久二男さんの木尽くし日記 その3



今淋しいこと
03/10/02

9月が終わりました。

今月の中旬にも、今年は見事としかいえないだろう植物たちの春への備え(人から見れば紅葉)が始まる。きっと玉原高原も、イタヤ、ハウチワ、アサノハ、コミネ、ウリハダ、ヒトツバなど30種ものカエデ類が競うように色づくはずです。

ホオの木はやさしい、春あんなに自分の存在感をいいにおいと大きな白い花で周囲を圧倒していたのに秋は、譲るよといわんばかりに、ホオ葉味噌の材料にもなるあんな大きな葉を決して美しくない姿で、落葉していきます。

悔しいのは、今、自分が大きな声で言っていても「木」を実際に植えていないということです。

植物を植えるのは春、当たり前のようですが「木」は今から確実に準備しているのですよ。

フキノトウ、よく見ると芽を出しています。不謹慎ですがとてもおいしい。この味を今のこどものこどもに味わってもらいたい。

ナラタケ、ブナハリタケ、ブナシメジ、マイタケ、ナメコ、タマゴタケなど200種、キノコたちも本当に自然を愛する動物に食べてもらうために生まれてきている訳です。しかしその摂理を壊そうとする人が必ず現れるのです。

おいしく食べられるキノコでも、これは「毒」キノコですよと説明しました。「嘘」を教えました。

ツキョタケ、メッチャおいしいのだそうです(食べたことが無いから)。専門家によると、しかしうまいため食いすぎて中毒になると。家族で食べた場合にはトイレの奪い合いになります。実際にロッジに泊まりに来られたお客さんでいました。

ヒトヨタケ(一夜タケ)、一晩で黒くなってだれてしまいます。その前にとってたべるとうまい。注意しなければならないのはアルコールと一緒はいけません。たちまち側にお手洗いがないと。

タマゴタケ、いかにも毒毒しい、たべると、しかしこのキノコほど知らされない、知られて欲しくないのでは、おとぎの国に行ったような感じにさえなります。

ハナイグチ、イグチの仲間はほとんど食べられます。これはまさにお刺身の「トロ」を食べているようです。わさび醤油で食します。

「(財)森林文化協会」の技術顧問であった山中寅文先生が亡くなり、偲ぶ会が上野精養軒でありました。今年です。文集が出来て配られました。

東大の技官だった先生は実生から「木」を育てるということをやってこられ、玉原でも随分教えてもらいました。

是非、これから「木」を植えたぞといえるまで見ていただきたい。

スミチオンもちろん知っています。

ポリドール、今は禁止されていますが、この農薬を夏の炎天下散布を繰り返していた苦しそうな兄貴は忘れられません。

67歳で早死にしました。




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