久二男さんの木尽くし日記 その15



コシアブラ(ウコギ科)
03/11/07

その木肌に触れると、冷ややかなのに何故か暖かい。

木肌は薄グレー、春芽吹きのとき、この芽をてんぷらにしたらタラの芽よりも美味しいなんていうのは周知のことか?この木は、とても柔らかく、雪の重みに耐えかねて「春」折れます。やがて完全に20m、の樹高を誇っても、「森」を創る側に回ります。決して幼木の芽を取ってはいけません。幼木は絶対。

コシアブラ(漉し油)。いわれは、樹脂をとってさび止めの塗料を袋で漉して採ったのでこの名。漆に似た樹脂を持つので「金漆」(ゴンゼツ)とも言われます。

柔らかいので彫刻刀で彫り易い。一刀彫りの材としても使われるとか、やったことがありませんので確信はありませんが。

この時期、秋、カエデ、ブナが見事に赤、黄色、黄金色に染まっているとき、森に入ったら、真っ先に目にするでしょう。「赤にも黄色にも私は染まりません」と言わんばかりに薄く透き通った色。抜けたような白が日の光に映えます。逆に目立ちたがり屋と私は表現しました。しかし花は、すでに実になっています。独活とそっくりです。

初雪の降る頃まで、カラマツと同様やたら目立つのです。今度、玉原高原に今ごろ行って見てください。コシアブラはすぐ貴女の目に止るはずです。向こうから見て欲しいものだから、呼ぶから。




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