくしっかり掛かっている。
 周囲の視線が羨望から冷笑に変わる。ターボVの0.07は強いです。切れません。
 竿1本間隔で並んでいる中を「すいませ〜ん」。「すいませ〜ん」と言いながらやっとこさ岸に引きずり揚げる。
そのニゴイどうしたっかて?もちろん、百叩きの刑に処しました。その間10分位立っておりました。
 
 まーまだそんなに時間も立ってないので、もう1匹のオトリにガンバッテもらいましょうと気持ちを入れ替え、
オトリをそっと送り出す。1分位立った頃再び「ガツーン」お、今日は調子いいな〜なんて思いながら竿を立てる。
ん?、ん?、ん?ん?「ワーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 またニゴイだ〜(>_<)(?_?)(*_*)(@_@)(T_T)」

 こうして30分も立たないうちに私の大会は終了したのでした。<(_ _)>m(_ _)m_(._.)__(_^_)_お粗末。


ニゴイ2
TEXT / ka2 

 昨年(2001)、解禁2日目の竿が立ち並ぶ那珂川町裏(湯坂川合流下)で。
それなりに間隔のある平瀬に、師匠から「今日は泳がせに徹しろ!」「引くなよ。」とアドバイスを受け囮に鼻環をつける。

 少し立ち込むと川底に変化をつけた場所だな?流れと垂直に底が掘ってある。
この駆け上がり前後には鮎が居そうだな?などと考えながら、ヘボおばせをとっていると。
「ピュンピュン」と放流者らしいアタリ。周りはそんなに掛かっておらず、人の目も気になる。
調子込んで、引き抜き!!そんな感じでポツポツと5〜6匹ゲット。周りの鮎師は接近戦。対岸からも接近戦。
 そこに漁協の観察員の方がいつの間にか背後に現れ。
「この場所結構よかっぺ?」「ブルでやったんだ」と、遠くから掛かってたのを見てたのか教えてくれた。
 どう考えても不自然な川底だと思った。 人が攻めない場所。変わった場所。が好きな僕には”吉”と出たわけだ。

 徐々にアタリの間隔が長くなって行くのには気づいていた。が、
どうせ移動もそんなに出来ないし、それなりに掛かっているから今日は徹底してここを攻めよう!

 と、その矢先。「ゴツン」っと何気ないアタリ。放流で20cm近いのは居るっていうから、そいつかな?
なんて思いながら、竿を立て、抜き態勢に構えるも、抜けない。あれれ?
もう強引に返し抜き!だっつ。

 その瞬間上流に鈍く突っ走る。「わっッツヤべー」「でたよニゴイかよ」

 こんなに人が居るのに迷惑だろ。恥ずかしいだろ。と考えながらファイト。
ラインは師匠より0.01太い0.08。接続部でもなんでもいいから切れろ!と思うが。。。
 「あんちゃん、もう尺モノか!」とか「サヤンボの背が掛かりか」(ニゴイをサイ・サヤンボと呼ぶらしい)声援を浴びまくる。
こうなったら絶対取り込んでやる!気合いが入る。でも竿は折りたくない。
 
 ファイトの末、下で釣っていた方が親切で、「すくってやるからここまで寄せな」と声を掛けてくれた。
自分のポイントを荒らされたく無いってのもあったのでしょう。(その方は結構掛かっていたので良かった)
やっとのことで、40cmくらいのニゴイは私の7号4本イカリをスッポシくわえ、疲れた目をしてその方のタモにおさまった。

 すくって、救ってくれた方。その節はありがとうございました。
また、声援を送ってくださった皆様ありがとうございました。
流れのちょっとした”よれ”には強敵ニゴイがいます。手が臭くなるのも頭にきます。
 大会の数十分で2匹も掛ける師匠は流石ですが、私、昨年は3匹のニゴイを手にしました。

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