久二男さんの木尽くし日記 その32



しみ渡り(しんっばい、こんばい、ななこんばい)
04/03/15

なんと桜の開花宣言「3.18」をも上まわりそうな勢いの陽気です。

りっちゃんは”花粉症”ではありませんか?この原因も杉が徹底的に悪者扱いされている報道がありますが、違います。近年もっと車、デイゼルエンジン車の排気ガスと、春の植物達の営みとの因果関係を詳しく分析する必要があるのです。

アレルギー性鼻炎、私もそうなんですが、杉林、神社にはうっそうとした樹齢80年を越そうとする杉が、文字通り林立していましたし花もたくさん咲きました。そういうところで生まれ育ったとしても花粉症になって苦しんでいる人はそう目立ちませんでした。

雪国は、ようやく春の兆しを迎えるときとなりました。6ヶ月弱、鉛色の空から解き放される時期です。山肌も、雪崩で黒く現れてくるのもこの頃です。4キロ離れていても、すさまじい音と共に崩れ落ちてくる様はこども心に神秘的とさえ思いました。自然のなせる業とも。

早朝、真っ青に晴れた空、日が昇るちょっと前、気温は0度そこそこの時、平地には1.8メートルの積雪がある、雪の表面はコチンカチンと硬い、毎年のことなのでこども達は知っています。「しみ渡りができるぞ」、学校に行く前、山まで遊びに行くんです。現代では、スノーシューで森の観察会ということになろうかと思うが、かなり遊びに飢えていたこども達は、ただ長靴だけで全く沈まない雪の上をどこまでもどこまでも、「しんばい、こんばい、ななこんばい」と歌いながら、ときには雪庇(せっぴ)ができている川おも渡り、しかし午前が勝負です。やがて温度もどんどん上昇し、表面がグサグサとなり、靴ももぐってしまい歩くことも侭ならないからです。学校にいくときも、もちろん近道となります。最短距離で登校はできました。

現在、どんなに雪が降っても道路は除雪し、両側は高い雪の壁となります。遠いところは、スクールバスが運行すると聞きました。確かにいいことかなと思いますが、なにかこども達に大事なことを大人が伝えていないような気がしてなりません。

「しんばい、こんばい、ななこんばい」ちょっと意味不明なので調べます。しんばいは、凍みているところを歩くということかな。それではまた。(「しんばい、こんばい、ななこんばい」の意味を知っている方は、りっちゃんまでメールをくださいませ)




続きは雪とニホンカモシカ   メニューはこちら   りっちゃんちはこちら