第11回破竹会勉強会報告
去る2008年6月15日に日曜日の早朝から破竹会第1回の勉強会を開催致しました。
今回は「歯科用コーンビームCTを使ってみて」と題して八千代市開業の中澤 正博先生に講師をお願いしました。
CT画面で見せられた下顎水平埋伏歯に下顎管が圧迫されてイカの薫製のような8の字型に変形している像は衝撃的でした。
パンラマやデンタルでは到底得られない情報量の多さに驚きました。
抄録
「歯科用CT(3DX-FPD)を使ってみて」
CTは1970年代初頭、医科で開発された。近年著しい進化を遂げ、ヘリカルCTさらには、マルチスライスCTが現在活躍している。
しかし、歯科のX線診断に使うには、ミクロンレベルでの情報を必要とするので、残念ながら医科の最先端CTといえども満足のいく画像は得られない。
このように医科用CTでは解決できない問題を高い次元で満足でき歯科臨床に多くに情報を提供できるのが歯科用CTです。
歯科用CTとは、コーンビーム方式のスキャンを行うことで、短時間のX線照射により撮影を行いため、ゆがみの少ない、繊細な画像を自由な断面で観察することができます。
1997年歯科用CTの開発者、日本大学の新井嘉則先生による実験機が完成しました。技術移転を受けたモリタ製作所から臨床第一号機として 3DX
multi image micro CT が稼動を開始したのが2002年のことです。
その後、新技術FPD(フラットパネルディテクタ)の開発により2005年には第2世代の歯科用CTも出現し、より低被爆、高解像度になってきています。
歯科用CTは歯科疾患の診断に際して各分野で活躍できる多くの情報量を持っていますが、インプラント治療に際してはシミュレーションソフトやサージカルガイドの進化に伴い、より安全かつ正確な治療を患者さんに提供できる時代になってきています。
すなわち、歯科用CTは診断機器からより繊細な治療を進めていくための治療機器へと進化してきています。今後の発展が楽しみな時代に入ってきていると思います。
【中澤 正博】
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最終更新日: 2010.4.27