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小ネタ シリーズ 「ちっとも怖くない怪談」 第5回   2002.9.15


第13話  「ストーカーの今日の1日」



  秋の気配が感じられた 薄寒い曇ったある日のこと
  古びた西洋の館で雇われている老婆は
  いつものように3時のティータイムの用意をしていた

  しかし、茶タンスを開けると そこには何もないことに気づく
  「しまった。ご主人様の大好きな和菓子が1つもない。
   これではご主人様にひどい目に遭わされる」

  早速 老婆は街に 買い物に出かける
  数百メートル歩いたところで 
  何やら 後ろから着いてくる足音が聞こえる
  (もしかしたらストーカーかしら?)・・・老婆はそう考えた

  老婆には心当たりがあった
  数日前から 無言の電話が
  1日に何回もかかってきていたのである

  恐ろしくなった老婆は 助けを求めようと
  無我夢中で ある建物の中に逃げ込もうとした

  しかし、その建物は閉まっていた
  扉には 1枚の札がかかっていた

  そこには「本日はストライキのため営業停止」と書かれていた
  これを見た老婆が一言
  「ストか農協は1日」・・・ストーカーの今日の一日・・・(老婆の運命はいかに)


第14話  「鬼のギロチン」

  残暑が残る 暑い夕方のとある街のマンションの一室
  小学生になる女の子は いつもの模様に
  学校から帰り 手を洗っていた

  しかし、いつでも その女の子は 何かにおびえていた
  そう その家の母親は 近所でも評判の悪い
  鬼ママと呼ばれていた
  炊事洗濯は一切せず 夜な夜な街に出ては
  飲み歩く生活が 彼女のライフスタイルであった

  お腹を空かせた女の子は 恐る恐る母親に尋ねた
  「お腹空いちゃったんだけど、今日のごはんは・・・?」
  それを聞いた母親は 顔色を変えて こう叫んだ
  「いつものとおりよ。」
  「いつものとおり、おにぎりチンして」・・・鬼のギロチン
  ・・・(ピクリ)←こめかみの血管が充血する音
  

第15話  「しゃべる死体」

  建築関係で働まじめな青年が 新しい現場についた時のこと
  その現場の近くでは 数日前に殺人事件が発生していて
  男女2名が殺害されたと見られていたが
  男性の方は未だ行方不明であった

  その事件を知っていた まじめな青年は
  ある種の恐怖を覚えていた
  昔から霊感が強く 死体を発見してしまうのではないか?
  と、思っていたからである

  青年は 緊張気味で作業を開始すると
  穴を少し掘ったところで 思ったとおり
  何かにぶつかった

  あわてた青年は 親方に このことを伝えた
  「何かにぶつかって、これ以上掘れないんっですが・・・」
  すると、親方はこう言った
  「そいつはおめー、道具が悪いんだよ。」
  「いいか、穴を掘るっていうのはな、
   シャベルしだいなんだよ、シャベルしだい。」
   ・・・シャベル死体・・・(ブチッ)←脳の血管が切れた音 

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