作者の気まぐれで不定期にガラリと変わる内容
 【2012年10月28日 更新】


第11回目の特集は・・・・

【 撮影日 2005年7月、2007年11月、2012年7月 】

   "微笑みの国"と呼ばれるタイ王国。東南アジアの国々の中では近代化が進んでいて、首都バンコクには高層ビルが林立し、地下鉄や高架鉄道が市内を走っています。

 そのバンコクの中心部の北西に、タイ国鉄のフアランポーン駅があります。しかし、この駅で架線の姿は見えません。ここに出入りする列車は、ディーゼルカーかディーゼル機関車牽引の客車列車ばかり。50年ほど前、日本の地方都市の駅では珍しくなかった姿が、ここにはあります。

 今回は、そんな”どこか懐かしい風情”が漂うフアランポーン駅を探訪します。



 

  ここがフアランポーン駅の正面玄関です。カマボコを思わせるようなドーム状の円形屋根が特徴です。

 駅前にはホテルや飲食店や旅行会社が多くありますが、日本の駅前によくあるデパートやショッピングセンターの類はありません。

 頭頂部にはタイの国旗がはためいています。


 

  正面玄関の左右には、どことなくヨーロッパ調の建物があります。上の写真の時と比べると、金色の塗装が追加されています。


 

  正面向かって右側には、地下鉄のフアランポーン駅への入口があります。


 

  正面玄関から駅構内に入ると、広大な空間が広がります。

 ドーム状の屋根のおかげで、実に広々とした感じがします。


 

 中央部分の空間は、時としてイベント会場にもなるようです。

 中央に掲げられている肖像画は、おそらくタイ国王の若き日のお姿でしょう。その肖像画の下に、ホームへの入口があります。


 

  中央に広い通路があって、左右には座席がたくさん並んでいます。


 

  正面玄関を振り返ったところです。

 座席が並んでいるところは待合所のようで、大きな荷物を持った人が、長距離列車の発車を待っています。

 左右には2階があって、店や椅子らしき物が見えます。後で昇ってみます。


 

 これは待合所を背後から見たところ。窮屈な感じは全くしません。


 

  駅の正面玄関を入ってすぐのところに、鉄道警察隊の事務所?があります。

 左側には、2階へ行く階段が見えます。


 

  タイの首都の駅だけに、いろいろな施設があるようです。

 これはその案内看板。


 

  2階に昇ってホームへの入口付近を俯瞰した写真です。

 入口の左右には切符売り場の窓口がスラリと並んでいます。


 

  2階から待合所を俯瞰した写真。

 この時は、古本市?らしきイベントをやっていました。


 

  2階に並ぶ店舗群。飲食店が多いです。


 

  正面玄関近くには、インターネット屋がありました。日本語表記もあり、日本語でのオペレーションも可能です。

 利用料金はいくらか忘れましたが、だいたい1分1バーツ(2012年現在、約2.8円)くらいで、1時間使っても170円程度と格安です。


 

  2階へ行く階段の脇にあったガチャポン?の機械のようです。


 

 タイ語で書いてあるので内容は不明ですが、鉄道警察隊の隊員募集ポスターなのかも?

 ちなみに、左側に書かれている車両はタイでは見たことがありません。台湾の特急車両なのかな?


 

  これも、2階へ行く階段の脇にあったもの。

 なんと、有料で体重を計測する機械のようです。でも、服の重さはどうするんだろうか?


 

  ここが切符売り場です。

 発券機はコンピューター化されているようです。


 

  では、ホームに入ってみましょう。

 日本と違い、ホームに入るには入場券も乗車券も必要ありません。改札らしきものも無いので、ホームへの出入りは自由です。南国らしい大らかさです。

 入るとすぐに「BANGKOK」と書かれた駅名標?のようなものが置いてありました。



 

  駅舎寄りのホームは、ドーム状の屋根で覆われています。

 採光窓が少ないせいか、昼でもちょっと薄暗いです。


 

  南国らしく、車止めのあたりには植物が植えられています。


 

  これがその車止め。日本の私鉄の終点駅によくある大げさな緩衝装置の類はなく、砂利を盛っただけのシンプルなものです。

 プラットホームは非常に低く、15cm程度のようです。


 

 無骨なディーゼル機関車2両がエンジンをブンブンとアイドリングさせていて、排気ガスを大量に撒き散らしています。


 

  これがホームにある発車案内板。

 日本のようにLED表示ではなく、あらかじめ用意している板を、その都度駅員さんが差し替えているようです。

 昔の国鉄上野駅の中央改札にあったものを思い出します。


 

 架線が無いので、車両の上はスッキリしています。

 並んでいるのはディーゼルカーで、どちらかというと近距離輸送を受け持っているようです。


 

  ホーム上で待機する列車清掃員?のようです。


 

  これは客車列車の後ろ姿。

 テールランプのようなものは見えず、右側にある赤い丸印がテールランプの代わりのようです。


 

  湘南窓の大柄なディーゼル機関車。

 この駅に機回し線のようなものは無いようです。


 

  駅構内をウロウロしていた野良犬君。

 ここに限らず、タイ国鉄の駅構内で野良犬の姿はけっこう頻繁に見かけました。

 駅員さんも追い出したりするようなことはせず、いたって大らかです。


 

 客車のサボです。

 基本はタイ語で、その下に英語表記があります。


 

  発車合図を出そうとしている駅員さん。

 日本と同じように合図用の旗を持っています。


 

  大勢で車体の清掃中。

 日本ならこういう作業は車庫で洗車機を使って行いますが、ここは人海戦術で列車の発車待ちの間にしています。


 

 コンプレッサーらしきものを積んだリアカーを押しながら車体を洗う清掃員氏。


 

 2012年現在のディーゼルカーの姿。

 今では車体中央に青い帯が入り、「SRT」という英語表記も入っています。「SRT」の意味は不明。


 

 無骨なディーゼル機関車のサイドビュー。


 

 そしてこれがフロントビュー。湘南窓はタイ国鉄の機関車のトレンド?


 

  昔のマイテ49を彷彿とさせるオープンデッキの客車がいました。

 運転席は無いはずなのに、屋根の上にはカニの目玉のようなヘッドライトがなぜか付いています。


 

  中間車のサイドビュー、どこかで見たことあるなぁと思ったら.....


 

  やはり、JRからタイ国鉄に譲渡された12系客車だったようです。

 妻面に、楕円形の懐かしい銘板が残っていました。


 

 ディーゼルカーのサイドビュー。

 ホームが低いせいか、車両のステップの段は多いです。


 

  ホームにあったサボの棚。

 電動方向幕が普及する前の国鉄時代の上野駅でもこういう棚を見かけました。


 

  ホームの突端近くです。架線が無いので、空がスッキリしています。国鉄時代の高松駅のようです。

 この先には車両整備工場があるそうです。そっちも見てみたかったなぁ.....。



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