樂の音その56

樂の音その56



三味の音
07/4/6
 りっちゃん

先月、父のだった三味線の皮を張り替え、練習を始めた。

大昔、唄はチョロッと教わったのだけれど、三味線は「チントンシャン」と弾かせてもらっただけ。何しろ、不器用なたちで、保母試験のピアノもナントカカントカ合格しただけ。コーラスの音取りのためにカシオトーンは弾くものの、細かいところははしょっているくらい。病気の影響もあって近頃とみに指が動かなくなっている。それでも、弾き始めたのは、親父の三味線をただしまっていては「もったいない!!」からに過ぎない。

でも、いい音なんだなぁ。もちろん、不器用に付き、左手の押さえ方が間に合わないとボヤーンとしちゃうのだけれど、ゆっくりと弾けば、「新内流し」なんてうっとりしちゃう。いいよぅ。親父の音に比べたら、まだまだなんだけれど、ごくごく稀に聞いた歌舞伎のバックグラウンドと「おんなじだぁ!!」

皮の張替えをしていただいた所で用意してもらった「文化譜による三味線手ほどき」の「古池や」「子守唄」はつっかえながらも唄いながら弾いている。おお、これなら、いつか、ピアニストに頼らずとも、自分だけで伴奏付けて歌えるようになれるかも知れない。ヌフッ、夢だった、唄で食うこと=流しも一歩前進か。なあんてね。相変わらずの金欠で師匠に付くこともならず、まだ夢かな。

それでも、唄で習った「お月様」(手ほどき新曲)が、棹にはっつけた文化譜の数字とは違うのだけれど、何とか解明して弾けるようになったのだ。凄いだろう!って、なあに、大正八年の譜だけれど、こっちはドレミの音階が数字になっているだけだから、文化譜よりもわかりやすいのだ。40年位前とはいえ、知っている曲だし・・・手ほどき用だから三味線も簡単なのだ。

皮は湿度の影響で破れることがあるので、雨に日には箱から出さないでいる。練習できないのが、三味の音が聞けないのが淋しいくらい、ただ今夢中です。「何とか三昧」って、三味線のことだったのだと勝手に納得しているこの頃です。

親父がね、三味線は「打楽器だ!」と言っていたけれど、リズムがこれまた素晴らしいのだ。コーラスでもリズムが得意なのは、親父の三味線を聴いていたからかなぁ・・・

60歳の手習いに近いけれど、つくづく私は幸せ者だと・・・邦楽もいいよぅ!!






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