樂の音その20

樂の音その20



2005年は、日・中米交流70周年
05/8/7
 りっちゃん

ということで、ビクトリア合唱団&合唱団LINC交流演奏会に行って来ました。

グアテマラの音楽、最高に素敵でしたよ。踊り、芝居も込みで、表現の高さに脱帽。声ものびやかだし、何よりも楽しんでいる様子がいい。私たちもたっぷり楽しませてもらいました。

グアテマラは、もともと「大きな祖国」の首都があったところだそうです。マヤ文明。昔から好きなんだよなぁ。グアテマラの旅行記も参照してください。

演奏会前に指揮者 フリオ・セザール・サントス・カンボスさんの「中南米とグアテマラにおける合唱音楽の歴史的概要」というレクチャーも受けたのですが、なにしろこの暑さでだいぶお疲れだったので、寝てしまいました。サントスさん、ごめんなさい。あなたのリズムカルなスペイン語も心地よかったもので・・・

それでも、侵略したスペインが布教も手段として熱心だったので、宗教音楽が早くからあったこと、本国(?)からのオペラ公演のために合唱団もその時々にあったこと、など理解できました。それにしても、日本では、こんなふうに他の指導者を紹介するなんて、聞いたことがないです。大きな合唱団になればなるほど、他の合唱指導者はたいていけなされる運命で・・・お山の大将に、そうねぇ、合唱団員がしちゃっているのねぇ。おらが先生が一番って。だから、サントスさんみたいに、相互教育とかリンクの発想がまぶしく感じられました。いいなぁ、いいなぁ。

私にとって、合唱は“心の栄養”。中米は内戦が長かったそうですので、国の文化への援助などがその間手薄、またはなかったんでしょうね。下地としては、宗教音楽なり、民族音楽なりにあったのでしょうが、今現在、サントスさんたちが合唱団や音楽祭・コンクール等を努力して作っている段階なのでしょう。一生懸命さがそういう心の広さにつながっているのでしょうか。見習いたいですね。レクチャーの、「資金不足で途絶えている」の文字が痛々しい。日本ではママさんコーラスの衣装に限っていえば、年々豪華になっているような・・・中味はう・う・どうかなぁ?

技術的にもっと高めたいと、海外からの合唱指揮者を招いたり、大変積極的に活動されているようです。また、中米の作曲家、指導者、楽器(音の出る道具)についても紹介していただきました。

演奏会第一部は、この演奏会を教えてくれた二階堂さんの合唱団「LINK」の演奏。なかなか澄んだ声で前座の演奏ではありませんでした。若い人が多いからなぁ。客席にも多かったけれど、こんなにいるのなら、うちらの合唱団にも来てよねぇ

第2部は、色彩豊かなウイピル(貫頭衣)やコルテ(直線裁ちの巻きスカート)の民族衣装がすてき!! 

TANAJUNARIN (タナフナリン)は、スペインの征服者に迎え撃ったマヤ民族の歌。「タナフナリン」とは、抵抗する気持ちを音で表した想像上の名前。東南アジアの「カチャ」(?)という集団の歌に似ている。霊的な力のこもった曲とでもいいましょうか。

REQUIEM DE CUNA (ゆりかごのレクイエム)は、グアテマラで36年続いた内戦をモチーフにしている。赤ちゃんを殺されたインディヘナ(先住民)の母親が、殺された赤ちゃんを抱きながら歌うレクイエム。布を丸めて赤ん坊に仕立てているのだが、その演技力は賞賛に値する。ゆすったり、ほおずりしたりする姿に涙が落ちた。

CANTO DE ASEDIO (包囲攻撃の歌)では、部族の村、民衆達の死んだ魂が軍隊の男を攻め立てている。一方でこの悲しみと怒りはゲリラ部隊にも向けられている。先住民たちは一方に着けば逆の存在にやられてしまう板ばさみにあっていた。一人の男性が前に出て、眠れぬ様子がよくわかった。内戦って、つまりそういうことなんだなぁ。パルチザンのように、目的がはっきりしている時には、例え、現状がひどくても人々は希望をもてるんだとついこの間本で読んだよ。だからといって、世界戦争を望んじゃぁいけないよ。核兵器の使用は人類滅亡でしかないから。ちなみにマヤ文明は暦でも有名だが、2012年までしか書かれていないんだって。人間の知恵で、何とか回避して、核兵器撤廃をして欲しい。

上記3部作は圧巻でしたね。さらに、曲はハチドリ、高原列車など、明るくリズムカルな歌が続く。二階堂さんのお願いどおり、客もスタンディングオペレーションと盛大な拍手、またそれに答えて、アンコール曲が何曲も。いいなぁ。クラッシクではありえないことだわ。

第3部は黒のロングドレス。こういっちゃぁなんだけど、おばさんたち(私もそうだけどさ)の、白ブラウス+黒ロングスカートのダサさではない。非常にセクシーであった。もちろん、踊りもセクシー。

歌も大人っぽい雰囲気となる。口説く男を袖にする(多分)曲では大笑い。LINKとの合同演奏と、またアンコール。これで2000円は安い!!

合唱団員は、16名。男女同数でこれはカップルで踊る場面も多々あったので、合理的。ソプラノに比べアルトは3名かな?ちょっと弱い気もしたが、二階堂さんが言ったようにそんなことはどうでも良くなる。動きの上手下手も多少あるのが見受けられたが、それを上手に配役とかに生かしている。ひとりひとりが輝いている。それぞれの音楽もまたしかり。いいなぁ。こんな合唱団で歌えたらなぁ。うーん、私の理想だわ。

中米の中ではコスタリカが合唱団の数とかが多いんですって。やはり、軍隊を捨てた分、“心の栄養”に力を入れられるのかな?コスタリカ観光局のキャッチがまた素晴らしい。

「 軍隊を捨てた  自然保護の先進国  年金生活者の楽園 」






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