宿の近くを歩く


  夕方あたりなど、早い時間に宿に着いた時に拙者がすることは、宿の近くを散歩することである。

 拙者が泊まる宿はビジネスホテルのことが多いから、宿代に夕食が含まれていることはまず無い。したがって、夕食は外の飲食店でとるか、あるいは弁当か何かを買ってきて、ホテルの部屋でとるパターンがほとんどである。そんなわけで、夕食をとる(あるいは調達する)店を探して、街の中にさまよい出ることである。

 もちろん、それだけではない。「この街に何か面白いものは無いか?」と探索するのも目的のひとつだ。商店がほとんど無い住宅地の中に、忘れ去られたかのようにポツンと模型店があったり、拙者の地元では売り切れていて見つからなかったCDをたまたま立ち寄ったCD店で見つけたりしたこともある。
 また、今の東京では珍しくなった駄菓子屋があったり、地元の人しか通らないような細い路地に面したところにある駐車場に古いクルマがいたりと、いろいろな発見がある。

 海外旅行の場合だと、この「宿近くの散歩」にはいっそう力が入る。国内旅行の場合は鉄道乗り歩きばかりだから毎晩のように宿が変わるが、海外旅行の場合は同じ宿に長逗留することがほとんどだから、宿近くは一種の「生活圏」になる。

 海外旅行の時は、「宿近くのコンビニチェック」が重要なポイントだ。日中の街歩きなどで疲れて宿に戻ってきたら、拙者は缶ビールを飲むことが多い。ちょっとした宿なら、部屋備え付けの冷蔵庫の中にあらかじめ缶ビールやジュースが用意されていたり、宿の中の売店で売っているが、そういうものはかなり割高だ。だから、自分の飲み物や簡単なツマミ類は、宿近くのコンビニや雑貨屋で調達することが多い。現地の食事に飽きた時には、コンビニで売っている現地物のカップラーメンやパンを食べたりすることもある。

 夜遅く宿に着いた時は別として、宿近くの散歩はなかなか面白いものがある。

    2009.1.31