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スミス
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今回は世界を震撼させたアメリカのテロ事件とその報復攻撃について曹操氏と共に考察して見ようと思います。
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曹操
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うむ、今回のテロ事件は湾岸戦争に続き中東問題でアメリカに大きな衝撃を与えたようだな。
そもそも今回の事件の発端についてスミスはどう考える?
私は、今回の事件が長い年月を掛けて計画された物と感じているが
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スミス
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そうです。これは短絡的に行われた行動ではないと思います。
発端は10年前の湾岸戦争の時にアメリカが中東戦略で大きな失敗をしたことに原因があるでしょう。
90年〜91年の湾岸戦争時の中東和平プロセスにおいて自力解決が不可能なアラブ諸国に変わりアメリカは多国籍軍を編成しイラクを撃退していますが、この時点で既に中東諸国の警戒を受けています。
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曹操
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その通り、他国の戦争に介入し強力な軍隊によって制圧し、平和維持活動と称し自国の軍隊を強制的に駐留させているのだ、不満が出ても当然だな。
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スミス
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米軍主体のこの介入は欧米諸国や日本では好意的に報道されましたが、逆に中東ではアメリカが軍事力にて世界の覇権を確立するとの警戒が高まりました。ビン・ラディンも対米警戒論者だったそうです。
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曹操
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軍事面だけではないな宗教面でもだ。
彼ら(アメリカ)はキリスト教信者が中心だが、中東ではイスラム教が信仰されている。アメリカ軍のサウジ駐留を「イスラム教の聖地であるメッカ・メディナが異教徒に占拠されている」として、宗教戦争的な一面も見せている。
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スミス
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アメリカは宗教的な面については、否定していますね
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曹操
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だが、中東諸国の民衆はそう考えているようだ。
報道でインタビューを受ける民衆もこの戦いを聖戦(ジハード)と叫ぶ画像が多く映し出されている。
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スミス
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そんな中東情勢を背景に今回のテロ事件が勃発したと考えられますね。アメリカの中東政策に不満を持つ者達の“反米主義”が現実の形として実行された・・・・、そして攻撃に対してアメリカ政府は報復攻撃を実行している
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曹操
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一度の失策が、後々まで尾を引いているようだな。
アメリカは軍事力で世界の保安官としての役割を自負している国だ。攻撃を受けて反撃しないような国では無い。第2の湾岸戦争になるのは確実だろう
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スミス
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今回、アメリカは事件の直後に“ウサマ・ビン・ラディン氏”を事件の首謀者として断定していますが、事前にテロ行為の情報を察知していた可能性がありますね。
飛行機、目撃者そして犯人すら失った状態での捜査にしては犯人特定が早すぎますし
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曹操
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ラディン氏はテロ事件以前にも多くの容疑でアメリカから重要視されている人物だ、今回は彼が何らかの攻撃行動に出るとの情報を得たが、それが何であるのかを特定する前にテロ事件が行われた。と考えられるが・・・・
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スミス
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ほかに何か?
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曹操
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いや、あり得ない話だが。
アメリカが今回のテロの情報を事前に察知していたが、ここまで大規模な物とは考えず油断していたのではないかと、事前にテロを知っていたからこそ事件直後に首謀者を発表できたのではないか・・・・・いや、やはりあり得ない話だな。
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スミス
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あり得ないでしょう。アメリカは本国が敵の攻撃を受けたことが無いのが誇りの一つであり、力の象徴だと考えていますから。
自国の領土に危険が有るとして見逃しておくことにメリットを感じられませんが
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曹操
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おそらくスミス君の言う通りだろうな、世界最高レベルでの情報力と軍事力を持つ国だ、ある程度までは攻撃を察知していた可能性はあるが、油断はしないだろう
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スミス
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あの首謀者断定までの早さは異例でしたからね。不思議に思う人も多いのではないでしょうか。
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曹操
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ところで、テロ事件発生後、日本国の対応についてスミスはどう考えているかね?
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スミス
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遅いですね、対応が遅れています。湾岸戦争の時の教訓が全く生かされていません
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曹操
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どの辺が?
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スミス
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首相が9月12日の会見で米国の支援を発表しましたが、攻撃が始まっている現在にいたって具体的な行動が遅れている感じが否めません。
かつて湾岸戦争時に日本が諸外国より何と言われていたかご存じですか?
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曹操
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トゥーレイト、トゥースモール(遅すぎる上に、少額なすぎる)
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スミス
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日本は湾岸戦争時に$130億ドルもの資金協力を行ったが、対応が遅く、また小出しに分けて出したため遅い、少ないと酷い言われ様でした。
不景気で赤字国債の大量発行により借金を抱えた状態での資金協力!その結果が「遅すぎる上に、少額なすぎる」では、あまりにも情け無いと思いませんか?130億ドルを日本円に換算するとして、$1=¥120として¥1,560,000,000,000ですよ1兆5千億円以上の血税を無償で支払い少なすぎると評されるのは明らかに失策ですよ。
その教訓が生かされていないのです。首相は協力を約束してきましたが実際には国会審議中で実行できていません。
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曹操
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自衛隊の派遣についても論議されているな。
賛成派と反対派の意見が対立していて妥協案を見いだせないようだ
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スミス
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安易な派遣にはもちろん反対だが、いざというときに協力体制が取れない様では『同盟』ではなく『保護』になってしまう。
大国の動向ではなく、日本としての考えを打ち出し主体的に行動し得ないようでは困りますね。
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曹操
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アメリカの軍事報復に賛成し支援・協力するのか?又は戦争をしない国として平和的解決の提案をし、そのための行動をするのか?の選択だな。現在の所は賛成・支援の方向だが、支援のための具体的な案が定まらず右往左往している。
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スミス
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10月に入ってからは、パキスタンへ流入している難民支援に対する救援物資を輸送するために自衛官140人が出航したようだが
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曹操
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彼らの武装は拳銃40丁だそうだ。戦闘の可能性は少ないが、機関銃や対戦車ロケット砲で武装した兵士のいる地域への派遣に140人の部隊に40丁の拳銃だけの装備で派遣。
3〜4人のグループに1丁のピストルでは敵に遭遇したら逃げる事しかできない。自衛のための手段としてもう少し考慮すべき点だろう
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スミス
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ですが、重い腰を上げて行動に出たのは良いことですよ。
論議だけでは事態は進展しませんからね、私は評価しています
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曹操
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議論を尽くした後に出来る事、それは指揮官の判断と迅速な行動。
事態は既に動き出している、我々が行うべき事を実行するべきだな。
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スミス
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今後の展開についてはどう考えます?
ラディン氏にとって制空権を抑えられた状態で対抗するのは厳しいでしょう。いかに強力な陸軍を持っていても1万メートルの上空から爆撃機が飛来しては対抗策がありません
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曹操
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海上からのトマホークによるミサイル攻撃も行われている。
遠距離からの間接攻撃で兵士・軍事施設の破壊、また経済封鎖による財政難により疲弊し戦闘力を失った状態になったとき多国籍軍により構成された陸上部隊が地上施設の制圧を行う。それがアメリカの書いたシナリオだろう。
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スミス
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今のところ米国のシナリオ通りに進んでいる。と考えても良いですね
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曹操
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その通りです。
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スミス
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最後に我々個人としの対応法について、ご意見はありますか?
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曹操
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個人としての対応ですか?難しいですね。
事態は高度に政治的及び軍事的な問題になっています。個人で出来ることには限りがあると思いますよ。
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スミス
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我々には何も出来ないと考えているのですか?
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曹操
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いえ、限られているだけです。大きな事は出来ないかもしれません。
しかし、小さな力でも大人数の力を集める事で大きな力にすることが出来ます。大事なことは自分に何が出来るかを考えること。そして、考えを実行に移すことだと思います。
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スミス
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なるほど、行動することが大事であり、
何を行うかは個人個人の状況と特技によって変わる。
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曹操
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そうですね。
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スミス
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それでは、第1回目の座談会を終了したいと思います。
読んでくださった皆さん、長らくお付き合い下さい
ありがとうございました。
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