樂の音その27

樂の音その27



私の神は、戦争を考えない
05/11/24
 りっちゃん

昨日の新聞にスティービー・ワンダーの10年ぶりの新作について記事が載っていた。

新作「タイム・トゥ・ラヴ」(今、愛し合うとき)は、28枚目のオリジナルアルバム。本来はもっと早い完成が見込まれていたが、親友で大先輩のレイ・チャールズが死去、最初の妻、シリータもがんでなくし、創作意欲が一時萎えてしまったとも伝えられた。なぜ10年かかったのか?

「この10年、いわば『人生を生きていた』んです。私たちは、牢獄に捕らわれてるのではないけれど、人生そのものに捕らわれている。そこには悲しみの時もある。嘆きの時も。幸せの時も。そして今、愛し合う時がきたというわけです」

いいねぇ。こんなカッコいい台詞をはいてみたい。私のこの10年は、とにかく必死だった。そう、こんな5行詩ができたよ。「泣きながら、泣きながら、胸を張って、前を向いて、歩く」。自分で切り開いてきた。自分でできないことは、祈ってきた。人にも随分助けられた。感謝しているよ。今日もね、いつも行くコンビニで声を掛けられて、ああ、私のことを見覚えていてくれたんだって。そういうことがとてもうれしい。

新作の1曲目、「イフ・ユア・ラヴ・キャンノット・ビー・ムーヴド」は「地獄のような戦争はすべきじゃないなんて、君にはとても言えないよ。裏取引はしないだなんて、よく言えたものだ」と歌う。イラク戦争や、ブッシュ大統領の「悪の枢軸」発言を批判した、ともとれる歌詞がちりばめられている。

「キリスト教徒やイスラム教徒で、口では神に仕えるといいながら、本当にはそうでない人々のことを歌っている。破壊や爆弾が解決だというリーダー達に問い掛ける歌なんです。なぜなら、私の知っている神は、戦争やテロが何らかの解決策になるとはお考えでないから」。そうだね。私の神(無宗教なんだけれど、でも祈っているから、どこかにいるのかもしれない)もそうなんだ。私自身もね。でも、なんと言うかな、そういう私を認めようとしない人々がたくさんいて、すごく悲しい。日本はこれからどうなるんだかねぇ。心の贅沢が出来ない人がどんどん増えたら、怖いねぇ。

「より深刻になっています。アンチ平和、アンチ愛にあふれている。ある種のリーダーは、アラーや神への人々の献身を自分のために利用している。でも我々は人間で、選択する能力がある。自由意志がある。(だれかの言いなりになるのでなく)自分がなにをしているかに責任がある。私も、歌うことに責任を負っています」

愛娘のアイシャさんとデュエットする曲について、「朝、太陽は私にほほえみかける。喜び、幸せを感じる。地上にいる間は『FTDS(フォゲット・ザ・ダム・スタッフ=つまらんことに拘泥するな)』でいこう。そんな歌です」

「私ができるのは、私ができることについて、私ができるベストをつくす。それだけです。このアルバムが大ヒットしなかったら、悲しくなるだろうか? ノー、すごいハッピーでしょう。それは私がベストを尽くしたから、世の中に受け入れられたら幸せだけど、世間は私を壊すことはできない。自分がしたいことにベストを尽くすという私の信念は、ヒットしてグラミーをとりたいという私の欲望より、大きいんです」

「演奏自体がうれしくて仕方ない。あなたにもいいものが書けたら『イェー、イェー、イェー』って感じでしょう」

エヘン。私もそうだよ。高音はだいぶやばくなっているけれど、今の私にできる範囲で、一番いい演奏をしているさ。毎回。

いつも、平和と愛を願って歌っているんだ。で、私自身が、歌っていることで、ハッピーになれるんだ。『イェー、イェー、イェー』






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