美点と欠点
2002.8宮城県野蒜海岸 2004.1群馬県嬬恋高原
結論:6気筒ハイパワー4WDセダンとして満足!
美点
@なめらかな回転フィールと絶対的な余裕トルクを生む直列6気筒ターボ
直列6気筒らしく振動が少なく滑らかに回る。もはや4気筒には戻れない。高速120〜130km時(約3200rpm)に発生しているトルクは27kgmだが、この回転数でこのトルクを発生させるにはNAエンジンでは3200〜3500ccクラスの排気量が必要。つまりこの速度ではNA2000CCと比較すると圧倒的な余裕をもって走ることが出来る。
A4輪マルチリンクという新世代サスペンションで操縦安定性と乗り心地を両立
2WDはフロントサスはストラットだが、4WDのみR32と同様フロントもマルチマルリンク式である。しかしR32ともA31とも違った独自のチューニングが行われている。バネは同じだがショックの減衰力が前後ともにやや柔らかいという違いがある。
BアテーサET-Sという先進の4WDシステム
あのGT-Rに積まれているのと基本的に同じである。RWDをベースにした4WDで全く違和感を感じさせないし、スキー場から砂浜まで路面を選ばない。この頃アテーサE-TSを積んで後輪操舵HICASがつかないのはこのNA31型だけだが、むしろリアが落ち着いていてGOOD。
CABS(4センサー3チャンネル)付4輪ベンチレーテッドディスクブレーキによる信頼感
2WDのABSは3センサータイプだが、NA31型はR32GT-R,GTS-4譲りの4センサータイプである。それによりより細かい制御が行われる。(当時レガシーは既に4センサー4チャネルだったが・・・・)
Dフィールのいい電子制御パワステ(EPS)
単なる速度感応式、電子制御式は多数あるが、制御バルブが直列になっているのは他社にない。据え切り時から高速までアシストが非常に自然。また、素早い操作を繰り返してもアシストが途切れるパッシングが発生しない。A31ではこのNA31しか装備されておらず、C33、34(ステージア含)には設定なし。R32は贅沢にもNAツインカム以上は全てこの形式だった。その後R33、R34ではターボ仕様のみとなった。
E深く奥行きがあり、トランクスルーもついた大容量トランク
タイヤをトランク左側に立てて収納しているのとボディデザインの関係で奥行き1050mm以上 高さ450mm以上を確保している(逆に幅は若干狭いか?)。当時の6気筒RWD車のトランクとしては十分以上に広い。またトランクスルーもついているため、2〜3組のスキーであれば室内に搭載でき、煩いキャリアを積む手間が省けることもメリット。とにかくGZ10ソアラの1.5倍以上の容量がある。R32比では約2倍の容量。
F張りのある曲面を生かした流麗なデザイン
絞り込んだ特徴的なフロントマスクからフロントフェンダーにかけてのグラマラスなライン。上品なプレスドアと他にないドアオープナーの形。傾斜のきついA,Cピラー。短いルーフ。高いリアデッキ部。全体として当時のマークUプラザースより軽快なデザインであり、「分厚い」感じがする今の車と比較すると非常に軽快に見える。
Gシンプルですっきりした内装
ヘタに豪華に見せようとしていないのがGOOD。どこかのメーカーの場末のキャバレーのような内装とは大違い。当初は内装もかなり自由に選べたが中期、後期と選択の幅は狭まっていった。
H充実した装備類
新型マーチで宣伝していたオートライト機能も昭和63年当時からついている。中折れ機能がついた助手席は非常に快適。
IASCDを使い丁寧に走れば悪くない高速燃費(最高13.61km/L)
基本的には燃費によくない材料が揃っているが、定速でなるべく加減速をせずにアクセル開度を一定に保てば何とか普通の燃費は保てる。
これらのうちABCDはA31型の中でNA31型だけのものである。
また細かく見れば、
・オルタネーターが90Aと大容量(他は80A)
・マスターシリンダーが25.4mmと大径
・ブースターが大型(ダイヤフラム径が8+9インチでありGT-Rと同一)
*寒冷地仕様であるため、以下の仕様となっている。
・スターターモーターは1.4kw(ノーマルは1.0kw)
・バッテリーは80D26R(ノーマルは34B19R)
・ワイパーサブハーネス(通常ポジションと冬用ポジションの切替用)
・ヒーターは4200kcal/h(ノーマルは3800kcal/h)
さて冬は・・・
納車されたのが12月だったため、速攻で中古アルミを入手しスタッドレスを購入した。標準は205/60R15だがスタッドレスはワンサイズ細い195/65R15とした。銘柄はオートバックスのPBであるRF-1(オーツのOEM)であった。スタッドレスを履いての冬のドライブでは、4WDということもあり雪道でトラクションで不足を感じたことはない。非常用として、ソアラで使っていたゴムチェーンも携行していたが、チェーンが必要になるような事態はなかった。ただ、スタッドレスの宿命で接地感が乏しく、東北道下りの仙台南インター手前の下りコーナーを120kmで突っ込むとそのまま外にもっていかれそうな怖い思いをした。一方、思ったよりは乗り心地と静粛性はよかった。皮肉なことに、この車を買ってからスキーに行く機会がめっきり減ってしまった。
欠点
@造りが安っぽく、雑であること。また室内の樹脂類の質が悪く、紫外線で変形、変色
また、車内で安っぽい音がする。
A車重とパワーに対してブレーキが前後ともシングルポットキャリパーと若干プア
Bサスが若干柔らかく、コーナーで腰砕け気味(ショックがヘタっている?)
C悪い燃費(都内だと5〜6km/L 高速でも10km/L前後)
6気筒、ターボ、AT、4WDということで燃費が悪い条件が揃っている。
D光量が不足しているプロジェクターヘッドランプ(特にLo)・・・それでもソアラよりはマシ
E電装系が早くいかれてくる
しばらく「素」のままで乗っていたが、だんだん手を加えたくなってきた・・・・・・