久二男さんの木尽くし日記 その64



ススキ(カヤ)、オギ(荻)
04/09/25

ススキ(カヤ)イネ科

漢字には「薄」「芒」などが使われる。すくすくと立つ木(草)の意。「尾花」の名で、秋の七草のひとつとして日本人に古くから親しまれてきた。

中秋の名月を日本では、芋名月ともいう。今はやることがあるかどうか今度、甥に聞いてみることにするが、こどもの頃月の見える部屋に稲束、サトイモなどを供え家族で収穫を祝った記憶があります。そういった儀式が毎年行われていました。

ススキを供えるのは、イネの代用として使われたものだろう。都市部とその周辺を中心とした風習です。

「茅(カヤ)」はこの葉が屋根を葺(ふく)ことから「刈り屋根」とも言われる。その葉はまともに刺さると痛い「カヤ(イチイ科)」とは別物。日本の草原植物を代表する種、といっても現在では屋根を葺いたり、家畜の飼料としての役目もほとんどないので、牧草地のほかは河川の堤防やスキー場などに残るのみとなっています。

オギ(荻)

乾燥地を好むススキに対してオギは水辺や湿地でよく見られる。この方たちもそっくりさんですが、オギの小穂(しょうすい)には芒(のぎ)=イネ、ムギなどの殻の先のかたい毛=がなく、基部に銀白色の毛がある点でススキと区別できるよ。

ついでに「チガヤ」

若い花序は「つばな(茅花)」「ちばな」といわれる。根茎は白く地中を長く這う。かすかに甘味があり、こどもたちのおやつになりました。根茎は漢方薬の「白茅根(はくぼうこん)」で止血、利尿の効があるんだと。

ふと広大なススキの原っぱで、月を見ながら物思いにふけってみたくなります。それではまた。





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