このごろ思うこと パート15

☆カナダ旅行  (2005年10月)

 先月の18日から25日まで、友人とツアーでカナダへ行ってきました。

9月18日
 娘と孫に見送られ、込み合う成田空港を出発(15:55)しアメリカのデトロイト空港へ到着したのは、11時間半後(時差マイナス13時間)でした。入国審査で両人差し指の指紋と写真を撮られてびっくり、テロの影響を思い知らされました。

 デトロイトよりモントリオール便は1時間遅れ、更にカナダ入国に1時間かかり、ホテルへの到着は2時間遅れの夜9時となりました。それでもステキなホテルに感激し、部屋へ届けられたおにぎり弁当を食べ疲れも吹っ飛びました。このホテルに3連泊なので、クローゼットに洋服をかけ、ゆっくりとバスタブにつかり、ぐっすりと眠りました。


9月19日
 カナダでまず始めに感じたことが、水道水のおいしさでした。昨日、ガイドの方に「水道水を飲んでかまいませんよ」とは言われましたが、半信半疑でミネラルウオーターを買いましたが、レストランで出されたお水がすごく美味しかったので、それ以後はカナダの名水と言ってみんなで喜んで飲みました。カナダは氷河からの雪解け水を満々と湛えたセントローレンス川を始めとした、川の多いそして川幅の広いゆったりとした国でした。

 それともう一つ驚いた事は、モントリオールのあるケベック州は公用語がフランス語と英語で、町の看板、レストランのメニューなど、すべてフランス語、ホテルの従業員もレストランもお店も必ずボンジュールです。

 朝8時10分にホテルを出発し、今日は世界遺産でもあるケベックシティの観光です。ケベックシティはフランス人によるカナダ植民の拠点となったところです。ここにたどり着いたフランス人は川に群れているビーバーを発見し、当時フランスで大人気だったビーバーの毛皮交易が盛んになり、フランスから移民が多くやって来たそうです。20数年前、私の両親がカナダ旅行のお土産に、息子にビーバーのぬいぐるみを買ってきてくれたのですが、その意味が始めて分かりました。

 その後、イギリス人がやってきて、イギリス人が攻めてくるのを防いだのがケベックの城壁だそうです。しかし結局イギリスが勝利し、イヌイットやネイティブインディアンと戦い、カナダからアメリカへ下って行ったのが開拓の歴史です。

 セントローレンス川沿いのドライブでノートルダム教会へ立ち寄りました。ノートルとは貴婦人というフランス語で、その貴婦人とはマリアのことです。この地にマリア伝説があり、それを記念してこの教会が立てられたそうです。内部のステンドグラスがすばらしかったです。

                 

 サン・ルイ門より城壁内(世界遺産)の旧市街へ。上の町と下の町があり、かわいい町並みでした。みやげ物を買ったり、カフェでお茶を楽しんだりしました。


9月20日
 今日は紅葉で有名なローレンシャン高原への小旅行です。カナダではローレンシャン台地というそうで、高原と命名したのは日本人です。その後、カナダ観光局でもその言い方を採用しているのだそうです。

 ローレンシャン台地は地球のマグマが固まり、初めて陸地ができたところだそうです。それで地質学者が多く訪れる場所でもあるそうです。今は都会に近いスキー場ということで、たくさんのゲレンデやかわいい町がありました。

 今年が猛暑だった影響で、例年より紅葉がおくれ、ちらほらと紅葉が始まったばかりでした。ここはほとんどがカエデの群生なので真っ赤に紅葉し、見渡す限り赤い風景に変るそうです。すこしがっかりでしたが、紅葉なら日本でだって楽しめるのだからと思い直し、カナダの自然を思いっきり楽しむことにしました。

 この台地には数多くの湖があり、その湖畔はアメリカ人の富豪の別荘やアメリカ、カナダ人のそれなりの別荘もあります。皆、マイボートを湖に係留し、ボートに乗ったり、散策やジョギングをしたり、暖炉の前に座って一日中読書したりして、静寂をゆったりと楽しみたいのに、ここの紅葉を求め、日本人が行列をなして押し寄せ、私有地にまで入り込み写真を写すので、困ったものだと言う人たちと、経済が潤うからいいのではと言う人たちが喧々諤々の議論をしているところだそうです。そんな話をガイドの方に聞いてからは、自分がそこの住人だったらいやだろうなと思い、少し申し訳ないような気になってしまいました。

 ここでは世界でのメイプルシロップの80%を生産をしているそうです。それも工場で大規模にというのではなく、ほとんどが家族でやっているそうです。幹が20cmの育ったら穴を一つ開け、40cmになったら穴を二つか三つあけていいと決められているようで、それに違反するとカナダ゙のメープルシロップと認められないそうです。そうやって自然を守り、品質を保っているのでしよう。カエデを植えて収穫できるのは孫の代で、その訳はカナダは冬がマイナス何10度という世界で冬の時期も長いので樹木の生育が遅いのだそうです。一滴残さず樹液を出した木は枯れてしまうので、伐採し、燃料などにするそうです。カエデの種類はたくさんありますが、メイプルシロップがとれるのはさとうカエデだそうです。天然の恵みのメイプルシロップにはたくさんのミネラルが入っていて、カロリーも低いということです。我が家はメイプルシロップが大好きなのでたくさん買い込み、その後の手荷物が重くて苦労しました。

                  


9月21日
 今日はモントリオールからナイアガラへの大移動の一日です。10時にホテル出発。モントリオール中央駅へは私達が宿泊していたホテルの地下からつながっていました。大陸横断鉄道(VIA)でキングストンまで3時間の列車の旅です。車窓からの雄大なコーン畑、川、森、眠っては勿体ないとばかりに自然を堪能しました。

 その間、前に座ったグループの二人連れの方と色々おしゃべりも楽しみました。そのお二人は70カ国を訪れるのを生きがいにしている方で、もう50カ国へ行ったそうです。それに趣味も多彩で、活動的な旅の服装からは想像も出来なかったのですが、社交ダンスをもう長い間習っていらっしゃるそうで、「ダンスをする時は思いっきり派手な色のドレスを着るのよ」っておっしゃっていました。またボランティアで独居老人へのお弁当の配達や話し相手もなさっているそうです。

 今回の旅は一行27名でしたが、だんだんうちとけてきて、旅が終わる頃には全ての方とお話しました。皆さんそれぞれ、本当に自分らしく人生を謳歌して生きていらっしゃいます。そして子供心を忘れず、好奇心旺盛で感動する心の持ち主ばかりでした。その中でも添乗員の仲本さんは本当に素晴らしい方でした。活発で、統率力バツグン、細かい心遣い、すばやい対応、朝早くから夜遅くまで嫌な顔一つ見せないで、いつも笑顔で親身に面倒を見てくださいました。合間合間に個人的にお話しましたが、子供の頃から体が弱く、リュウマチだと解るまで長い間、様々な症状に苦しまれたようで、病名が分かった時点でホッとなさったそうです。今でも目が覚めてから体がちゃんと動くようななるまで1時間かかるそうですが、そんなところなど微塵も出さず、明るく、アクティブな立ち居振る舞いでした。

 ご結婚されていますが、お子さんはいらっしゃいません。ご主人様の転勤で中国に住んでいたとき、家の前が孤児院だったのでボランティアにいっていたそうです。「ものすごく頭のいい男の子がいる、勉強の機会さえ与えれば素晴らしい人になるだろうと」と孤児院の方に教えられ、ご主人様と話し合い、その子を経済的にバックアップすることにしたそうです。今ではアメリカのUCLLの数学の学者になり、結婚式のときはファーストの航空チケットが同封された招待状が送られてきて、彼の両親としてお式に参加したそうです。その子を長男だと言っていました。

 その後、カソリックのある団体の子育て支援会をとおし、今までに教育資金を出してあげた子が20人もいるそうです。字も書けなかった子が学校へ行くようになると、1年ぐらいで立派な手紙を書いてくれるようになり、それが嬉しいと言っていました。ストリートチルドレンだった女の子で今ではお医者様になっている子もいるそうです。そういう事を何気なく話して、私は世界中にたくさん子供が居て本当に幸せと笑っていました。ご自分が子供の時から体が弱く、それを乗り越えてきたからこそ、人の痛みが分かるようになったのでしょう。今回の旅行は仲本さんとお友達になる事ができただけでも価値があったと思います。

 キングストンで列車を降り、セントローレンス川の源であるオンタリオ湖の入り口のロックポートという場所から、サウザンドアイランズ(セントローレンス川に浮かぶ1000以上の小島)をめぐるクルーズ船に乗り込みました。一つひとつの島に別荘が建っていて、大きいお城みたいなものから小さなものまで島の住宅展示場みたいでした。川の中心がアメリカとカナダの国境で、船でアメリカ、カナダを出たり入ったりしました。真ん中の写真がカナダとアメリカを結ぶ最も短い橋(5m)です。

 アメリカの大富豪のホテルオーナーが42歳の奥さんのバースデープレゼントにお城のような別荘を建てていたのですが(写真左)、完成の数ヶ月前に奥さんが急死し、愛妻家のホテルオーナーがその別荘を使うことはなかったそうです。その方がこの辺りのレストランで出されたサラダドレッシングをたいそう気に入り、自分のホテルでも出すようになり、そのドレッシングの評判がいいので売り出したのが、私達もよく知っている「サウザンドアイランズドレッシング」です。昼食のサラダにかかっていましたが、本場のドレシングはおいしかったです。

          

 オンタリオ湖に沿い、トロントまでドライブ。今回ご一緒している友人の娘さんが留学していたことのあるトロントで夕食をとる事になっていたので、どんな町か見てみたいと楽しみにしていましたが、もうすっかり暗くなっていました。夕食は8時でした。トロントは世界の住みたい町のトップレベルに常に入っている町だそうで、多くの国の人々が住んでいるそうです。よって多国籍料理店も多いそうです。今日の夕食は中華のフルコースと聞いてはいましたが、内心期待はしていませんでした。しかしなかなか本格的な料理でびっくりしました。

 食後、またまたドライブ。ナイアガラまで1時間30分くらいかかりました。ホテル到着22時40分。滝の前のホテルと聞いていましたが、真っ暗で何も見えませんでした。見えていたのはラスベガスのようなきらびやかなネオンサインだけ・・・。


9月22日
 朝、目が覚めて窓の外を見るなりワーッと歓声をあげてしまいました。アメリカ滝、カナダ滝が両方とも窓の外に広がっているではありませんか。私達の部屋は6階でした。アメリカ滝の横にはレインボーブリッジも見えます。この橋は歩いても渡れるほど短いもので、橋の向こうはアメリカです。

 レストランが10階というのも行ってみて納得です。滝を見下ろせる絶景です。こんなステキな景色を見ながらの食事は何と美味しいことでしょう。カナダに来て以来、朝食には必ずメイプルシロップをかけて食べるパンケーキやフレンチトーストを食べています。お陰で強行スケジュールも何のそのです。

 今日の観光は、まずカナダ滝が落ち始める場所が真近に見られるテーブルロックという場所に行きました。手が届きそうな場所から流れ落ちる膨大な水の厚みに茫然自失。お天気がいいので、水がヒスイのような緑色。滝の水は白いと思っていた価値観がひっくり返りました。いくら見ていても飽きません。そして水に引き込まれそうになり、くらくらしてきました。畏敬の念が湧いてきます。何だか敵わないなあ。大自然の迫力の前に全ての自我が降参したようです。

 その後、霧の乙女号に乗って、アメリカ滝、カナダ滝の直下近くまでいきます。皆ブルーのレインコートを貰い、船がブル一色です。真下に近づくにつれて体中にかかる水しぶきが半端ではありません。こういう興奮状態の時には思いっきり声を出そうと思い「キャーッ、ウオー、すごい! 面白い!、キャー」と歓声をあげ続けました。下船したとき、みんなの顔は浄化され、ピカピカに光っていました。

          

 その後、日本料理屋さんで昼食をとりましたが、久しぶりのお味噌汁の美味しかったこと! 昼食後はワイナリーに行きました。そのワイナリーまでの道は果樹園栽培の場所で、車窓からりんご、なし、桃などのかわいい実をつけた樹木をたくさんみました。こちらの果実は実が小さくてかわいいです。朝食のバイキングの場所にも必ず小振りのりんごや桃がおいてありました。桃をたべましたが、とてもおいしかったです。

 ワイナリーでぶどう畑を見学した後、ワインの作り方の説明を受け、白と赤ワインの試飲をさせてもらいました。そのあと、希望者のみ2ドルでアイスワインの試飲をしました。まず白、赤ワインようのぶどうを収穫し、アイスワイン用の実を残しておくそうです。そしてマイナス10度の日が3日続いた後収穫し、凍ったままのぶどうを搾るそうです。一粒の実から一滴取れるか取れないかというくらい、カラカラに水分が抜けているので、その果汁からつくるワインはものすごく甘く、デザートワインとして今では日本のデパートでも買うことが出来るそうです。本当においしかったので購入し、またまた手荷物が重くなってしまいました。

 ナイアガラの滝は夜8時半になるとライトアップするので、夕食をゆっくりとり、ライトアップまで粘ってライトアップした滝を楽しみました。


9月23日
 今日は待望のカナディアンロッキーへの移動の日です。朝6時半に朝食用のお弁当を持ち、出発しました。目の前のレインボーブリッジをバスで渡りました。バスの中に係員が入ってきて一人一人バスポートを見せ、入国手続きが終わりました。その後バッファロー空港から2時間でミネアポリスへ到着。ここで飛行機を乗り換え、更に約3時間でカルガリーへ着きました。ナイアガラとカルガリーの時差は2時間あります。

 空港からバスに乗り、市街地を通り抜けるとまもなくカルガリーオリンピックのときに使用したジャンプ台が見えてきます。その辺りからは見渡す限りの平原で、ところどころにアルバータ牛の牧場がありました。少しずつ高度があがるとカナディアンロッキーの山々が遠くの方へ見えてきます。すごくいいお天気でみんなの期待も高まってきました。

 今日はカナディアンロッキーの一角のカナナスキスというところへ泊まります。ロッキーの山々にかこまれた素敵なホテルでした。暖炉の火とウエルカムドリンクのレモネードに迎えられました。早めの到着なので、部屋で一休みするやいなやロッジ風のホテルの広大な私有地の散策コースを一回りしました。リスがたくさん居て、冬眠に備え一生懸命えさを食べていました。夕刻のカナナスキスは身も心も洗われるような凛とした雰囲気の場所でした。

          


9月24日
 今日は一日カナディアンロッキー観光です。観光というより、その地に自分がいることがただただ嬉しく心が喜んでいます。今回の旅行は晴れの日続きでした。待望のカナディアンロッキーの一日も快晴で、寒さ対策ばかりで洋服を選んだのに不必要なようです。

 絵葉書等で知っているロッキーの湖はあざやかな青です。どうしてこんな色をしているかというと、氷河の溶け出した水で出来ているため、氷河によって削りだされた岩粉が水中に浮遊し、湖面に太陽光線が当たった時、湖中の岩粉によって、波長の短い青系統の光だけが反射されるので、湖水が青く見えるのだそうです。トルコブルー、エメラルドブルー、グリーン等、湖の色は岩粉の量や天候、時間帯によっても刻々と変っていくそうです。

 キャッスルマウンテン、レイクルイーズ、クローフット氷河、ハーバードレイク(逆さ富士のように山々を映していました)、ボー湖、ミスタヤ谷、スノバード氷河、ウオーターファウルレイク(ここも山々を映していました)、等を車窓から見たり、下車観光しました。あまりの美しさに感動で心がふるえました。

 北サスカチュワン川をビックホーンシープの群れが渡っていました。皆で歓声をあげ出会いを喜びました。そしてコロンビヤ大氷原の一部のアサバスカ氷河(写真中央)に着きました。ここで雪上車に乗り、氷河を体験します。氷河の先端も美しいブルーでした。実際歩いた氷河はスキー場の雪の上とあまり差がなく、すこしがっかりしました。遠くから見るほうが美しいです。

 そしてまだ見ていないのは熊だけね。「熊さん出てきて!」と念じていたら高速道路に車が数台とまっていました。何かと見るとそれはブラックベアーでした。大感激! その後、ペイト湖(本当にペイントで塗ったようなブルーでした。写真右)、バーミリオン湖、ランドル山、その他にも一面の山々、湖・・・。

 あまりの美しさ、壮大さの中にあっては私達が普段抱えてる悩みなど何とちっぽけなものでしょう。この波動さえ忘れなければ、すぐにここの心の位置にもどって来られる自信があります。平凡な言葉ですが、心が洗われるという言葉が一番ピッタリ来ます。

          

 この日はカルガリーの街中にあるホテルにとまり。明日は帰国です。楽しい、心踊る旅行の思い出を持って帰ります。


9月30日
 日本に帰って4日が過ぎました。日常にもどってきましたが、行く前とハッキリ心のあり方が変ってきています。細かい事にこだわりがなくなりました。自然体で人間を体験していくだけです。自分以外の人になろうとする必要はありません。無理をしないで、ただ淡々と・・・。



☆逆戻りではありません  (2005年11月)

 急に寒くなり、なんとなく人肌恋しい季節ですね。先先週の日曜日に、孫と二人で井の頭公園へ行きました。久しぶりの晴天で、おにぎりを食べたり、散策を楽しんだり、秋の気配を思う存分楽しみました。公園に並んでいる出店で孫にトルコ石のブレスレッドを選んで買いました。大好きなトルコ石が12月の誕生石だということで(孫は12月生れです)・・・。

 その後、隣接の動物園にいきました。ここの動物園では、日本固有の種の繁殖に力を入れていて、日本リスを大きなケージで、自然に近い状態で観察できるよう、中に入って身近に観察できるようになっています。自分の足元を走り回るリスを見て大満足でした。もし興味がおありでしたら、是非午前中か午後の早いうちをお進めします。動きが活発で見ていて飽きません。

 孫は最近デジカメにはまっていて、景色や花や鳥や動物を上手に撮ります。孫と過ごす時間は最高です。だんだん大きくなり、対等な関係で見たり、聞いたり、感じたり、教えたり、教わったりします。

 孫との関係は子育ての時とは違い、いい所も、もう少しどうにかならないのかしらと思える所も全て含めて愛しく、丸ごと愛すことができます。このような気持ちですべての人に接することができればいいのですが・・・。11月3日は学校の文化祭で劇をやるそうで、それを見に行くのを楽しみにしています。

 カナダ旅行から帰ってからしばらくの間はピュアーなエネルギーに包まれ、かなり私のエネルギーもシフトしましたが、またまた主人と二人きりの生活が続くと、ストレスを感じます。

 主人の生き方を全て受けいれ「そのままで何の問題もなし」と思っているつもりですが、実際、ストレスを感じているということは、100%は受け入れていないという事なのでしょう。主人の言動からカチン、カチンと反応している私がいます。その反応するところが、私の価値観と相容れないところなのです。その価値観を見つめ直す作業をしている最中です。

 それをクリアしないと全ての体験に「良いも悪いもない」と、皆様にアドバイスする資格はありません。あせらず、マイペースで進んでいきます。

 浄化に真剣に取り組むと、すごく上手く行き、絶好調な感じでもう大丈夫だ!と嬉しくなります。しかし、安心していると、ハイヤーセルフに事を起こされ、低迷期がやってきて、「ああ逆戻りしてしまった」とがっかりするものです。

 でもこれは逆戻りしているわけではありません。今まで鈍っていた感覚が敏感になり、今までは感じることができなかったすごく小さなゴミが、大きく感じられるようになっただけなのです。別の表現をすると、私達の進化はスパイラルに進んでいきますから、すこし上の同じ場所に戻ってきたとき、逆戻りしてしまったと勘違いをしてしまうようです。同じような悩みでも以前感じたところより上のほうで感じていると思ってください。(上という表現も少しおかしいのですが・・・)

 次の質疑応答にも同じような体験が書かれているので皆様とシェアーしたいと思います。

S・Mさまからのお便り

山口様。こんばんは。ご無沙汰しております。

最近になって、ようやく歓びや穏やかな日々を送れるようになったと思っていたのですが、一難去ってまた一難、という事が起こり、また人生に絶望しました。

これまで私は、自分の生立ちはともかく、職場の人間関係と、恋愛の事で随分執着もし、悩み苦しんできました。
生きていることが苦しい、そんな日々。人生でした。
そして、さっきも書いたけど、いつも、一難去ってまた一難、の繰り返しばかりなのです。

シナリオも受け入れられない自分に戻ってしまい、今また苦しくて、死にたくなりました。

津留さんのメッセージや山口さんの「このごろ思うこと」を読ませて頂いて、理解できたと思って楽になれると思っていた矢先、また叩きつけられるようなショックなことが起きました。

こんな人生はもういやです。
詳しい事を書いても意味が無いのですよね。
どうしたら良いか、教えて下さい。
「委ねる」と「願望実現」のイメージと書き換えが良くわかりません。
執着と期待はいつも握っています。

いつも申し訳ありません。でも、もう死にたいです。


返事


M・Sさま、返事が遅くなってすみません。
沢山体験していますね。
元に戻ったと悲観されていらっしゃいますが、エネルギーはスパイラル(渦巻き)に進んでいますので、元に戻ったように感じてしまいますが、ちゃんと進んでいますから安心して下さい。

精神世界の事を学び始め「ああ解ったぞ!」と少し軽くなると、またまたハイヤーセルフから「本当にわかったの」と、事が起こされてしまいます。そしてまた落ち込んで、乗り越えて・・・の繰り返しです。なかなか本当の悟りにまでは到達できないようです。

私もその一人です。でもこの世は体験の世界です。二極の世界ですから、無極の世界のようにはいきません。無極がよければ人間になる必要はないですよね。

どうぞ、今の葛藤を思いっきり体験してください。し尽くしてください。すると今の問題に関しては卒業というところへ行き着くことでしょう。必ず・・・。

そして落ち込んでから、抜けるまでの時間が段々短くなっていきます。でも完全に抜けてしまったら人間として存在する必要がなくなってしまいます。

>「委ねる」と「願望実現」のイメージと書き換えが良くわかりません。

委ねるとは、起きてくることを全て「これは自分がしたい体験なのだ、私の魂の進化にとってした方がいい体験なのだ」と受けいれ、感じつくすこと。そしてこの体験はもう充分にし尽くしたので自分から切り離したいとお思いでしたら、はっきりと声に出して宇宙に宣言しましょう。そしてその方法、時期は宇宙にお任せするという感覚です。

願望とは今、自分にはないと思っている事を欲しいと思うことですから「そうなりたい、そうなりたい」と宇宙に願い事をするとは「自分はそうではない!」と言い続けているのと同じことなのです。だからうまくいかないのです。実現するには、ありたい自分や環境をイメージで明確に描き、「そうなります」と宣言することです。そしてそうなった自分を常に描きつつ生活して下さい。そのイメージがその様な明日を作り出す素となります。

でもその前にすることがあります。一度、ありのままの自分を「丸ごと」このままで完全だと受け入れて下さい。ダメだ・ダメだと思っていると、ダメな自分がますます大きく育ってしまいます。人は自分が思っている(信じている)世界を、自分の外側に見ているのです。自分の価値観が360度の立体スクリーンに映っているのだと思ってください。

外側を変えようとするのは大変なことです。だから、ますます自分がちっぽけな人間に思えてきます。自分の心を変える方が簡単です。自分の中の、もう切り離したい思いを一つずつ、M2で出してあげてください。根気よくやり続けて下さい。いつの間にか自分の価値観が変ります。すると、外側も変って見えるようになります。

先ずはそれをやって下さい。皆、体験が違うのです。あなたは世界で1人のユニークな存在なのです。あなたの位置から見える世界を知りたくて、神様があなたになったのです。

死ぬ事はいつでも出来ます。でも今回するべき体験をし残して帰っていったら、また同じような体験がしたくなり、次の生でも同じようなストーリーを描いてしまうことでしょう。

今あなたが居る場所が、あなたの居るべき(今生のあなたの魂の進化に最も相応しい)場所ですから、どうぞあせらずに、今・そこの体験を大切になさって下さいね。