久二男さんの木尽くし日記 その79



マメザクラ、エドヒガン、ヤブザクラ
05/4/19

サクラはそれほど花粉飛ばしません。まれにある種は粘液性のネバネバした花粉を出します。それは同じ仲間にくっついて、また新たな仲間を作る。

マメザクラ

幹は基のほうから分岐。樹形は傘状となり、かわいらしい小ちゃい花がやや下向きに咲きます。富士山や箱根方面に多く自生するからフジザクラ、ハコネザクラの名もあるな。

エドヒガン(江戸彼岸)ー種蒔き桜

人里近くに生育、葉が出る前に花が群がって咲き、目につきやすいため生活と密着していたよねェ。農山村では、「種蒔き桜」と呼ばれ、私の田舎でも咲くのを見て種籾を蒔く時期を決めていたよ。まだまだ2b近く雪があるから先の話になるけど、しかし、残念ながら現在ではそんな風景は無くなったなー。このサクラは東京周辺で多く栽培されていたことと、彼岸の頃淡紅色の花が咲くからこの名前。寿命は長い、中には樹齢1000年以上といわれているものもある。枝が枝垂れるものがあり、これがイトザクラ。シダレザクラともいう。

ヤブザクラ(正体不明のサクラ)

マメザクラ群に含まれるという、1910年に「小泉源一」によって八王子市南部の高尾山の標本をもとに、マメザクラの変種として発表された。(どこかの小泉とは大違いです)。だが、マメザクラとエドヒガンあるいは他の種との間に生まれた交雑種ではないか、という説も出ているんだとか、決定的な証拠が無く、長い間正体不明のサクラとされてきたんだそうです。植物の分類には形態だけでなく、染色体の情報も不可欠で、日本に自生するサクラ属はほとんどのものが2倍体だが、ヤブザクラは例外的に3倍体、自然界で存在することは少なく、交雑種である可能性が高いという。ある植物だけが持つ型というものも存在する。マメザクラだけが持つ型の遺伝子と、エドヒガンの両方持っていることが判明。このことから両親は、マメザクラとエドヒガンということになります。

現在、ヤブザクラが自生する地域には、エドヒガンが見られない。エドヒガンとマメザクラが多摩丘陵に生育していた遠い昔、この2種の間に出来た1株のサクラが根を伸ばして分布を広げていったのがこのサクラ。現在生き残っている全ての株は、最初の1株そのものともいえる。もしかするとヤブザクラは、多摩丘陵の時の流れを物語る歴史の生き証人なのかもしれないんだそうです。

便りによれば、沼田の玉原高原もまだ雪に閉ざされているそうです。怒られるかも知れませんが、芽吹きのころ行ってみたいと思っています。

それではまた。これからは紫外線にも気をつけてね。





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