このごろ思うこと パート10

☆勝ち組、負け組  (2004年7月)

  孫を見ていると、本当にシナリオを描いてきているんだなーと実感させられます。運動会を見に行っても、授業参観に行っても、とにかくマイペースで、他のお子さんと比較すると幼いというか頼りないというか「もう少しきちんとできないの?」という感じです。しかし、何かと比較しても何の意味も無いんですよね。娘も私も孫の全てを受け入れ、そのままでいいと思っています。

  授業中に集中力が続かないからといって、全てに集中力がないわけではありません。家で好きな絵を描いているときや、製作をしているときはすごく集中しています。好奇心旺盛で、動植物が大好きな孫は鋭い観察眼でいつも私たちを驚かせます。鳥や魚や動物の名前も図鑑で調べ、よく知っています。全てに平均して合格点を取るのではなく、何かこれはというものをいくつか持っている人生は豊かだろうと思います。

  去年と同じ沖縄のホテルに6月の末から3泊で行ってきました。去年のイルカとの触れ合いがよほど嬉しかったのでしょう。その後、顔に水がかかると泣いていた子がスイミングスクールに自分から行くと言い出して、ずっーと通っているので、今回ももちろんイルカとの触れ合いのプログラムもやりましが、その他に体験シュノーケルもやりました。始めは順調に泳いでいたのですが、大きなエイがたくさんいたので、エイには毒針があると知っている孫はこわいこわいと言いだし、先生からエイの毒の針は切ってあるから大丈夫よと説明を受けても目の前にいる大きなエイはやはり恐いらしく、それなら少し浅瀬に行ってきれいなお魚を見ようと移動しました。色とりどりの魚たち。海中の世界を自分の目で、自分の力で見る事が出来、大満足の孫。また一つ成長し、大きな自信となったようです。無理せず自分のペースでいいんです。それが自分にとっての最善の体験なんですね。

  いつも家に閉じこもって仕事ばかりしている私も、一緒にシュノーケルに挑戦しました。以前、御蔵島へイルカに会いに行った時も、泳げず、シュノーケルの使い方さえ知らなかった私が、直前に津留さんに使い方を教えてもらい、イルカの群れが船に近づいて来たとき、「それ!飛び込め!」というガイドの方の声が聞こえると飛び込んでいました。人はやりたいと思っている時には思いもよらない力がわいてくるようです。もっとシュノーケルが上手になりたいと思いつつそのままになっていたのですが、美しい沖縄の海の、囲いのある安全な場所でのシュノーケル体験で、お魚を見られたことはかけがえのない経験になりました。

                 



  最近受けたご相談で「自分は毎日遅くまで会社に居残って仕事をこなし、その成果は人には絶対負けていないのに、昇進ルートからはずされ、後輩に追い抜かれ、頑張っても頑張っても昇進できない。もうこれ以上頑張れない、どうすればいいか」という問いかけがありました。

  人は誰でも自分の存在を認めてほしいという本能を持っています。自分の存在理由です。しかしその存在理由を「会社での昇進」という一つだけに絞り込んでしまっているところにその方の苦しみがあります。「会社での昇進が思うように行かず悩んで、悩んでどうしようもなくなり、意識が内側に向き、全ては自分の心の中にすでに在った」と悟るというストーリーを描いてきたのではないでしょうか。ですから「どうしても昇進出来ず、もうイヤだ!」とエゴがお手上げになるまで体験させられているのでしょう。これはハイヤーセルフからの「あなたはこのままでいいの?」というメッセージだと思います。

  人は存在するだけで価値があります。エゴはすぐに何かをしようとしますが、何もしなくてもいいのです。そしてその事が腑に落ちたときに何かやりたいという思が沸いてきたら、始めればいいのです。

  この相談者は過去世でどんどん昇進し、社長になり、社員を自分の手足のごとく動かした体験があるので、今回は認められない社員がどんなにつらく苦しい思いをするのかを体験に来たのではないでしょうか。まだ頑張れる余力があるのなら、もう少しこの勝ち負けのゲーム体験を続けてもいいし、「昇進などしなくてもいい」と今決めることもできます。そして昇進などしなくても今の仕事が好きなら、楽しんで、余裕を持って自分だけのために、自分らしく仕事をすれば、仕事が辛くなくなり、まるで趣味のようになることでしょう。また、その仕事が好きでないのなら、他に何か自分がやりたいことはないかを探してみるといいと思います。

  こう考えると、勝ち組も負け組も価値は同じということです。3次元で勝つことは、短いスパンでは可能ですが、それが続くことはあり得ません。上がったり下がったり波の形をしたエネルギーの流れのなかを進んでいるのが3次元世界だからです。勝ったら、それを維持するのにどれだけの努力が必要でしょう。いつか負けるのではないかという恐れは非常に強いと思います。

  どの場所にいても、それぞれに喜びと苦しみがコインの裏表のように同時に存在しているのが、3次元世界です。その中でジェトコースターに乗って遊んでいるのが人間です。

  絶対的安心感は「今・ここ」にしかありません。他との比較のないところ、自分は世界にたった一つのユニークな存在だと信じるところ、このままで何の問題もないと信じるところ・・・、そこに絶対的安心感があるのではないでしょうか?



☆緊張を取る方法は?  (2004年8月)

  暑い日が続いていますが、皆様お元気におすごしでしょうか? 私は8月1日の61歳の誕生日に、今一番夢中になっている社交ダンスのデモストレーションで真っ赤なドレスを着てタンゴを踊りました。約一年かけて練習した成果を自分なりに精一杯表現できて満足しています。

  孫から花束をもらいましたが、じゅんじゅん(私をそう呼んでいます)綺麗といって私に付きまとうので、ダンスタイムには一緒に踊りました。70歳の方も素敵なドレスを着て、素敵に踊っていらっしゃるのです。ダンスが今の私の元気の素です。

  昨日のメールで「仕事上、人前で話をしなければいけないとき、緊張のあまり、声はふるえ足はガクガクでうまくしゃべれないので、今まで認められるチャンスを逃がしてきた。それが一番の悩みです。どうすればいいでしょうか?」というご質問をいただきました。


ご質問

  他人はいないと教えていただいてますが、私が一番つらいことは人の目を恐れることです。劣等感のため人から軽蔑されることを恐れています。

  具体的には仕事上での会議や研修などで説明や意見を述べたりするとき恐怖心で固まってしまい、全身が過緊張状態になり声も身体も震えてしまい喋れなくなりとても苦しくなることです。この悩みがあるため会議や研修をできるだけ避けてきたし自分の力を伸ばすチャンスも切り取ってしまうようなことをしてきました。

  小さい頃からずぅーっと苦しんできたこの悩みは私の業として一生苦しんでいくしかないのかと絶望していましたから津留さんのテクニックは天からの助けのような気がします。

  浄化のテクニックで過緊張状態を取りたいのですが具体的にどのような言葉かけをしたら良いのかわからないので教えてください。また内杉式M2テクニックで良いでしょうか?



返事

  あなたは過去に何か失敗して恥ずかしい思いをした経験があると思います。そのときに傷つき、ブロックを作ってしまいました。

  何か思い当たることはありますか?

  もしあったら、そのときの恥ずかしい感情、辛い感情と共に居るというワークをやってください。思い出せる限りの出来事ごとについてやってみてください。

  何も思い出せないのなら「この私の、劣等感から軽蔑されるのではないかという思いの原因を教えて下さい」と宇宙に質問して、後は忘れていてください。必要なときにその答えが必ずきます。

  今この瞬間、あなたは誰からも軽蔑などされていません。そう思っているのはあなただけです。そしてまたいつか失敗するのではないかという「恐れ」は未来のまだ起きてもいない出来事への想像です。

  だれでも意識が「今・ここ」から抜け出て過去や未来に飛んでいけば不安になるものです。どうぞ「今・ここ」に意識を留める訓練をしてください。

  不安になったとき、すぐに自分の心を見てみるのです。必ず過去か未来に行っていたはずです。自分の意識がどこを向いているか気付いて下さい。

 もし、あなたが自分は○○において人より劣っていると思っているとしたら「今の私のこの状態を自分で設計して生れてきたのだ」と思って生活してみませんか? そこからくるストレスを味わいたくてこの性格、体格、日常を自分(神の部分の)が決めているのだと・・・。

  自分を丸ごと受け入れてみませんか?

  誰にでも苦手なことはあります。私も緊張体質です。講演を頼まれたとき、もし、途中で頭が真っ白になって、しゃべれなくなったらどうしようと思い、講演会のとき、「私はあがり性なので原稿を書いてきました。それを読ませていただきます。」と言って原稿を読み上げました。それでも後で、「良いお話でしたね。」と言っていただきました。

  人にいいところを見せようとしなくても、ありのままの自分をさらけ出せば楽に生きられるのではないでしょうか。声が震えても、しゃべれなくてもいいじゃないですか、先ずはこのままの自分で良いと受け入れることです。

  人の前でしゃべるのは苦手な私も、大好きなダンスのデモストレーションのとき、大勢の人の前で踊ってもぜんぜんあがらないのです。素敵なドレスを着て、自分のダンスを見てもらうのが嬉しくてワクワクするからです。

  あなたも自分が好きなことをするときは、それが人の前であっても緊張しないのではありませんか?

  人は皆、違っていていいのです。すべてに於いて完全でなくていいのです。そのために自分のチャンスを逃してきたと思っているようですが、チャンスをのがしたのは、あなたが進む道はその方向ではありませんよというハイヤーセルフからのメッセージという捕らえ方もできます。

  もうさんざん緊張する自分を体験しつくした、卒業したいと思っているのでしたら今がその時でしょう。

  内杉式M2、津留式M2、それと一番初めに書いた過去のブロックの感情と共にいる方法を何度も何度もやってください。「どのように声かけをしたらいいですか?」というご質問ですが、その時に湧き上がってくるご自分の言葉でいいのです。一つの出来事についてのブロックにも、いくつものミニ自我がくっついているので、色々な言葉で何度もやってください。

  それと一番大切な事が自分の呼吸にいつも気付いているということです。何か少しでも緊張していると感じたら、すぐに深い呼吸をしてください。「緊張感がなくなるまで深呼吸」、これが一番簡単で効果的です。呼吸とは「今・ここ」の場所ですから・・・。




☆「今・ここ」にいつもいる  (2004年9月)

  今年の夏は本当に暑かったですね。日中は家へこもり、夕方になってやっとお買い物へ行くという毎日でした。それに加えてオリンピックの中継が夜中なので、すっかり夜型人間になってしまいました。何年も何年も夢を持って頑張り、やっとオリンピックの出場の夢が叶った人々を見ていると、やはり感動してしまいます。精神世界で、「頑張らなくてもいいよ」という話をしていると、では頑張っている人を見てどうして感動するのと思う方もいらっしゃる事と思います。

  頑張らなくてはいけないと思うあまり、どうしようもなくなって劣等感を抱いたり、屈辱感を抱き、もがき苦しんでいる方へのメッセージとして「頑張らなくてもいいのですよ。今世のあなたの体験は頑張ることではなく、そのままの自分を受け入れることですよ」とお話しているわけです。どちらのサイドを選択するか、その選択権を全員が持っているのです。一度どちらでもいいとニュートラルポイントに戻り、そこから頑張りたいという想いが湧き出てくる人は頑張る選択をしてきた人です。

  ハンマー投げの室伏選手が前回の投てきを失敗し、あと1回しか投てきが出来なくなったとき、グランドに大の字に寝そべりました。その後の投てきが大成功し,、その時点で銀メダルをとったのですが、その後の番組で「あの時何を考えていたのですか?」という記者の質問に、ただ寝転びたくなったので寝たら、星がたったひとつだけありました。ああ、星がひとつあるなー。」とただ見ていただけです。前回の投てきの失敗も、これから投げるという思いも全くその瞬間で切れていました。」と話しているのを聞いて、(言葉の細部が多少違うかもしれません)「今・ここ」の心の位置が一番パワフルなのだと再確認させられました。

  それと似たコメントをもう一つ聞きました。男子体操の金メダルをかけた戦いの時のことです。誰が言ったのかは忘れたのですが(ご自分もオリンピックで金メダルを取った方です)、解説者として番組に出られていて、アナウンサーの「あのようなプレッシャーの中で、興奮状態の中でどうして自分の実力を発揮する事ができるのでしょう。」という質問に対し、「上がらないようにしようという思いは、もう上がっている証拠です。緊張しないようにしようという思いもこれまた無理な事です。ではどうすればいいか、興奮状態で緊張している自分を楽しめばいいのです。それを高揚感に押し上げ、今自分がやっていることだけに意識を合わせていくのです。今自分の手がどう動いているのか、足がどう動いているのか、その一瞬、一瞬だけに心を集中させるのです。」と言っていました。

  話は変わりますが、最近商品の注文が減って暇になったので、前からまとめたいと思っていながら、商品の発送に追われ(と言いつつ自分の遊びの時間はたっぷりとっているのですが)、出来ないでいた津留が最後のころに書いた文章をを編集し、やっと1冊にまとめることが出来ました。

  「思った通りを体験する」という良い例なので恥ずかしながらご紹介します。毎日、毎日商品を作っては発送していることに疲れ、「ああ注文が来ないといいな」という思いを発していた時期がありました。それもほんのわずかの間のことです。でも自分が発した思い、言葉は現実化します。1ヶ月たった頃から、めったに注文が入らなくなったのです。始めはどうしたのだろうと思いましたが、すぐその理由が解りました。宇宙はちゃんと私の望みをかなえてくれたのです。それで以前のお願いをキャンセルして、毎月○○くらいの売り上げがありますようにと宇宙に宣言しました。そしていかにしてかは考えません。

  このHPに掲載しているメッセージは「創世会レポート」という月刊誌に掲載していたもので、その後、津留に本当に自分が体験したことだけを話していけというメッセージがきて、「集合人」という月刊誌にシフトしました。「集合人」に掲載した「浄化の旅」をまとめ、さらにこれも「集合人」に掲載していた「座禅体験記」「セッション集」を加えました。「集合人」に掲載していた文章がまだ本になっていないので、私が生きているうちに本にしたいと思っていたのですが、人間津留晃一の本音の部分が綴られていて、以前はこれを本にすることに少し抵抗感があったのですが、やはり全てを出し切ろうと思ったわけです。それを止めていたのは私の自我です。

  今まであった抵抗感がなくなるまで、このままでいいと自分の思いを受け入れ、その体験が終わったので、今度は本にしたいという想いが湧き出てきたわけです。どちらでもいいということです。

  今の自分の思いを大切に、決して無理はしないように・・・。でも「今・ここ」にいられるよう意識の向きだけは毎日チェックしたいものですね。