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エッセイ  「プライド」 〜人生の重い荷物〜          2002.9.7


僕の考えでは、世の中で役に立たないものの1つに「プライド」があります。
そもそも、プライドってなんでしょう?

生まれてから2才頃までの子供にはプライドがありません。
少しずつ自我が目覚め、経験を重ねて行くうちに 少しずつプライドが
積み重なっていきます。

特に、青年期になると、良い学校を卒業した(学歴)とか、運転免許を取得した、
良い会社に就職した、良い業績を上げた、お金を沢山持っている・・・などなど、
人と比較して、それよりちょっとでも上だと、いつの間にかプライドが積み重なり
どんどん高くなっていきます。

知らず知らずに積み重なっているものですから、気が付いたときには
「周囲から馬鹿にされていた」  「融通が利かない」  「レベルの低いことはしない」
などなど、高いところから人を見下げているため、ちょっと付き合いづらい人に
なっていたりします。

かく言う僕が、以前そうでした。
以前は、プライドが富士山よりも高くなっていました(笑)。
ですから、ちょっとプライドを傷つけられたようなことを相手から言われると、
自分が何でも正しいと信じているから、すぐに口喧嘩になったり、その人とは以後
付き合わなくなったり、陰口を叩いていたりしました。

でもある時、気がつきました。
「僕は、こんなに重い荷物を背負っていたんだなと。」
それは、ちょっとした仕事のトラブルで自分を見失いかけた時です。
精神的に追い込まれ、何もかもやる気が失せたとき、自分が小さくなっていました。
プライドという荷物が完全に崩壊していました。

その時、小さな自分の心と過去を見つめ直しました。
「今までのやり方で正しかったのだろうか?」と。
そして、失敗や失意を何回か繰り返していくうち、
「こんなくだらないプライドは捨てた方が良いのではないか?」と
考えられるようになりました。

それ以降、自分を低い位置において、人を見たり、物事を判断出来るようになりました。
もちろん、高い位置から見た経験もあるから、様々な角度から物事を判断
できようになり、その人その人の立場に立って意見を聞いたり、
ちょとしたアドバイスが出来るようになりました。

ですから、もしあなたが、何らかの理由で落ち込んだり、悲しんでいたりしていたら、
一度冷静に人生を振り返り、プライドという重い荷物を捨ててみませんか?
すると、人生を歩くのが楽になり、新しい考え方や物事が見えたりします。
失意の状態にあるということは、実はチャンスの時でもあるのです。
その時は、そうは思えないくらい辛い時かも知れないけど、
僕の経験からでは「間違いなくチャンスの時」です。

そして、このチャンスの時をどう使うかは、あなた次第。
もう一度、少し軽くなった荷物を背負うのか、それとも全部捨ててやり直すのか?
でも、間違ってはいけないのは、荷物を全部捨てると言っても、
生活を捨てる訳ではありません。 考え方を変えるだけなのです。
自分のプライドとは何かを考え、過去を省みるのです。
そして、プライドという如何につまらないものに振り回され、
傷つけられ怒ったりしてきたことかと。

荷物を全部捨てられたら、新しい道(考え方)の始まりです。
荷物を背負わないことを止める(何もやらない)ことではなく、
荷物を運ぶだけにします。
背負っては捨て、背負っては捨て、いつも整理しながら、
そのうち荷物がお荷物ではなくなります。

間違わないでほしいのは、プライドと向上心は違うことです。
プライドは捨てても、向上心や理性を捨ててはいけません。
出来れば、プライドを捨て、向上心を誰かのためにへと向けてみてはどうですか?
きっと、新しい道が始まります。
人生の分かれ道です。
楽しく生きられる人生の始まりです。

最後に。僕の座右の銘・・・ 「実るほど 頭をたれる 稲穂かな」  


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