Traumwach −1−
それはレギュラー陣(+1)の強化練習中のことだった。
練習後、竜崎先生から嬉しい差し入れがあった。
春だからと「草団子」を出してくれたのだ。
お菓子作りが趣味の竜崎先生のお手製だ。
先生はこのあと用事があるからと、乾に団子を任せ、帰っていった。
これがそもそもの間違いだった。
この男にこーゆーコトを頼んでそのままでいるハズがなく、
早速この団子を「人体実験」に利用することに決めてしまった。
方法は簡単。
何処から手に入れたのかは不明だし、何故今持っていたのかはナゾだが、
乾は注射器を取り出した。
その中に作っておいた「改良型・乾汁HG」を入れる。
そしてそれを団子の中に仕込む。これで出来上がり。
あとはレギュラー陣に食べさせてデータを取るだけ・・・
(この時の乾の顔は表現力の乏しい作者には、皆さんにお伝えすることが出来ません。
ゴメンナサイ・・・・・)
そんなこんなで乾は何処から持ってきたのかエプロンを付け(しかもフリフリ)
これまた何処で淹れてきたのか、いそいそとお茶の準備をしていた。
人数分(タカさんは家の(作者の)都合でお休み)のお茶を淹れ終えた乾は、
「みなさーん。お茶が入りましたわヨー」(言い方がキモチワルイ・・・)
皆を呼んだ。
お茶と団子を前に皆は警戒していた。
『これわ 乾汁の団子、【乾団子】ぢゃなかろうか・・・・・』
と・・・・・
普段から「汁」の苦しめられている部員達はミョーにするどい。
「汁」を美味しいと言っていた不二ですら、「青酢」でダメージを受けた事がトラウマとなっており、
手を出すことが出来ずにいた。
いつまでたっても手をつけない部員達に
「どうした。食べないのか?せっかく竜崎先生が作って下さったのに・・・
失礼なヤツらだな」
乾は溜息をついた。
『竜崎先生のお手製なら・・・』
部員達はまんまと罠に掛かり、乾団子を口に入れた。
今回の乾汁は無味無臭で、数滴で効果を発揮し、口に入れてもすぐには解らないと言う特性があった。
一つめの団子を食べて安心した部員達は、練習後のために「おなかがすいたヨー」と雄叫びをあげる消化器官に
次々と団子を与えた。
用意されていた団子を全て食し、お茶でまったりしていた部員達に異変が訪れた。
乾汁効果だ!
「乾〜?コレ先生の差し入れぢゃなかったのかぁ?」
大石は泣きながら乾を見たが、当の乾は気にすることなくさらりと答えた。
「うん。団子自体は先生のお手製だよ。中に俺のお手製
「改良型・乾汁HG」
が仕込んであったけど。ふふふ・・・・・」
部員達は乾の企みに満ちた顔を見ながら、次々に意識を手放していった・・・・・
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
目を覚ました部員達は見知らぬ場所にいた。
「うわ〜!!!ドコだよココは〜〜〜!!!」
菊丸はパニック状態だ。
「落ち着け菊丸!」
手塚が叫んだ。
さすが部長。こんなときでも冷静だ。
(微かに手が震えているのは見なかったことにしておこう・・・)
みんなが少し落ち着いた頃、頭上の一点の空間が歪んだ。
今度は何だ。と、警戒するみんなの前に、「ぽんっ♪」という音と共に、
メガネを掛けた小さな生き物が現れた。
顔は何となく乾に似ている。
「こんにちは」
「乾!こんにゃろぉ〜」
にこにこと挨拶をしたコを菊丸が引きずり降ろした。
「なっ何?」
「うっせー。さっさと元に戻せ〜〜〜!」
驚く生き物の言葉など聞かず、菊丸はボッコボコにしてしまった。
その中で生き物は
「待って・・・ あのっ・・・ ボクは・・・」
悲しく叫んでいた・・・・・
「ちょっ ちょっと先輩!待って下さい!
そんなに殴るなんてひどいッスよ。こんなに小せぇのに!
それにコイツ、乾センパイじゃないッスよ?
あ〜ぁ 大丈夫か?」
言いながら海堂がその生き物の鼻血を拭いてやると、生き物はにっこり微笑った。
「有難う御座います。貴男は優しい人ですね!
お名前はなんと?
「海堂薫」さんですか。ステキなお名前ですね。
こんにちは。ボクは案内妖精の「ハル」と言います。
皆さんが元の世界に戻るためには、この世界にある2つの扉を抜けなくてはなりません。
二人一組です。
見たトコロ7人とハンパな数なので、助けてくれた海堂さんとはボクがペアを組みます(勝手)
さぁ皆さん。自分のパートナーを選んで下サイ!」
元の世界に戻るためと言われては従うしかない。
結果。
海堂――ハル
手塚――大石
不二――菊丸
桃城――越前
というペアに決まった。
「それでは行きましょう。
あ・このペアは変えれませんから。
頑張ってクリアして下サイねーーー。」
楽しい(楽しくないって!)冒険が始まった。
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なんか変なの始めてしまいました・・・
久しぶりのギャグです。・・・・・ギャグか?コレ・・・
自分でもようわからんわ・・・(汗)
しかもネタ考えて書き出したの’03.1なんですよねぇ ふっ古すぎる!
先に進まなくてほったらかしになっていたのを最近発掘しました。
久しぶりに手をつけたら少しずつ書けるようになっていたのでUPしました。
どんな状態で書きたかったのか忘れたために、最初と最後では書き方が変わることでしょう。
えぇ 確実に。
先に謝っておきます。
ごめんなさい!