樂の音その45

樂の音その45



リラの香り
06/7/9
 りっちゃん

以前お仲間だった友だちの演奏会に行ってきました。平均年齢70歳前後とか。女声合唱です。「リラの花は、一つ一つの花は小さいけれど、寄り集まって花房を作り、なんともいえない芳香をまき散らします」。確かに合唱ってそういうことですね。選曲がよかった。耳なじみの曲、楽しい曲が多いってやっぱりいいなぁ。

“楽しさ”を演出するためか、司会者がいろんなおしゃべりをしていた。いい面もなくはないが、「花に寄せて」の題名は聞き取れず、朗読は福生市民コーラスの双葉さんの方がずっと上手だったなぁ。「昔のお嬢様」と再三言うのもなんかウザかった。笑いを取るための貶めは基本的に嫌い。合唱指導者にもそれを連発する人がいるけれど、正直しらける。確かに元お嬢様かもしれない。あの年齢で合唱ができるというのは、比較的裕福な家に育ち、今も安定した生活ができているだろうと推測される。それはとてもいいことなのだ。どんな年齢であろうと楽しみを持っている、そして演奏会に来た人の心をあたたませる。私も楽しませていただきました。

一番大事なのはそのこと。以下の細かいことは、ある意味どうでもいいことなのかもしれない。けど、書いちゃうね。

アルトが力強かった。その分ソプラノの軽さが気になった。高音に自信がなくなってきているからかもしれないけれど、もっと自然に出していいのでは・・・その心の揺らぎは私もあるけれど・・・

ソプラノも元気だったのが「ホテルのサラダと我が家のサラダ」。ピアノの練習曲バイエルを合唱にしたものだが、なかなか軽くて楽しいし、ホテルのなんかよりうちの方があり合わせだし、安いけど、うまいんだぞ!! という心意気が、なんか実感こもっている。歌って、そういうものじゃないかな。本来。だから、声も出しやすいのかなっと。

「てんとう虫のサンバ」や「夢をあきらめないで」のリズムは、ンー、その年齢、合唱人にしてはもたつかなかったというべきか、ンー、合唱の人って意外とリズム音痴が多いんだよねぇ。音楽好きなら、もっと踊った方がいいと思うんだけれど・・・踊る機会が日本には少なすぎる。おお、もうすぐ盆踊りのシーズンだ。皆さん、踊りましょう。「踊らにゃそんそん」でっせ。

合唱指導者のソロもあった。うーん、これもちょっとなぁ。合唱団の演奏会に花を加えるためなのかどうかというのがポイントだね。あくまでも主役は合唱団。「ほら、おれはうまいんだぜ」というのがホノ見えたら、または、団員たちが希望しているのかどうか、仕方なく歌わせたとなったら、大失敗ということになる。今回は先生のご家族の演奏会の宣伝もあったようなので、ちょっとしらけた。そういえば、「コスモス」では瀬川武先生にみんなして無理言って歌わせちゃったっけ。「野ばら」との合同演奏会で,私たちは半分の出演なのに、先生だけ休みなし。あれはきつかっただろうなぁ。でも、いつも打ち上げで歌ってもらって楽しかったから、その雰囲気をお客様にも、とみんなで頼んだんだよねぇ。そういう裏の事情ってやはりなんとなくは伝わるものかな。どうなんだろう?

指揮者がニコニコしているのはとてもいい。目が悪くなってぼんやりとしか見えないけれど、団員の表情もきっと柔らかいのだろう。客席の反応もとてもいい。あったかさがある演奏会が私は好きだ。友達は口の開け方が上手だ。どんな時もきっちり縦に開いている。立って歌えなくなったら合唱をやめると言っていたが、リラではひとり椅子に腰をかけて歌っている。それを許しているリラが私は好きだ。また次回も是非聞きに行きたい。団員のみなさん、健康第一。私たち後輩のためにもいつまでもお元気で歌ってください。






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