久二男さんの木尽くし日記 その97



瑞々しミズキ、ハナミズキ、ヨメノナミダとヤマボウシ
06/5/14

瑞々しく、風薫るいい季節です。雨がどれほどに植物にとってご馳走か、きっと将来人間にとっても気持ちのいい環境が約束されます。

ミズキ〔水木〕 別名 クルマミズキ、ダンゴノキ

山地に普通に生え、高さ10〜20bになる。枝を扇状に四方へ広げ、階段状の独特の樹形になる。5〜6月、枝先の散房花序に直径7〜8ミリの小さな白い花を密につける。果実は核果で直径6〜7ミリの球形、10〜11月紫黒色に熟し、ヒヨドリが好んで食べる。樹液が多い、特に春先に枝を折ると水道の蛇口をひねったと同じように勢いよく樹液が出ると聞いたことがあります。もちろんやってみたことはありませんでした。家に、この木を植えておくと火事にならないとも言われたりするそうです。

ハナミズキ 別名アメリカヤマボウシ

米国東海岸からメキシコにかけて分布。1912年、東京市長尾崎行雄がワシントンにサクラを贈り、その返礼に東京に30本贈られた木として知られているな。当時の木が東京日比谷公園などで成長を続けているんだと。葉の展開に先立って、樹冠が大型の花でおおわれるため、日本のヤマボウシより華やかな感じがあると、そうかな?。

ハナイカダ〔花筏〕 別名ヨメノナミダ、ママッコ

土壌の深い、谷間の二次林やスギ植林地などの陰湿地に生え、高さ1.5〜3bになる。5〜6月、葉の表面の主脈の中央に淡緑色で4弁の小さな花をつける。雌雄異株。果実は直径7〜9ミリの球形で黒く熟し、甘みがある。若葉は山菜として利用。花を載せた葉を筏にみたててこの名前。一見、類似の形態を示す植物に、ユリ科のナギイカダがあるが、こちらは葉状の茎(偏茎)に花がついたもので、その形態は基本的に異なるそうです。地方によっては、ママコ、ママコナと呼んで、若芽を摘んで卵とじなどにして食べる。またこの植物の髄は茎を切って細かい棒などで押すと突き出るので、ツキデノキともいう。じゃーなぜ「ヨメノナミダ」と言うの、知っている方教えて頂戴。

ヤマボウシ〔山法師〕別名ヤマグワ

頭状花序を僧の頭に、白い総苞を頭巾に見立てた。6〜7月、小さな花が20〜30個集まった球形の頭状花序をつくると、あります。白い花弁のように見えるのは、4個の総苞片、果実は直径1〜1.5aの球形。10月頃に赤く熟し、食べられる。総苞片が淡紅色の品種をベニヤマボウシ。「谷川に姿うつしてヤマボウシ 見る人なくて清らかに咲く」(山崎昌夫)。ヤマボウシは一般にちょっと寂しい花と映っているようで、ことに茶人たちに愛好されてきたんだと。自生域の中心はブナ帯下部。ヤマボウシが咲いたら田植えをするように親が教えた地方もあったよ。

そうさ人は皆、植物からその年の仕事初め時期を知らせてもらったんだ。そして今日でも、これからも、人類が続く限り植物から学び、育み畏敬の念を持って接して行こうよ。それではまた。





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