デジタル補助中継回線の謎??
−受信レポート−調査のきっかけ
警察の基幹系(県内系)用のデジタル補助中継回線を受信していた時のこと。なぜかその
周波数帯(454.5750MHz)でデジタル署活系のデジタルノイズ音が。きっと山間部のどこか
の署で署活系の中継用?に使っているんだろう。そう思っていました。ちょうど他の受信機
で署活系の周波数帯をサーチしていると、地元の戸塚署(362.1750MHz)が交信中。
あれ?さっきの中継回線のノイズ音と同調している… もしかして戸塚署で、中継回線
を使用しているのか?(分散基地局の中継用?)
しばし月日は流れて、ふとしたことから再度ノイズ音を受信しました。それならいっちょ
調べてみようか。
受信の再現性の確認
このノイズ音は、自作GP+MVT−7000で確認したものです。その後MVT−7000
(ダイヤモンドアンテナRH901+プリアンプ)で、弱い信号ながら受信に再度成功しました。
今回受信機を替えて受信が再現できるか確認を行ないました。こうすることにより、その
受信機特有のイメージ受信なのか、そうでないのかを確認することができます。
454.5750MHzの補助中継回線は、13エレ八木アンテナ+プリアンプ+IC−R7100
で、署活系の362.1750MHzはダイヤモンドアンテナRH901+MVT−7000の組み合わせ
で狙うことにしました。
確認に使用した受信機
待つ事しばし、MVT−7000のスケルチが開きデジタルノイズ音が流れました。
しかし、IC−R7100からはデジタルノイズ音が聞こえてこない…
明らかなイメージ受信でした。しかし、なぜ360MHzの無線で454MHz帯のイメージ受信が
起こるのか原因がまったく分からないでいました。
それからしばらくして、何気なく無線雑誌のラジオライフ(以下RL)の付録である
裏ワザ大全集2001を見ていると、こんな記事が目に止まりました。
「470MHz帯にコードレスホンが59で入感」。記事によると、無線機の第一中間周波数
が原因でこのような現象が起きているのではとのことでした。
コードレスホンと署活系の周波数の差は20MHz、イメージ受信の周波数の差も20MHz。
現象がぴったり一致です。
これで原因がはっきりしたため,呆気なくこの調査は終了です!でもこれでは少し寂しい
ので、受信して確認できた基幹系(県内系)と補助中継回線周波数のリンク状況を以下に
示したいと思います。
今回は失敗に終わってしまいましたが、過去には警視庁島嶼系(155.725MHz)補助中継
回線の周波数(168.5100MHz:RLに投稿,掲載済)の発見などもありました。
地道に未知の周波数探しをしていきたいと思います。
追記
さすがに広い範囲をカバーする必要のある高速系は、使用している中継回線が多いです。
なお、基幹系の周波数および使用者はRL別冊周波数帳などを参考にしました。またリンク
している補助中継回線の周波数が、2003年RL2月号付録周波数ハンドブックの記載内容
と若干異なるところがあります。それについては調査を続けていきます。
(このデータを投稿しちゃ駄目ですよ!!)
用語の説明 本文中に出てきた用語を簡単に説明します。
・警察の基幹系(県内系):各警察本部と署,パトカーなどが交信に使用する無線系。通常
110番通報された内容は、この無線で担当するパトカーなど
に指示が流されます。
・署活系:各警察署単位で割り当てられた周波数を使用し、署と交番の警察官が連絡を取り
合います。
・補助中継回線:山の上などに設置された基幹系(県内系)の無線中継所どうしを結ぶ回線
です。この回線のおかげで、広い範囲で交信が可能となります。