久二男さんの木尽くし日記 その87



ヒガンバナ(彼岸花)・曼珠沙華
05/8/9

ヒガンバナ(ヒガンバナ科)
1000種以上の里呼び名(方言名)

ヒガンバナある人は、稲穂が波打つ田んぼの畦や村外れのお墓、古寺の参道などをかがり火を連ねたようにヒガンバナの花が真紅に彩り始めると、日本は秋を迎える、という。それは緋毛氈のように美しく秋の野を飾るよね。彼岸ごろに咲き、墓地に多いことで「彼岸花」「死人花」「曼珠沙華」などとも呼ばれるよ。梵語では天上に咲くという花の名前。四華(しけ)の1つで、見る者の心を柔軟にする。「小泉」も靖国神社参拝など絶対せずにお彼岸にお墓参りをしなさい、と言いたかったがそれももはや無理だな。聴く耳も無いよねー。

江戸時代以降には多くの本草書や文学作品に書き記され、1000以上の方言名をもつほど、日本人の心をとらえ親しまれている花なのに、『古事記』や『日本書紀』に始まる古典に無いのはどうしてか解からないと。縄文時代の人びとが大陸から持ち込んだ史前帰化植物説、稲作に伴なって伝来した救荒植物説、海流に運ばれた漂着植物説などたくさんの説があります。お墓に咲くことや、「死人花」などとも呼ばれるため、あまり日本人の好みにはあわないようだが欧米では園芸植物にしています。

畦道に植えたり、壁土に混ぜて、ネズミの害を防いだといわれている。アルカロイドを含む有害植物だが、水でさらせば良質のデンプンがとれるから食用としたよね。

東アジア特産で、全く葉がなくなってしまった後に、高さ30から50aの花茎が出て頂端に花を散形状につける。ほとんどが3倍体(2n=33)で子房がふくらんで結実したように見えることがあるが、不稔性で種子ができても発芽しないことが多い。鱗茎のみで殖えるということだ。中国にある結実する2倍体(2n=22)のシナヒガンバナから由来したようだよ。

それでは、少々夏ばてですが乗り切りますよ。





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