AMBITIOUS JAPAN!

 2003年10月1日、東海道新幹線は開業以来の大幅なダイヤ改正を行いました。具体的には、車両を最高速度270km/h以上のものにすべて取り替え、即ち国鉄形新幹線の全廃を行ったうえで、今までの「ひかり」中心のダイヤから、「のぞみ」中心のダイヤとし、東京の品川新駅を開業させることによって今まで1時間当たり最大11本しか出せなかった列車数を、ダイヤの限界である1時間当たり15本を可能にするという大変革でした。

 このダイヤ改正にあたり、JR東海の行ったキャンペーンが「AMBITIOUS JAPAN!」です。「意志に溢れる日本」と解釈できます。

 キャンペーンソングはTOKIOが歌う「AMBITIOUS JAPAN!」です。作詞はなかにし礼氏、作曲は筒美京平氏が担当しています。プロデュースはJR東海が行っています。曲を作成したJR東海は、この曲を「新鉄道唱歌」と例えていました。

 この歌を作詞するにあたり、JR東海の葛西社長から依頼を受けたなかにし礼氏はこう語っています。

猛スピードで走る列車のように、意志ある人々が猛スピードで走る。「突き進めばのぞみ希望はかない」、「突き進めば奇跡も起きる」のです。
意志ある個人の想いが、みんなの想いとなり日本全体を変えていく。
今足りないのは意志の力です。まさに「AMBITIOUS!」を掛け声とする時が来たのだと思います。
そんな想いを伝えることができるならばと考え、16年ぶりに作詩の筆を執った次第です。

引用元:universal J

 そう、今の日本に足りないのはまさに意志の力。老若男女ともなんとなく無気力感が漂っている。そう、意志を持って動けば希望はかない、奇跡も起きる。

突き進めば希望はかなう

立ち止まらない振り返らない

やるべきことをやるだけさ

 この歌詞にすべてが込められている。とにかく、意志を持ってやり通すことが大事なのである。そして、

Be Ambitious!

旅立つ人に栄光あれ!

Be Ambitious!

と、旅立つ人、つまり意志を持って進む人に声援を送っているのが最後の部分。誰かの旅立ちは惜しむよりも応援が必要なのである。

 そして、このキャンペーンソングを軸として、国鉄型新幹線が撤退した後の2003年9月20日、「AMBITOUS JAPAN!」キャンペーンが開始されました。

キャンペーン名称:AMBITIOUS JAPAN!
キャッチコピー:のぞみは、かなう
キャンペーンソング:AMBITIOUS JAPAN! 歌:TOKIO 作詞:なかにし礼 作曲:筒美京平

 このキャンペーンでは、JR東海が所有する700系全54編成の先頭車の帯に長さ9mもあるステッカーを貼ったほか、700系の全編成と300系61編成中60編成(J2〜J61)の1・5・9・11・15号車に丸型のステッカーが取り付けられることとなりました。

AMBITIOUS JAPAN! 700系大型ステッカー
700系先頭車の大型ステッカー

AMBITIOUS JAPAN! 丸型ステッカー
700系、300系の側面に貼られたステッカー

 そして、東海道新幹線の各駅では旗やのぼりが立ち並び、「AMBITIOUS JAPAN!」がエンドレスで流れ続けました。

 また、テーマ曲のプロモーションビデオは、歌を担当しているTOKIOのメンバーである松岡氏が監督をし、新幹線品川新駅を舞台に製作されました。CMも700系新幹線とTOKIOの競演が実現しました。CDパッケージも初回版のみCMを意識したものとなっています。

 品川駅キャンペーン垂れ幕
品川駅のキャンペーン垂れ幕

 そして、11月末から順次車両の車内チャイムを変更しました。JR東海所属車はもちろん「AMBITOUS JAPAN!」 JR西日本所属車は、同時に展開されていたJR西日本のキャンペーン「Discover West」のキャンペーンソングである「いい日旅立ち 西へ」に変更されてゆきました。

 このキャンペーン、当初は2003年末で終了の予定でしたが、2004年が東海道新幹線開業40周年ということや、愛知万国博覧会も控えていることが影響したと思われて延長されています。キャッチコピーが少し変わりました。

2003年9月20日〜 2004年3月13日?〜
AMBITIOUS JAPAN! AMBITIOUS JAPAN!
のぞみは、かなう のぞみはいつも、そこにある

 2005年9月25日、愛知万博の終了と共に、キャンペーンは終了しました。ステッカーは、一斉ではなく、検査時に順番に剥されていきました。

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