樂の音その68

樂の音その68



邦楽オーケストラ
08/9/13
 りっちゃん

7日に鈴木いね子白寿記念演奏会「春を待つ日々」を日本橋公会堂に、12日には、東京新聞文化フォーラム、三味線ってなあに?Z 「魅惑の長唄」を日比谷公会堂に聴きに行きました。

7日の方は、お琴が中心で、教室の発表会という感じ。途中から聞いた一曲目は子どもたちの演奏で、「お江戸日本橋」もあり、いちばん聞きやすかった。指導者は学校の教師で、邦楽を学校で教えたいと、これ、当たり前のことだと思うのですが・・・現実には、楽器も借りたり、指導者の協力を仰いだりと、ご苦労がおありのようです。香西囃子と神田囃子の演奏もありましたが、舞台で、しかも祭の衣装でないと、いまいち雰囲気が盛り上がらず、お上品な囃子になってしまったような・・・笛は力演でした。今回のために作曲したという「春を待つ日々」は短く、雰囲気も出ていたし、なにより、親子3代での演奏に「生きていて良かった」という、いね子さんの言葉に胸を打たれた。ただ、素人には、4時間近い演奏会というのは苦痛でもあった。疲れたよ。

日比谷の方は、満席でした。どうも、会を重ねるごとに聞きに来る人が増えてきたようです。「伝統」と叫ぶ人が出てきた影響でしょうか?叫ぶまえに「伝統」を大事にしておけばよかったじゃぁないか?と文句を言いたい所ですが、私自身も破れた三味線をその儘にしておいた口ですから・・・でも、今からでもいいから、伝統文化、伝統音楽をもっと広めていきたいですねぇ。私みたいなものでも、習えるように、楽譜やCDがもっと楽に手に入るといいのですが・・・挨拶で、「昔は通りに三味の音色が聞こえたものですが・・・」と、うん、聞かせてます。三味線は下手でもなぜかご近所に許される音色のようで・・・

幕が上がると、緋毛氈に黒の着物、帯が白っぽくって、帯締めが茶か朱か、総勢30人。手前に鼓(2種類)、小太鼓と笛。見た目もあでやかでした。邦楽のオーケストラですな。三味線も大薩摩(浄瑠璃系)と長唄のかけあいとか。唄方が唄う順番になると扇を手の持つのが、見えました。

演奏、良かったですよ。三味線の音色が力強かった。めりはりも。曲なんか知りませんよ。リクエストコーナーで好きなのに拍手を、たって、聞いたことのある名前が「越後獅子」だけ。そうそう、「蝶々夫人」に「越後獅子」がパクられているって。オペラはなんか高級そうで、歌舞伎は昔は河原乞食とか、一等下に見られていたから邦楽をやる人もそういうイメージでとらえられちゃっているのかなぁ。歌舞伎も総合舞台芸術という点では、オペラと同じなんだけれど・・・で、今回のように囃し方も入る作品はオーケストラと同じ。日本という国は、芸術に対して守ろう育てようという意識も薄いし、お金もかけていないようだね。かつて、福生の教育長(当時)に「音楽は心の栄養だよ」と言ったら、「まったくだね」と理解してくれたけれど・・・

「狸八島」の作曲者、七世杵屋巳太郎によると、この曲は、60年安保の時代につくられたそうで、歌詞の「そもこのいくさ誰が為ぞや、そも人間の振る舞いに似たるがほどの愚かさよ」が主題。戦争と言うものがなくなって欲しいと願って作ったのに、いまだに続いている・・・と。邦楽でも、平和を願って作曲・演奏されている方がいると思うと、とてもうれしいです。

打楽器も、木魚のようなものやドラなど、たくさん種類があるようです。日本はもともと五民族ぐらいが融和したとか、東アジア系の雰囲気も強いですね。いいところはみんな取り入れちゃう。そんな心の広さが日本の音楽には感じられます。邦楽っていいよぅ!!着物を着ているお客様も多く、色合いとか勉強になりました。三味線、抱え込んではいけないという浄観さんの言葉がなんとなくだけど理解できました。三味線を弾くだけでなく、見たり聴いたりの勉強も少しずつしなくては・・・





次はともだちの“わ”   メニューはこちら   りっちゃんちはこちら