「万葉集」をはじめ多くの日本の古典に登場する植物。
ヤマブキ(山吹)、バラ科
後拾遺和歌集(1086年)にある「ななへやへ花は咲けども山吹のみのひとつだになきぞあやしき」の和歌は、江戸城を築いた太田道灌の故事とともに有名だよね。
ヤマブキは、南九州で3月下旬から開花しはじめ、桜前線を追いかけるように日本列島を北上し、関東地方では4月中旬、北海道南部では5月末に花を咲かせる、とあります。
中国名「棣棠」
「棣」テイは、
にわうめ、郁李。
「テイトウ」とは山野に自生する落葉低木、「やまぶき」だそうです。
平安初期の漢和辞書「新撰字鏡」には、「その枝柔軟にして風に随って振れゆらぐ、故に山振りと名づく」とあり、古くはヤマブキに対して、山振の字が当てられたと思われる、そうです。
「隶」タイは逮の原字で、およぶ、そこまで届く。
木+隶
次々に花が並んで列をなす木の意。
でもね、ななへやへ咲きは実が付けないけど、一重の花は、ちゃんと実をつけるんだと。