久二男さんの木尽くし日記 その36



子どもと機械と自然(森)
04/03/29

”春”らしい1日でした。お元気のことと思います。

痛ましい、こどもの事故が六本木ヒルズで起こりました。

しかし予期できないことではなかった筈です。あまりにもこどもが、自然と触れ合い、森の中で遊べないからです。あの高層ビル群を観て、たとえば屋上に階段を上って屋上に出たとしても感動し、達成感など沸いてくるはずもないでしょう。「森ビル」といっても「森」とは全く無縁の場所です。完璧に人を守る植物、木々とは違い機械は、人に対して攻撃するのみです。そしてときに命を奪ってしまうものなのです。しかもそれは人によって造られているのです。人によって造られるのだから、「自然」を意識した造り方を考えるべきなのです。小手先でもいい「屋上にも木を植えよう」と言うのはそのことなのです。確かに、わずかですが木は植えられています。が、何度か訪れて感じたそれは、あまりにも植物に対する知識の無さを露呈することとなっています。今回の事故も、まずこどもの目線で見ていないという結果です。

幼稚園のこどもを、森案内するときやったことは、目の高さを合わせ説明しました。なんと散策道から周りを見ると、1メートル位に伸びたササのためほとんどササ以外目に入ってきません。ですからよく木登りをさせたのです。なかなか登れない子にはたっぷり時間をかけて、今度降りてこれなくなっちゃうと、これはちょっぴり困りました。女の子、男の子問わず驚喜(狂喜)していたよ、きっと視野がグッと広がったのでしょう。

こども達が遊びに飢えてくると、大人が悪く、エゴなのだが町に連れ出します。自分の欲望のために。機械で溢れ、動いています。遊びの道具にしようと、こどもは常に発想します。エスカレーター、エレベーターに限らずありとあらゆるものです。それが今回は、回転式自動ドアだったのです。私でさえ追いかけられているようで、こんな入口なら無い方がもっといい。決定的なのは、やはりこどもの目線で判断していないということです。

報道も、ことが起きてから大騒ぎします。森ビル、三和シャッターの責任のなすり合いとも。だがマスコミも含めて責任は大人の側にあります。マスコミも、是非こどもを自然の中で遊べる環境、つまりビルの中に森を造るという発想をしながらキャンペーンを張って欲しい。とかく購読者獲得、視聴率アップだけを優先するのではなく。




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