この番組のタイトルをご記憶の方は多いであろう。昭和38年10月7日から昭和57年3月10日まで18年半もの長きにわたり、NHK総合テレビで放送されていたドキュメンタリー番組である。
内容は、日本各地の人々の暮らしとそこに根付く風土・風習や、開発によって変わり
ゆく日本の風景などを克明に記録したものである。確か22時頃の遅い時間の放送だったにもかかわらず、平均視聴率は10%近かったそうである。
この番組には鉄道を取り上げた回が何度かあった。記憶にある限りでは、視聴者の
投稿に基づいた想い出の駅の特集、昭和53年9月30日に全廃された京都市電の最終日の模様、国鉄山口線に復活したSLにまつわる話、筑豊地帯のローカル線のことな
どがあった。 3番目に挙げたSLやまぐち号の回は、NHK衛星第二放送の山口県特集で最近再放送されたので、久々に視てみた。出てくる映像に、20年近い時の流れを感じたもので
ある。「新日本紀行」の番組中のナレーションはNHKのアナウンサーが交替でつとめていたようだが、このSLやまぐち号の回のナレーションは、元NHKアナウンサーで今はキャスターや司会者として有名な森本毅朗氏であった。
この番組で忘れてはならないのは、やはりテーマ音楽であろう。冨田勲氏の作曲による、いかにも日本的で雄大な曲は、この番組にピッタリである。今ではこの番組のタイトルを冠したサウンドトラックCDも出ているくらいである。民放のバラエティ番組で旅のコーナーがあると、この曲がBGMで使われることもある。
放送終了から早20年近くを経たが、ぜひ再放送(できれば復活!)していただきたい番組である。
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