Traumwach
 −3−


第1試合  海堂・ハル VS 宍戸・鳳そっくりさんペア

意外なことに、海堂とハルの息はぴったりと合っていた。
ハル自身もかなり上手い。
「ボクはそんなに弱くない」というハルの言葉は本当だった。
海堂達は得に危ないこともなく、6−1で勝利した。

試合が終わり、息を整えている海堂の隣にハルも座り、スポーツドリンクを出した(魔法で)
ハルは「どうぞ」と海堂に渡したが、海堂は躊躇っていた。
ハルが乾じゃないと解っているハズなのに、
乾の姿でドリンク系を渡されると、やはり警戒してしまう。
ドリンクを見つめたまま飲もうとしない海堂に気付き、


 「あ、もしかして【アクエリアス】キライだった?【ポカリ】の方がいい?」


ハルが【ポカリ】も出した。
海堂はどちらかと言えば【ポカリ】は甘くてあまり好きではなく、
【アクエリアス】の方が好きなのだ。


 「イヤ、こっちでいい。ありがとう」


恐る恐る口を付けると、それは確かに【アクエリアス】だった。

海堂がそれを一気に飲み干し、「ありがとう」とハルに微笑いかけると、
ハルが「あ!」と瞳を輝かせて、海堂の顔をのぞき込んだ。


 「な、何だ!?」


海堂は驚いてハルの顔を見返した。


 「微笑った顔、初めて見た!
  ・・・そんな風に微笑うんだぁ・・・」


 「・・・・・ハル・・・・・
  もう小さくなれ・・・・・」


海堂は乾にいわれたようなカンジがして少し気恥ずかしくなった。
ハルは微かに紅くなった海堂の横顔をやわらかな笑顔で見ていた。

海堂達が休んでいる間に、次の試合が始まっていた。




第2試合  桃城・越前 VS 橘・神尾そっくりさんペア

桃城と越前は前に一度ダブルスを組んだことがあるが、息が合わずに危ない試合をした。
今回もやはりお互い足の引っ張り合いだった。
しかし、菊丸とペアを組んだことで多少自信がついたのか、
桃城はだんだんと落ち着きを取り戻し、冷静なゲームメイクを始め、
何とか 6−4 で勝利した。


第3試合  手塚・大石 VS 伊武・石田そっくりさんペア

桃城と越前はハルに(ムリヤリ)出させたファンタを飲みながら、


 「なぁ 部長ってダブルス出来ンのかなぁ?」


と話していた。
しかし、やはり手塚は手塚だった。
冷静に、確実に相手を見極めプレイしている。
それに加えて大石の視野の広さが二人に最高のプレイをさせていた。
手塚達は6−0で勝利した。




第4試合  不二・菊丸 VS 跡部・忍足そっくりさんペア


 「やっと出番だぁ〜 待ちくたびれたにゃぁ〜」


 「頑張ろうね」


菊丸と不二は意気揚々とコートに入った。
・・・が、以外にこのペアがダメダメだった。
相手ペアはチームワークが良い上に、個人としても能力が高かった。
不二と菊丸も個人能力は高いし、普段から仲良し(かなり)だが、ダブルスとしては不向きのようだ。
アクロバティックに動き回る菊丸は不二の動きを見ていない。
一方不二は菊丸の動きを見てはいても、攻撃を仕掛けるタイプだ。
結果、次々とポイントを奪われ、6−2で負けてしまった。





結果は3−1で青学Rの勝利。
ちゃんと勝ったので、扉が通れるようになった。
跡部に似た妖精が【ぱち〜ん】と指を鳴らすと、そこに扉が現れた。
どっかの青い丸顔猫型ロボットアニメのようだが、こっちのは2枚扉でグレードが上のようだ。
細工もちょっち豪華で職人芸。

扉は現れたのだが・・・・・



 「だぁ〜〜〜〜っ! くやし〜〜〜〜っ!!」


菊丸が大声で暴れていた。


 「大石とだったらゼッタイ負けないのに〜〜っ!」


 「(ムッ)ちょっと待って。エージ?それはボクのせいだと言いたいの?」


 「そーじゃないけどー。
  くっそぉ〜 ぜーんぶ乾のせいだぁ!!」


 「・・・・・エージ・・・・・
  あとでお仕置きね・・・・・(にっこり)」 ←悪魔の微笑み


 「うっ・・・」


不二と菊丸の間に『いや〜ん』なムードを漂わせたまま1枚目の扉を通り、
部員達は次の場所へと向かった。







ごめんなさい。
不二菊をダメダメペアにしてしまいました。
1話にも書きました通り、コレを考えたのが'03.1なのです。
そう。不二菊が勝つ前。ちょうどペアを組んだ直前か直後です。
この話をしたら、不二菊のお友達に怒られたこと怒られたこと・・・・・
でも、センパイに噛みつくのはエージしかいないのよぅ!!