拙者の鉄道旅行は、主に各地のローカル線を乗り歩き、鄙びた駅を訪れることがメインである。拙者に限らず、乗り潰し派の多くはこのパターンだろう。有名観光地には目もくれず、ひたすらローカル線の列車にガタコト揺られていくことに無上の喜びを感じるものである。
とはいえ、せっかく日本各地を訪れているのに、鉄道一辺倒ではチトさみしい。時には普通の旅人?のように、観光地に行きたくなることもある。でも、行きたくなるような有名観光地が駅のすぐ近くにあるとは限らない。なかには、クルマ利用でなければ行きづらいところや、場所がわかりづらいところもたくさんある。レンタカーかタクシーでも使わない限り、鉄道旅行派にはつらい土地も少なくない。
そんな時に役立つのが、地元のバス会社や観光業者が主催している定期観光バスによるツアーである。東京で言えば「はとバス」がそれにあたるだろう。
たいていのツアーはタクシーやレンタカーを利用するよりも割安だし、専用のバスに乗って行くから、地理に不案内でも全然平気。ガイドさんによる詳細な説明もある。
どんなツアーがあるかは、時刻表にも載っている。拙者愛用のJTB時刻表なら、巻末に近いページに、「定期観光バス」の項がある。
さて、定期観光バスのことをいろいろ書いたが、拙者が旅先でこれのお世話になったのは、実は日本国内では一度だけ(^^; 1990年夏の九州旅行で、大分の別府に立ち寄った時に、亀の井バスによる「地獄巡り」のツアーに参加したことがある。温泉地で名高い別府には「○○地獄」というものが市内にいくつかあるのだが、別府の地理に疎い個人旅行者がそれを全部回ろうとするとけっこう大変なので、このツアーを利用した次第である。
また、地元の東京でも、はとバスのツアーを利用したことがある。と言っても都内の有名観光地を巡るものではなく、ヘリコプターに乗って15分ほど都内上空を遊覧飛行するというものである。料金は、浦安のホテルでの軽食込みで1万円少々だった。ヘリコプターというものは、滅多に乗る機会が無いし、個人でチャーターしたら途轍もない金額を払わなければならない乗り物だけに、このお値段はリーズナブルだろう。
海外に行った時でも、このテのツアーのお世話になることが多い。何しろ海外は日本を旅行する時以上に地理に不案内だし、それに言葉の問題もある。シンガポールやタイなど日本人観光客が多い地域には、日本語のガイド付きツアーもある。旅行会社のパックツアーならオプションで選べることもあるし、個人旅行客でも現地で主催するツアーがある。アジア地域なら、パンダバスによるツアーが有名だろう。
ひたすら鉄道に乗り続ける旅もいいが、たまには骨休めで「おのぼりさん」気分にひたるのも悪くなかろう(^^)
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