カラオケ大会


「ねぇ、ねぇー。二次会さーカラオケ行かない? カラオケ」

「OK。いこいこ。」

「あのぉー、先輩。わたし、カラオケ行ったことないんです。」

「えっ。フユミ、今時カラオケ行ったことないの?」

「はい。是非、行きたいです。」

「楽しいわよ。早く、いこいこ。」




それじゃ、今日のお題は・・・



「こんな年の瀬だから、めーいっぱい暗くなるカラオケ大会」(パフ・パフ)

「先輩。何ですかそれ?」


「だから、今日のお題。 誰が一番気持ちが沈む歌を唄えるか競うの。」

「1番、ユウナ。唄いまーす。・・・虎舞竜のロード」
 何でもないようなことが 幸せだったと思う♪

(うわぁー。いきなり彼女が死んじゃった歌だ・・・先輩達って・・・)

「2番、キヨミ。唄いまーす。・・・平井堅・・・大きなのっぽの古時計
 今はもう動かないこの時計〜おじいさんと一緒に♪

(こっ、今度はおじいさんが死んじゃった歌・・・なんか気分悪くなってきた・・・)

「3番、アキホ。唄いまーす。・・・北島三郎・・・与作」
 社長はクビを切る ヘイヘイホー ヘイヘイホー♪

(リストラの替え歌・・・そう言えば、クビになった金沢さんどうしてるかな?)

「4番、ユウナ。また、また唄いまーす。・・・虎舞竜・・・ロード

 ♪何でもない夜のこと 2度とは戻らない夜ぅ〜♪・・・


(こういう人いるんだよね、同じ歌2回唄う人。それって反則技じゃない?)

「それじゃー、そろそろ、フユミも唄いなさい。」

「えっ、あのー、わたし暗い歌なんて知らないです。」

「ごちゃごちゃ言わないで、何でもいいから唄いなさい。先輩命令です。」

(先輩命令って言われても・・・)

「それじゃ、5番、フユミ。唄わせて頂きます。・・・中島みゆき・・・友情
♪悲しみばかり見えるから この目を潰すナイフがほしい♪

「さーてと。この歌が出ちゃっては、そろそろ帰ろうか。」

「友情も終わりね。フフッ。」


「バイバイ、フユミ。古時計にならないでね。」

先輩・・・なんで? どうして? 私、なんか悪いことしたの?
それに、カラオケって全然楽しくないし・・・。

あっ、いつもの社内イジメの続きか・・・フユミ・・・悲(涙)



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                    2002.12.12 電言板 ●カラオケ大会(前編)より