列車接近警報システムを受信する−受信レポート− 

               

  列車接近警報システムとは

   保線作業などで保線作業員に列車の接近を知らせるシステムです。正式には「TC型

  無線式列車接近警報」と言うそうです。詳しいシステムの内容は私自身が勉強していな

  いため、割愛させていただきますが、専用の受信機を携行していれば、「上り接近」

  「下り接近」など合成音声の警報を受信して、事故を未然に防ぐことができます。ただ

  実際には、特殊な電波形式を使っている訳ではないため、この警報音は専用の受信機で

  なくてもその周波数が受信できる受信機があれば、簡単に聞くことができます。

   列車の接近を簡単に知ることが出来るため、私も受信しながら寝台特急の撮影をして

  みました。以下の写真は、列車の写真撮影を行った近くに設置されている装置の外観

  です。下のボックスの中に無線装置,アンテナは、垂直ダイポールアンテナと思われ

  ます。アンテナはこの他に八木アンテナの場合もあります。身近な路線では、根岸線

  大船〜新杉田間で多く使われています。この区間はトンネルが多いため、電波が届き

  にくく、その対策として指向性アンテナが使われていると思われます。

         

           装置の外観(設置場所:戸塚区上倉田町付近)

 

         

          装置設置場所と各路線との位置関係(大船方面望む)

 受信の結果

   ・周波数:399.800MHz

   ・受信した場所:東海道本線戸塚〜大船間

   ・使用受信機:TONO製PR−150+コメットアンテナSMA3

路線名

受信できた合成音声

東海道線

男声「りょかく(旅客)+上り,下り接近」

横須賀線

女声「すか(須賀と思われる)+上り,下り接近」

   受信の結果、上記表の2種類の合成音声を確認することが出来ました。ただし、貨物線

  については、列車接近警報との同期が確認できず、少なくても戸塚〜大船間は対応して

  いなのではと考えられます。

   続けて受信をしていると、列車の接近と警報発信のタイミングが分かってきました。

  黄色いが警報装置の設置されている場所です。列車が青の栄区長沼町付近に接近

  すると接近警報が無線で流れます。距離にすると、約1.5km程になります。

   なお、この装置の前後の区間に設置されている他装置から発信されている警報も

  撮影場所で、受信することができました。お断りですが、下り方向(戸塚駅方向)

  の列車位置と警報発信のタイミングは、調査できませんでした(東京に向かう列車

  の撮影をしながら確認をしていたもので… スミマセン )。

     

            列車接近警報の発信と列車との位置関係

 まとめ

   この警報装置は、人命を預かると言っても過言ではないため、非常に信頼性の高い

  システムであると容易に想像できます。どのように装置を構築しているのか(設置の

  間隔など)興味があるところです。あまり広い範囲は無理ですが、自分が通勤に使用

  している区間位は、引き続き調査してみたいと思います。なお、自宅に戻り受信機の

  電源を入れてみると、2階では余裕で音声を受信することが出来ました(最も近い

  線路から直線距離で700m位離れている)。線路脇の見通しの低い位置にアンテナ

  が設置されているにも関わらず、非常に安定して電波を受信できたことから、電波の

  出力は1W位あるのではないでしょうか。 総務省HPの「無線局免許情報検索」に

  よると、出力は0.01W(10mW)です。訂正いたします。

   この警報システムに関しては、多くのHPで取上げられています。興味を持たれた

  方は、そちらもご覧になることをお勧めします。