京浜急行 700形

京急700形

 オールラウンド型の1000形に対して、自社線の普通列車として活躍が”期待されていた”車両。京浜急行では初めて4扉を採用して乗降時間の短縮を図った。当初、電動制御客車2両と付随客車1両の3両編成で1000形に近い加速力と、それ以上の高速性を持つ高スペックな車両として開発された。ところが会社の都合により中間に付随車をもう一両、むりやり突っ込まれて4両編成となり、加速性能はガタ落ちしてしまった。それでも高速性は1000形と同等を確保できていたが、むりやりエアコンを載せられてさらに重量が増加してパワーダウン、そして高加減速の800形が登場すると一躍邪魔者となってしまった。そして、加速度も速度もいらない大師線へと集められていった。

 製造開始は昭和42年で、それから30年以上にわたって活躍しているが、現在は大師線の運用がメインで、本線を走ることはめったに無い。数年前は11Bや13Bなどのラッシュ時ピークの快特に充当されており、加速の遅さで先行列車との距離が離れて、先行列車が退避する駅まで減速信号が出なかったり、はたまた4扉の強みで乗降がスムーズで職員から好評を得ていた。白幕編成はすでに全廃されてしまい引退の日も近いようだが、最後まで暖かく見守っていたいと思う車両である。