どこかの駅で途中下車し、駅の近くをブラブラすることがよくある。駅と言っても人の流れが多いターミナル駅や有名観光地の近くの駅は避け、地元の人でしか知らないような田舎駅やローカル線の小駅を選ぶようにしている。
駅前風景はそこの土地柄や駅の乗降客数によって様々であるが、たいていは数軒の商店と銀行の小さな支店・郵便局などがある。駅のすぐ近くに幹線道路があればクルマの出入りも多少はあるが、町はずれにある駅だと、列車の発着時以外はいたって静かである。
駅をちょっと離れてみても、たいていは住宅地か田畑で、ごくごく普通の街並みであることが多い。ところどころに清涼飲料水の見慣れた自動販売機があったりして、この点は都会も田舎も変わりない。
何の変哲もない田舎町をブラブラ歩いていると、クルマで通りがかった人から道を尋ねられることもたまにある。地元の住民だと思われたらしいが、こちとらはただの旅行者なのでわかるはずもなく、「この土地のモンではないのでわからんとです」と、東京人なのになぜか九州弁で答えるようにしている(爆)
途中下車する駅は、時刻表を検討しつつではあるが、旅に出てから適当に決めることが多い。したがって、下車する駅がどんなところであるか、事前に下調べすることはまずない。
下車する駅を決めたら、そこかどんなところであるか想像を巡らしてみる。が、その想像通りだったことはあまりない。さびれた駅前を想像していたのに、意外と立派なショッピングセンターがそびえ立っていたり、逆にある程度の規模の市街地があると思っていたのに、ほとんど何も無かったりしたり・・・。その「想像と現実のギャップ」は、それはそれで楽しいものである。
以前、名前の面白さに惹かれて、山陰本線の「飯井(いい)」という小駅で途中下車したことがある。日本海の海岸近くの高台(というか山すそ)にあって、ホーム1本だけの無人駅であった。今乗ってきた50系の客車鈍行が行ってしまうと、あたりは静かになった。しかし「駅前」と言えるほどのものはなく、確か商店のようなものも無かったと記憶している。
次の列車まで間があったので近くの海岸まで歩いていたら、学校帰りらしい子供とすれ違った時に「派手な服だなぁ〜」と言われたことを覚えている。その時は濃淡の茶色のストライプが入ったコートを着ていて、別に派手な色や模様だとは思わないのだが、この辺の子供にとっては派手なものだったのだろうか?
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