久二男さんの木尽くし日記 その31



新学期
04/03/07

寒さに対する備えは、やはり3月中は覚悟が必要と思います。冬型の気候配置が崩れると、東京地方に雪をもたらすのもこの時期です。時によっては、桜が開花宣言をしたあとも厳しい寒さが戻ってくることさえあります。

4月は新年度、小学入学時、まだ1b弱雪の残る約1キロあまり、山道(もちろん雪の上)を学校まで行った記憶が、この頃鮮明に思い起こされます。入学式には、確か父は病気で入院していましたので、母が同行したと思います。学校は、暖房というと火鉢が教壇の前に一つあるのみで、48人の児童は隙間だらけの窓ガラスから吹き込む風雪に、寒くとも歯を食いしばって頑張っていたのだと思います。1945年生まれは、ご存知のようにとても人口が少ない時代です。私どもは48人一クラスでした。

「新」(藤堂明保)

古(ふるい)、新(あたらしい)という訓がついている。「新」とはじつは植物にまつわる字。

刃先の鋭い、柄つきの刃物を描いた象形文字、これが辛(シン)。これで切られるとひりひりと痛むので、辛辣・辛酸などの意味に転用。香辛料の辛(ひりひりとしてからい)もその意味。この刃物で木を切ること表すために「辛+木」、新という字の原字。今日の新という字は、もう一つ斧を右側にそえて、切ることを強調。新とは「切りたての生木、なまなましい」という意味でまさに枯(ひからびた)の反対語。「新」が主に形容詞につかわれるために草冠をそえて名詞の意味を担わせたのが薪(シン、切りたての生木)という字。

現在、かつて通った小学校は、統廃合で教室の一部が残るのみとなりましたが、当時あんなに広かった屋内運動場は小さく見えました。600名位の全児童が朝礼に集まり、それでもなお広々としていた気がします。いくつもの水道の蛇口がある水飲み場、今はおいしい水が出るのかなー。新入学生にぜひとも「水」の大切さを、入学式で言いましょうよ。




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