「暗示」について 2002.5.25
暗示について少し考えてみましょう。そもそも、暗示とは何でしょう。
暗示とは、「起こりもしないことを、起こると自分で信じ込んでしまう」ことです。
簡単に言えば、自分で自分に催眠術をかけてしまう様なものです。
例えば、「ウソ」についてです。
小さい頃から、「ウソをついてはいけません」、「ウソつきは泥棒の始まり」とか、
みんなに言われ、教えられて育ってきました。
でも、実際この世の中を見回すと、ウソだらけです。
「ウソをついてはいけない」ということ自体、すでに暗示にかかっています。
もちろん、人を騙したり、人の心を傷つけるような悪いウソはいけません。
例えばテレビです。もともと、テレビに写し出されている映像自体が現実ではなく、
人の知恵が生み出した電気というエネルギーを使って、有線や無線の電波を通して
画面に映し出された映像です。
これ自体、現実ではなく虚像を見ているだけで、現実ではないウソということです。
しかし、精神的に疲れた状態では、脳の冷静に判断する機能が低下して変な錯覚を
起こし、「ウソをウソであると判断できない状態」になります。
ウソをウソであると判断できない状態の時に、画面から怖い映像や言葉を見たり
聞いたりすると、自分で勝手に思い込んでしまうことがあります。
これを、「暗示」といいます。
昨今の世の中は、「お金持ちになりたい、知名度を上げたい」など、
自分の欲望のためなら何でもしてしまう悲しい時代になってしまいました。
そのため、販売する商品や自分の名前を売るためなら、
少しぐらい人を不安にさせても売ってしまおうという風潮になっています。
例えば、ここ数年ヒットしている「呪いのビデオ」などがそうです。まるで、購入してきた
ビデオ自体が呪われているような作り方をしていて、それを誰かに貸さないと画面から
幽霊が出てくる様な、半分脅しのような作品まであります。
また、最近流行のゲームでも、真実を教えたら「ひき逃げする、殺す」などの言葉が
出てきて、人の心を不安に追い込んでいます。
この様なことは、冷静に考えれば、写し出された画像や文字・言葉、
ビデオのストーリーやゲームのシナリオ自体が「人が作り上げた架空のもの」であって、
非現実のものであると冷静に判断出来ます。
しかし、冷静に判断できない状態の時には「非現実のことが、現実に起こってしまう」と
本気で思いこんでしまいます。ウソをウソとして見破れなくなります。
これが、暗示です。
そして、自分の不安を和らげるため、誰かに貸したり渡したりします。
まったく、嫌な社会になってしまいました。
売る側は、そう言った人間の不安心理を利用して、多くの人の目に触れ、
商品がたくさん売れるよう販売戦略の1つとして取り入れています。
これこそが現実(真実)です。
商品を売るために組み込まれた、人間の心理を利用したちょっとした作戦や
出来心だったりします。
暗示にかかってしまっても、これを取り除くのは意外と簡単です。
自分でかけた催眠は自分で解くか、または信頼できる人の言うことを信じることです。
では、実際にどの様にすれば良いのでしょうか?
まず、暗示にかかる前の時の自分を、冷静になって良く考えてみることです。
ビデオやゲームなど、写し出された映像などはウソであるということを。
映画のストーリーやシナリオなどのノンフィクション作品は、人が作った架空の物語
であるということを。
そして、それを見たり知った人に、現実に起こっていない事実を。
これらを、冷静に判断し、理解することがとても大切です。
それと、信じられる人の言うことを信じることも大切です。
自分で良く考え、もう一度よく判断し理解して下さい。
そもそも、そんなことが現実的に起こっていたら、まったく関係ない人や警察など
もっと多くの人が騒ぎ出すでしょう。
暗示とは、「ウソをウソとして理解出来ていない自分の心」であるということを。
現実に起こらないことを、起こると信じてしまっている「自分が暗示にかかっている」
ということです。