社会問題04年その1版井戸端会議風伝言板

イラクへの自衛隊派兵,日本の平和憲法はどこへ!!イラクの平和はどうなるか!!オバサン・オジサンのちょっと長めのおしゃべりにお付き合いください。

NO.41

中近東と西欧型民主主義
04/3/6
 いっせい翁

りっちゃんの「中東ハンパが日本を滅ぼす」通読させていただきました。中近東の国境線を決めるとか言って、二枚舌、三枚舌で中近東を騙してきた悪名高いサイクス・ピコ協定、フサイン・マクマホン協定の話は以前掲示させてもらいました。

しかしあの広大な砂漠地帯で何よりも大事な水、これを守ってきてくれたのは国家でもない、親族縁者の自衛策、それを束ねる部族の長、部族と神の教えしか信頼できない地勢と歴史的な土地柄の中へ・・これは封建的なとか後進的なということで非難されるべき問題ではなく、その土地の知恵なのであって、そこへプロテスタント・アングロ型の民主主義を武力で植えつけようとしてもうまく行かないでしょう。

現実にイラク暫定統治機構の構想は、宗派と部族の調和問題で中々前に進まないし、自衛隊の土地借り上げ問題にしても、国相手ではなく部族との交渉ですから、馴染めない交渉も部族の親族を宿営地建設に雇うことでやっとケリがついた・・・考えて見れば複式簿記を考案し、世界で最も古くから国際取引をしていた独特の商法の地域に、日本も含め西欧型の構造を押し付けるのは土台至難のワザ。

日本だってそうでしょう、形は民主主義といっても、構造は政界派閥、警察派閥、外務省派閥、信じられるのはその部族の中にしかない、だからお金を好き勝手に使ってるでしょう。

それにしても、外務省がイラクにパトカーを620台援助するといって、入札させたら半値で落札でき、予算が余ったから台数を倍の1200台にすると・・・この感覚が毎度のことながら理解できない。こちらのムダを省くこともさること乍ら、もらった方も余分なものは野晒しになるか売却して儲けるか・・・人道支援の理念が何なのか、また金をばらまくことが人道支援なのか、泣けてきます。

せめて自衛隊員が、アラブの歴史の中での日常の現実を体験してきてくれればせめてもの派兵の意義があったというもの・・



早速の投稿ありがとう!!まったく戦後も大変ですね。日本も、戦中よりも戦後の食糧難がひどかったと聞いてはいますが・・・

ちょっと補足。「統治評議会は、イラク人によって構成され広範な権限を持つ組織として設置された。だかその「広範な権限」にはいかなる法的保証があるものなのか。国連決議は米英を中心とする連合国にすべての権限を任せるとしている。そしてイラク人の組織はそれをただ補佐するだけの行政機関としてしか認められていない。結局はただの飾り物でしかない。」と批判されているようですよ。

「しかも、選ばれた25人のうち15人が亡命イラク人。いわば、海外の拠点をベースにこれまで欧米社会で政治交渉の場に参加した経験のあるものか、国内でも職業上ある程度欧米型の運営を前提としたゲーム・ルールを理解しているものばかりが選ばれたのが、統治評議会であった。」「さらに、評議会議長輪番制では、露骨なアメリカの友人達の集まりとなっている。」って。

だからまとまらなくて当たり前。イスラーム(宗教関係)の方は、むしろ「イラクはひとつ」のスローガンでまとまっているようですよ。ネタ本は酒井啓子著岩波新書「イラク 戦争と占領」。 リバーベンドさんのHPとあわせてみると良くわかるかも。破壊されたものの建設ラッシュがこれからあるらしいけど、海外特にアメリカの大企業が請け負うことになりそうだって。イラクでは失業者が増えているというのに・・・ますます不満がつのるわねえ。

欧米型民主主義には、コネがないということはありません。むしろ、経済的にも政治的にもあっちのほうが上。日本みたいな無駄なことはしません。




No.40

「中東ハンパが日本を滅ぼす」 その5
04/3/6
 りっちゃん

ベトナム戦争以降は私がのんびり暮らしていたせいか、アメリカがジミにやっていたのか、気づかずにいたけれど、アフガニスタンやイラクにはど派手に「正義の御旗」を振り回したと言うことなのでしょうね。私もうかつだったけれど、あの、優しきアメリカ人達も、ここでしっかり目を開いて、ブッシュに「NO!!」を言って欲しいです。

 「多国籍軍」は「国連軍」ではない。まして「正義」の軍というのはまやかしである。その後では、より深い層からの反米感情が惹起されるに違いない。

その背後には、アメリカの十字軍的ポーズに対する反発が潜む。WASPモラルヘの嫌悪感と言ってもよろしい。WASPすなわち、White Anglo-Saxon Protestant(白人、アングロ・サクソン系、プロテスタント信者)を優越者の条件とするモラルである。そもそもがキリスト教は中東地域に生じたのであり、しかもそれはユダヤ教やイスラームとも兄弟宗教であったはず。キリスト教がヨーロッパに移植され、さらにその地で誕生したプロテスタントたちがほば夜逃げ同然の形で移住した先がアメリカなのであった。ただでさえ正義漢ぶった十字軍的態度には反発を感じるのに加えて、WASPモラルの押しつけは、兄弟宗教同士だけに我慢がならないのである。

さらに、加えて「自由な民主主義国家」アメリカの実像に触れれば触れるほど、反米感情が高まるであろう。自国内では自由と民主主義を謳歌しつつも、外国とくに衛星国家的同盟国に対しては専制国家を強制するアメリカのダブル・スタンダードにも反発するからである。

残念ながら、「多国籍軍」の勝ちが見え始めると、日本でも「今回の湾岸戦争はイラク対アメリカではない。国際秩序を乱す野蛮人どもを、正義の代弁者たちが懲らしめているのだ」とか、「日本も国際社会の一員として応分の負担を国連決議の下で行うべきである」などという声が強くなった。犯罪者にも弁護人はつくべきである。にもかかわらず昨今は、絶対善の代表のアメリカとその相棒の日本、対するは絶対悪のイラクとするような、まるで月光仮面対サタンの爪のような図式での物言いが横行しているのは正常ではない。

オスマン・トルコ帝国末期につけこんだ英仏両国は、同帝国の支配下にあったアラブ人、ペルシア人の居住地域に勝手な線引きと、支配権を割りふった。いわば撓められた木が元に戻るような復元力として、アラブ内の問題はアラブ内で解決しよう、あるいは改めて問題を問い直そうとして出てきたのがイラクである。砂漠のベドウィンがいくら好戦的であり、主権の及ぶ版図を拡大せんとして攻撃と略奪に及ぶ性向を持つとはいえ、いきなり武力侵攻とはやりすぎではある。

しかし、過剰防衛という罪もまた一つの罪である。情状酌量も一切せずに、しかもイラクのクウェート侵攻に反応して極めて素早く立ち上ったアメリカに、過剰防衛的色彩がなかったか。いやそもそも、何故にアメリカは対イラク戦争へと向かう道程を大股で歩き始めたのであろうか。いかなる「正義」の神の旗の下で!?

筆者の見るところ、アメリカが湾岸戦争に突入し、イラクの撤退声明にもかかわらず地上戦を継続したのは次の三つの理由に基づくと思われる。

(1)中東地域に波乱要因があることは、原油価格が値上げ含みの高値安定に繁がるだけに産油国アメリカとしては歓迎されてよい。一九八六年のオイル・グラット(石油ダブつき現象)のような価格低下が最も困るのである。日本やかつての西ドイツあたりを潤すだけだからである。

(2)巡航ミサイル・トマホークの初の実戦での性能チェックを始め、新旧さまざまなハイ・テク武器の一大デモンストレーションに絶好のチャンスである。むろんその結果が直ちにアメリ力軍需産業の活性化に繋がるだけに、CNNによるリアル・タイムの映像は、そのままコマーシャル・フィルムに等しかった。

(3)湾岸戦争に注目が集まることによって、ソ連のバルト三国問題の深刻さを相対的に減じる。かくしてアメリカはソ連に恩を売ると同時に、湾岸ではやりたい放題である。バルト三国の一つリトアニアにソ連軍が侵攻したのは一月十三日、多国籍軍の空爆開始の四日前であった。バルトでのソ連の蛮行を黙認する代わりに、湾岸ではアメリカの思うがままという〃新〃ヤルタ協定が成立していたに近い。間題の深刻さ加減からしてソ連の方がアメリカに〃借り〃を作ったのである。

かくて、アメリカは三方から一両得

苦しい時のアッラーの神だのみがサッダーム・フセインの最後の手段であったとすれば、国連の権威を悪用して正義漢ぶったのがブッシュ率いる多国籍軍であり、その錦の御旗に騙されて、他人の国境を気にするあまり、自国の存立の魂的部分たる憲法精神を悪魔に売り渡したのが日本である。

と、まあ、これは湾岸戦争についてかかれているのですが、今も同じであります。筆者は山師的な「油断」による石油危機という名の中東危機の構図は作られたものであって、何も騒ぐ必要はないと断言しています。きちんと数字を挙げて・・・石油がなくなるたって、高値じゃないと掘れないソ連だって、石油は売りたい。アメリカも産油国。しかも政府高官にはその系列が多いそうな。売りたいのは中東だけじゃないってこと。石油も商品だから、需要と供給のバランスで価格は決まっていくから、まあ、戦争でも起こさないと、アメリカの都合のいい価格にならないのかもしれないということです。

「正義の御旗」を振った所で、その中身は自国の国益と言うことは見え見えであります。しかも、米兵の戦後の死亡者数の多さ(自殺も含めて)を考えれば、自国=一部の金儲けにかかわる人たちと言っても良いでしょう。

翻って日本はどうなんでしょう?自衛隊を派遣して、自国の利益なんてことどこにあるの?財投会計での戦争費の寄付といい、アメリカのためになることばかりして、日本国の経済はどうなるの?

本に戻って、あと二つ民間の力について、とノストラダムスの予言を載せて、この本の紹介を終えますね

筆者に熱っぽく語ってくれた建設工事現場の担当役員の言葉が、今でも耳に焼きついている。「私たちはいつも皆なに言っているのです。いざという時に助けてもらえるイラン人を見つけておけと。誰でもいい。洗タクのオバサンでも、運転手でも、友だちになっておいてその家に、三カ月は寄せてもらいなさいと。居候でもなんでも、とにかく三カ月間しのいだら、あとはまた道が開けるだろうから。むろん、時計でも電卓でも、持っているものをプレゼントしてお願いすることを忘れるなと」決してカッコウのよい話ではない。しかしこれこそが本当の民間の活力であり、自力更生への道であろう。自衛隊派遣などという大きなもの言いに酔い痴れているのは、赤坂あたりで白身の魚をつつきながら一杯やって世界情勢を論じている連中であり、現場感覚が欠如しているくせに自分の名誉欲と権勢欲ばかりが大きい徒輩なのである。

『諸世紀』第10章96歌 大海の名を持った《宗教》(の絆の同盟)が勝利するであろう、《アダルンカティフ》セクトの息子たちに対して。おぞましくも執拗な、このセクトは、恐れるであろう、《アレフーアレフ》の二国によって深手を負わされて。

つまりはアジア=アフリカ連合こそ、アングロ・アメリカ的「正義」の押し売りと、アラブの「大義」ばかりに籍口するはねっ返りを退けて世界に居残れるという次第。ご注意願いたい。イラクも「大義」の突っ張りを止めれば、アジア=アフリカ連合に復帰できるのである。中東諸国の一部を西アジアとも呼称するように、またエジプトは古来アフリカ大陸に位置していたように、アジア=アフリカ連合とはアラブ、非アラブを問わず多くのイスラーム諸国を包合し得るのである。逆に「日本丸」はどうか。相不変に「脱亜入欧」の継続でアジア=アフリカ連合を飛び出したまま、「騎馬の儒教」にも耳を傾けず、「大西洋同盟」に心中覚悟でついていくのであろうか。

おまけがひとつ。戦争は嫌いだけど、人間ってすばらしい!!  大量破壊兵器の検索





No.39

中南米とCIA
04/3/5
 いっせい翁

投稿拝見、随分昔観ました映画「ミッシング」を思い出しました。

実話をもとにしたこの映画、俳優は確かヘンリーフオンダでしたか、父親がチリの軍事クーデターに巻き込まれ生死不明の息子とその恋人を探しに、クーデターで混乱するチリの真っ只中に飛び込み、調査を重ねる内にCIAの陰謀が絡んでいることが徐々に分かり、ワシントンの人脈を頼りに息子の行動経路をたどっていく、まあ銃殺された死体が群がる地下室の光景や、無政府状態の恐怖が良く描かれた映画でした。

結局息子はサッカー場での大量虐殺に合い、数百人と一緒に作られたコンクリート壁の中に埋め込まれていた。

南米は若い頃業務上で、ヴェネズエラ、ホンジュラス、ニカラグア、コロンビアなど行きましたが、麻薬と独裁政治の影響で何と言うか、けだるい湿気と共に希望のない世界だなあという印象が残ってます。何時までもインフレがひどく、米ドルを現地通貨に換えると、何倍もの分厚い札束になって戻りますから、ポケットにも押し込めず空港を出た途端乞食子供達にワットばかり取り囲まれた思い出があります。CIAが標的にするには絶好の地域でしたね。今でも日本人誘拐が出てますね。





No.38

「中東ハンパが日本を滅ぼす」 その4
04/3/3
 りっちゃん

私はベトナム戦争当時はまだ、暮らしに追われていなかったから、関心を持っていたけれども、そのあと世界がどんな風に動いていたのかをちゃんと見ていなかったなあと反省しています。「帝国を壊すために」から・・・

29年前のチリ、1973年9月11日、ピノチェット将軍がCIAの支援する軍部クーデターにより、民主的に選ばれたサルバドール・アジェンデの政府を転覆した。「われわれは、ひとつの国がその国民が無責任なせいで、共産主義化するのを無為に見ている必要はない」ーー当時ニクソン政権の国家安全保障補佐官であったノーベル平和賞受賞者、ヘンリー・キッシンジャーの言葉。

クーデター後、アジェンデ大統領は大統領官邸内で死体で発見された。彼が殺されたのか、自殺したのか、知るすべはない。その後に続いた恐怖政治によって、何千もの人々が殺害され、さらに多くの人々が単に「消えてしまった」。銃殺隊による公開処刑。国中に散らばった強制収容所と拷問室。死者を埋めた鉱山の穴と、墓標もない無数の墓。16年以上にわたって、チリの人々は真夜中のノックの音に怯え、日常茶飯事となった「消滅」を恐れ、突然の逮捕と拷問への恐怖の中で暮らしてきたのだ。

1998年にイギリスでピノチェット将軍が逮捕されたのに続いて、2000年にはアメリカ政府によって何千通もの秘密文書が公開された。そこにはCIAがクーデターに関与していたことの明白な証拠と、ピノチェット将軍の支配下、チリでの状況についてアメリカ合衆国政府が詳細な情報を得ていたという事実が含まれていた。それでもピノチェットに、キッシンジャーは支援を約束していたーー「わかってるね、アメリカ合衆国はあんたのやり口には賛成なんだから」とキッシンジャーさん、「まあ、うまくやるんだね、幸運を祈ります」と。

悲しいことに、アメリカ合衆国の利害関心が向けられた南アメリカの国は、チリだけではなかった。グアテマラ、コスタリカ、エクアドル、ブラジル、ペルー、ドミニカ共和国、ボリビア、ニカラグア、ホンデュラス、パナマ、エル・サルバドル、メキシコ、コロンビアーーこれらすべての国が、CIAによる隠れたーーときには露骨なーー活動の実験場となってきたのだ。こうした国々では、独裁政権の下で、粗悪な独裁者の手で、彼らに支えられた麻薬業者や武器商人によって、無数のラテン・アメリカの人々が殺され、拷問を受け、あるいはただ単に消えてしまった。(こうした加害者の多くが、ジョージア州フォート・ベニングにあるアメリカ合衆国政府出資の悪名高き「スクール・オブ・アメリカズ」で技能を身に付け、その卒業生の数は6万人に及ぶと言う。)これでも十分な屈辱ではないと言わんばかりに、南アメリカの人々は民主主義が不可能な国民と言う罪の十字架を負わされてきたーーまるでこの人たちの遺伝子の中には、クーデターや虐殺が組み込まれている、とでも言うの?

以上の国名リストには、もちろんアメリカ合衆国の軍事介入に苦しんだアフリカやアジアの国々ーーソマリア、ヴェトナム、朝鮮、インドネシア、ラオス、カンボジアのようなーーは含まれていない。この数十年、どれだけ多くの9月に、何百万と言うアジアの人々が爆撃を受け、焼き殺され、惨殺されたことだろう?どれほど多くの9月が過ぎ去ったことだろう?広島と長崎で何万もの普通の日本人が核攻撃によって消滅させられた1945年の8月から数えて、どれだけ多くの9月に、どれだけ多くの人々が、こうした攻撃を経て生きのびるという不幸を体験し、自分達とその生まれることのなかった子どもたちと、子どもたちの子どもたちと、大地と空と風と水と、泳ぎ歩き這い飛ぶ、あらゆる生き物のすべてに降りかかった生き地獄を堪え忍んだことだろう?

アメリカ人の、アメリカ人による、アメリカ人のための「正義」「民主主義」が、アフガニスタン、イラク、でも行われていると言うことですね。長くなったので最後に2003年4月、シーア派宗教行事「アルパイーン」でのスローガンを載せてまた続きとします。

「帝国主義にノー、イスラエルにノー、アメリカにノー、サダム・フセインにノー、イスラームにイエス!」





No.37

「中東ハンパが日本を滅ぼす」その3
04/2/27
 りっちゃん

まずはいっせい翁が送ってくれた笑い話から

ある男がユダヤ人教会(シナゴーグ)で一生懸命お祈りをしていた。「神様、お助けください息子のアブラハムが洗礼を受け、キリスト教徒になろうとしています」。神様が現れて「そなたはあきらめるがよい。じつは私の息子もそうだったのだ」

イスラムの人たちは異宗教のものは受け付けない、来てほしくないと思っていると勘違いをしている人が多いようですが、元は同じ宗教なのに不正なことをしている兄弟宗教に関しての怒りは大きいかもしれませんが、日本は好かれているようです。アフガンでも好意的であると井戸を掘る医者に書かれていました。原爆の被害にあった国であることもよく知られているようです。平和憲法のことも・・・

筆者は、イスラムの人たちは非常にラディカルだと評しています。この意味には、過激という意味もありますが、基本的、論理的だと捉えての評のようです。その例を、国連の人権宣言についての反応であげています。

世界人権宣言とは、「すべての人間は生まれながらにしてその尊厳および権利において自由かつ平等である」(All human being are born free and in dignity and rights.)を第一条とする基本的人権の謳歌である。世界人権宜言の採択時に棄権をした国の一つにサウジ・アラビアがあり、草案審議中に強力な反対案を提起したのがイラクにシリア、レバノンにエジプトなどの、つまりはイスラーム諸国なのであった。

第一に、世界人権宣言が信教の自由を認めているからで、これはアッラーの神を戴くイスラーム国家として簡単には首肯できない点である。ありていに言えば、アッラーの神の名が登場しないのは怪しからぬ、というところであろう。

イスラーム諸国が世界人権宣言に反対した第二の理由は、その第一条ですべての人間が生れながらにして自由かつ平等である(傍点筆者)と規定したからである。なぜならば現実には生まれながらにしての不自由と不平等とが満ち満ちていて、とても第一条のようにはいかない。にもかかわらずその不自由や不平等を解消ないし改善する施策を講ぜずして、虚偽の命題を真実のごとく前提する態度が許せないというわけである。反対者たちは「自由かつ平等である」ではなくて、「自由かつ平等と成るべきである」(shold be free and equal)との修正案を提出したのであった。

基本的人権を生得の権利として無差別に前提して、その後に生じた能力や地位の差別は努力の結果として受け入れるべきと解釈するのが西洋の行き方であった。これに対してイスラーム諸国は、現実に存在する生まれながらの差別に注目して、そこから基本的人権が無差別に保障されている社会をいかに実現すべきかを考究する。どちらが法律的センスや人権感覚を、より深い位相で把握しているか、もって瞑すべしであろう。

政治的に日米安全保障条約で軸につながれていると、経済から軍事から外交から文化まですべてアメリカの言いなりとなって偏差値的に衛星国然と位置し、世界もそのように動いていると信じているのが日本である。しかるに中東では、宗教カ−ド、民族カ−ド、石油力−下と種々さまざまなカードを用いてつかず離れず、切れたようで繋がってカエルの卵のように絡み合っているのである。世界も実は後者のイメージに近いのではないか、そしてその方が相対的安定を得られるのではなかろうか。


と、書かれています。養老さんの「バカの壁」では、キリスト教徒ユダヤとイスラムともに一神教で、一元論に陥りやすいと書かれていたけれど、私が思うに、同じ一神教でも、ちょっと違うなあと・・・神が絶対真であるとこは共通だけれど、人間が間違えるものであるということは、イスラムが一番わかっているようです。キリスト教では、遠藤周作がキリストが誕生して慈愛の神になったと言っていたけれど、どうもそれはそれぞれが勝手にいいように解釈できるわけで、USA方式だと、経済的行動はまったく宗教とは関係ない、または、それに落ちこぼれるものはそいつが悪いということになっているようで・・・イスラムだと、独り占めは許されない。施しをしなければ、神が見ているということのようです。自分では正しいとは思っていても、神のほうが絶対。つまり修正の必要がどこかで生じる可能性があることをよく承知しています。

自分を主張はするけれども、最後は話し合いで決めるというのは、商取引にもよく現れているようです。

ベイアというアラビア語がある。取引きとか契約を意味するが、同時にアラブ風の商取引きから交渉事の様式美学の総称でもある。 売り手と買い手の商談で、一方は最高値を他方は最安値をオファーし合って後の調整のようである。あわや談判決裂と思いきや、急転直下、交渉がまとまって商談成立、両者は肩を抱き合って挨拶を交わしている。

何となくアラブ風がおわかりいただけたかしら?次回はアメリカの流儀を、アルンダティ・ロイの「帝国を壊すために」を交えながら、まとめてみたいと思っています。





No.36

「中東ハンパが日本を滅ぼす」その2
04/02/22
 りっちゃん

イスラム教というものをまったく知らなかったが、これを読んでみるとなかなか面白い。宗教曲を歌っていて、キリスト教は思っていたよりも熱いと感じています。人によっては実際生活でいいように利用しているという気もするし、日本においては、ちょっと澄ましている感じもしないではないけれど・・・イスラムはもっともっと人生に密着しているんだろうなあとこのごろわかり始めました。皆様もイスラム教に触れてみてください。

ユダヤ教、キリスト教、イスラーム、中東の地で歴史的にこの順序で成立した三つの宗教的知恵は、宗教学的にはセム的一神教(セム民族が興した唯一神を信仰する宗教)と括られるが、西洋でも世界の三大宗教として知られている。しかしながら日本ではしばしばセム的一神教としての共通性格がよく理解されないまま、三宗教相互の対立的側面ばかりが強調されたり、キリスト教のみをもってその代表とみなされたりする。何かと言えば過激で暴力的なイスラームが取沙汰され、せいぜいキリスト教ファンの一人にすぎない山本七平氏のような切り貼り評論家が、中東問題となると〃一しょく多〃の議論を展開する。三宗教の相違を強調し過ぎても始まらず、かといって〃一しょく多〃では話にならない。セム的一神教の〃一即多〃の本質を見究めなければならない。

まずキリスト教と他の二宗教が世事から超越するか、そこに介入しようとするかで大別される。「神の国」を目ざして「天国に宝を積む」ことを念じ、「神のものは神のもの、カエサルのものカエサルのもの」と世俗の権威権力から超越志向を持つのがキリスト教である。これに対してユダヤ教もイスラームも、政治、経済、社会の万般にわたり、さらには文化にも軍事にも介入する。

イスラームの聖典『クルアーン』(原義は朗謡されるべきもの)には、遺産相続の仕方や結婚、離婚、再婚の掟(死別や離婚の後は六カ月待たなければならない)はむろんのこと、育児法(幼児は二年ほど母乳で育てるがよい)から、戦陣訓までが記されているが、さらにそれを補完する形で膨大なイスラーム法学が形成されてきた。

同様の事情はユダヤ教でもあてはまり、『律法の書』を中心としてミシュナやタルムード(ラビという専門の法律家の見解や判例集)という法学が築き上げられている。因に言えば、イスラーム法は日本人の間でも戒律の厳格さで知られているが、ユダヤ教の方がさらに厳しく、細かな規定がある。たとえばコシェルという食事の推では、飲酒やブタ肉を食することの禁止はイスラームと同様であるが、牛肉は許可されているとはいえ、牛乳と一緒の料理は禁止されている。つまり、ミルク・シチューの中に牛肉は入れられないのである。もっとも、あるラビの見解によれば、牛肉とミルクを一緒に食すると、牛がいなくなってしまうから!というように、ユダヤ教の戒律の厳格さの背後にはユーモアのセンスが働いている点にも留意すべきであろう。とまれ、ユダヤ教の戒律の文言上の厳格さは、イスラーム以上と言ってもよろしかろう。第一にヒゲをはじめ身体に生えている毛を剃るのに、人工的な道具や器材−つまりはカミソリ、ハサミの類−を用いてはならないというからである。他人事ながら、盲腸の手術の時にはどうするのであろうかと心配してみたくもなる。

同じく世事万端に相渉り、万事生活に介入してくるとはいえ、イスラームとユダヤ教ではその性格というか物の見方考え方、つまりは世界観において大きく異なり、対照的ですらある。簡単に言えばイスラームはネアカな宗教的知恵であり、対照的にユダヤ教はネクラな教えなのである。

実は日本人にもよく知られた原罪のエピソード、すなわちアダムとエヴァが禁断の木の実を食べたために楽園を追放されたという話は、決してキリスト教内部だけに伝えられているところではないのである。ユダヤ教やイスラームにもこのエピソードは伝えられていて、そういう点にこそセム的一神教として三宗教が括られる理由の一つがあると言えるが、原罪の解釈の仕方は三宗教が三者三様なのである。

十字架に架けられたイエズスによって、人類の犯した原罪は贖罪されたと解釈するのがキリスト教である。しかしながらユダヤ教やイスラームでは同じエピソードを、全く別様に解釈する。ものごとを明るく解釈するのが、慈愛遍く慈悲深きアッラーの神によって原罪は簡単に赦されたとみなすイスラームである。反対にユダヤ教では、原罪はまだ赦されておらず、人類は「額に汗して働き続けなければならない」と悲観的に解釈する。因みに言えば、「額に汗して働き続けなければならない」とのユダヤ教の戒律は、「働かざる者食うべからず」という共産主義の信条と一脈相通じるところがある。

ところで、本書の主題と最も深い関わりを持つのがイスラームであるが、これは三大宗教の中でも最も若く新しい教えであるだけに、先行するユダヤ教、キリスト教の長所、短所を比較検討し、セム的一神教の徹底化を図った点が特徴的である。ある意味でイスラームはセム的一神教を集大成する包容力を持つと同時に、先輩の二宗教の教義を徹底深化できた。つまり暴力的に過激なという意味でのラディカルという以上に、ものごとを根源的に深く考えるという意味でのラディカル(語源は根を意味するラテン語ラーディクス)な教えなのである。むろん、それをイスラームの長所と見るか、最後に出てきて美味しいところをツマミ食いする怪しからぬ徒輩と見るかは解釈の分かれるところであろう。

たとえば最初のムスリム(イスラーム信仰を持つ者)とは、預言者のムハンマドでもその従兄弟のアリーでもなく、ユダヤの族長であったあのアブラハムであるという。何故ならば彼こそ月や星や太陽への信仰、つまりは偶像崇拝を破棄して真に純正なる一神教を興した人物だからである。月や星や太陽、そして全宇宙を創造し、それらの運行を背後で司るお方こそアッラーの唯一神であり、それこそ唯一に信仰の対象に値するお方なのである。この認識こそイスラームの原点であり、かくしてアブラハムが最初のムスリム、そしてイスラームの教えがディーン・イブラーヒーム(アブラハムの宗教)と呼ばれるのである。さらに預言者であるが、ムハンマド(俗称マホメット)がイスラームにとって最重要な預言者であることは論を待たないが、最初の人類として創造されたアダムに始まりモーセとかイエズスをも含む預言者の系列を信じるのがイスラームなのである。そしてイスラームではムハンマドが「預言者たちの封印」と称讃されるように、彼こそは最後にして最高の預言者なのであった。赤タン、青タンみんなコイコイ、とばかりにユダヤ教の重要人物もキリスト教の核となるおひとをも、自分たちの先輩として把握し、しかもムハンマド登場に至る露払い的役割を付与するという、なんでもコイ式の包容力を見せるのがイスラームである。

同じく預言者の系列に数えられているとはいえ、一方のイエズスがキリスト教内部では神の子と崇拝される場合があるのに比較して、当のイスラームでは最後にして最高の預言者ムハンマドが神の子どころか人の子、それも市場をうろつき回る唯の人と見做されている。そして『クルアーン』の中ではムハンマドであれ誰であれ、個人崇拝が厳しく禁じられているのである。

こうした教義自体は、一神教を徹底化しようとするイスラーム本来の目的からしても、またとくに先輩のキリスト教と対抗して教義の独自性を訴え出ようとした意図からしても、必然の所産と言えよう。しかしながら、教団としてイスラームを運営しようという局面に立ち至って問題が生じてきた。いったい如何なる人物の権威の下にイスラーム共同体をまとめていけばよろしいのか、という。

ムハンマドが存命中はまだ良かった。彼の死後をどうするのか、それも最後にして最高の預言者と称揚した人物亡き後であるから、問題は二重にこじれてきた。どのような預言者が登場してくるにせよ、権威においてムハンマドにかなわないからである。ここからイスラームの共同体運営は大別して二つの方向に別れた。第一が、個人の宗教的権威に頼ることを放棄して、あるいはムハンマドの権威をいわば凍結したままで、あとはその代理人的資格の人物(これがカリフである)が、長老たちの合議制により選出されて共同体を運営する方向であり、スンナ派と呼ばれるグループである。そして第二が、個人の宗教的権威を徹底的に内面化して解釈し直した上て、「預言者たちの最後の封印」というムハンマドの権威は外面上、途絶え終焉したものの、その内面的資質はその後も継承され得るとしたグループであり、そのような個人の権威に従っていく限りでシーア派(原義は付き従う人々)と呼ばれるグループであった。

カリフに宗教上の教義決定権がなく、後代になると長老たちの回り持ちや、傀儡政権も誕生したほどに、スンナ派の共同体運営は共和政治の体制にも、あるいは村の鎮守様のまつりごとにも似た側面があった。いやさらに、形式上は民主主義体制を採るとはいえ、大事なことは長老たちの合議で決まる日本の政治とそれほど遠くないとも言える。

これに対してイマーム(原義は指導者)という宗教的権威者を立て、彼の霊的特質にすべての指導を委ねるというシーア派においては、内面性重視の独特の宗教的知恵と心情が形成されてきた。つまりは、最後にして最高の預言者ムハンマドの資質を内面的に継承したイマームの地位が至高にして、信仰の対象となってきた。しかも彼は無謬にして、その下した命令はそのまま法律とされた。無謬にして、その命令が即法律となるような人物はほとんど神に近いとも言える。『クルアーン』に禁止されていた個人崇拝にもかかわらず、イランを中心としたシーア派においては、それこそ現人神信仰と言ってもそう外れてはいない気持をイマームに対して抱き続けてきたのである。預言者ムハンマドの従兄弟にして四代目カリフであったアリーを初代イマームと立て、彼以後十二人のイマームを信奉する十二イマーム派がイランの国教である。シーア派の中にはアリーから始まって七人目までをイマームとして立てる七イマーム派、別名イスマーイール派もあって、中世末期にエジプトのファーティマ朝の国教となっていた。しかしいずれにせよ、事実上十二柱、もしくは七柱の神々にも似た神的存在への篤き思いがシーア派の信者の間に醸成されていたのである。


と、抜粋を並べただけですが、二つに分かれたのが600年代ですから、悠久の歴史を感じますね。まだ続いているって言うのがすごいなあと・・・それと書物ではなく、聖書(コーランここではクルアーン)が音楽的なことばであることもいいですねえ。
 神は絶対に正しいとするイスラム教も、その解釈は人間がするわけだから、間違いはいっぱいあるし、紛争もあると、だけど、人間的な魅力も感じますね。





No,35

「中東ハンパが日本を滅ぼす」その1
04/02/19
 りっちゃん

著者五十嵐一さんは、「悪魔の詩」の訳者として私も記憶にある方ですが、彼は誰に殺されたんでしたっけ?ユーモアのある方のようですし、中東にも詳しくて、もっと生きていて欲しかったなあと思いました。この本は残念ながら絶版になっております。前文を要約しましたので、まずはそれをお読みください。前の湾岸戦争直後に書かれたもののようですが、まったく今も同じです。

【前文】

湾岸危機は、アラブのはねっ返りサッダーム・フセインがイラン・イラク戦争のウップン晴らしにクウェートに出てきてアラブ遊牧民風のハッタリをかましまた程度と思っていたら、アメリカがそれを真にうけたのか、それともハイ・テク兵器デモンストレーションの好機到来とみたのか、"正義"の味方スーパーマンの国際ショーを始め出す。

おまけに、ことの起こりの国境線引き間題には何の関係もなく、石油生産や価格の間題には大口購買者としてむしろ世界経済の安定と平和のために大いに協力しているはずの日本までが、戦争マニアの一方に加担せよと迫られる始末。

実を申せば筆者は、イラク軍がクウェートに侵攻した湾岸危機発生の直前から、当時中東五力国歴訪を予定していた海部俊樹首相に対し、内閣官房を通じて中東情勢レポートを送り、アドヴァイザー的役割を果たしていたが、それは危機発生後も続いていた。中東に対する欧米の汚れた手の歴史と、ベドウィン風のイラクの遣り口に思いを潜めれば、そして何よりも石油をめぐって見えない形での日本の貢献を評価するならば、日本にこれ以上の貢献など不必要、どこかの社長のように「戦争でもなんでもおやりになりたければどうぞ」と言えばよろしいと、進言し続けてきたのである。

あろうことか日本国政府は、右のような依頼に応じての筆者の進言を無視して、アメリカの求める資金援助や、さらには自衛隊派遣までを含めた支援策の検討を、国際正義を護るための応分の負担とか称して実行に移してきた。それが海部俊樹首相個人の本心か、虎ノ門坂上(アメリカ大使館)の筋の意向をうけての小沢一郎幹事長(当時)らのブラフに屈したものかは、この際どうでもよい。まことに中東という馬を見て鹿といい、アメリカという鹿を見て馬という類の馬鹿野郎どもの馬鹿な選択であった。

「アラブは要るが、アブラは要らぬ」という本書のモチーフは、最初から最後まで貫徹している。本書は今回の湾岸戦争をトータルとして反省し、いったい何のための戦争であったかを振り返るとともに、同様の事件が今後において発生した時に、慌てて同じような過ちと疑心暗鬼を繰り返さないために、中東を見る視点というか座標軸そのものを反省してみた。

中東やイスラームの歴史はむろんのこと、石油問題やエネルギー事情にも広く深い構造的理解なしには、今回の湾岸戦争から得られる教訓など何ひとつないからである。





No.34

Bagdhad Burning のリバーベンドさんへ
04/02/17
 いっせい翁

はつこさんご紹介の「Baghdad Burning」読ませていただいております。アラブ語も出来ず、接続の方法も分かりませんので、翻訳者、仲介者を通じてリバーベンドさんにメッセージが届けば幸甚に存じます。

リバーベンドさんへ :

2月13日のご親戚による夕食会の後、従兄弟さんが誘拐され、1万5千ドルもの身代金を払って数日後に帰ってこられた日記を読み、生なましい状況が手に取るように分かります。6月にはイラク統治評議会が憲法を制定し、新しい国の骨格ができるとの話も、何だか又先になる様子ですね・・落ち着いた平和は何時のことになるのか、争いがもう何千年続いているのでしょうか、世界最古の文明の地なのに・・・

長い歴史の中で法律も、基本法である「シャリア」では現代の生活に合わないので「民法」ができて、前大統領サダム氏も、湾岸戦争で戦死した男性の数が減って、女性の権利を大きく認めたようですが、それが又、しかも女性評議員がいない時を狙って統治評議会が女性の権利を認めた民法を、元のシャリアの規定に戻すと・・137号決定というのですか・・男性が2人以上の妻を持つ場合、民法では第一夫人の許可は必要としたが、シャリアに戻れば男性は許可もなく、数人の女性を妻とすることができるのですね?そして離婚は女性からは言い出せなくなる、離婚できたとしても、子供は夫に取られてしまうのですね・・

一夫多妻制度はもともとムハンマドが、戦争で夫を亡くした未亡人達の生活を保護する為に、経済力のある男性には、救済の意味から多妻制を設けたと聞いておりますが、そうなのですか?しかし婦人団体が評議会の決定に猛反発してデモを起こして抗議しているということは、イラクにも西洋的近代性、民主主義を望んでいるということでしょうか・・・

と申しますのは、遠い日本人は書物や記事でしか生活律法のことが分からず、例えば日本の自衛隊が行ったサマワでは、自衛隊が兵舎を作る土地の借り賃について、アルブルハ族が日本が提示している地代が安すぎて話しにならない、日本の言う借り賃の10倍は出せと、そして「他の部族のもの笑いになる」と一歩も譲りませんね・・そのために日本の首相が5月頃部族長の皆さんに日本に来て頂いて、わざわざ土地の借り賃の交渉まで首相がやることになりました。

ユダヤ教の教えに影響を受けたムハンマド、そのユダヤ教には「隣人を愛し、敵を憎め」とありますが、その隣人とは世界の人でなく部族のことを意味してるというのは、ほんとですか?そして各部族による政治が伝統的に行われてきた、それをアメリカが勝手に来て民主主義を押し付けようとしている、しかも武器で・・イラクにはイラクの伝統的部族長による政治があるから敵のおせっかいは望まないと。異教徒より同志である独裁者の方がマシだというのはほんとうですか?市民の皆さんはどのような国したいのか、ほんとうの気持ちが知りたいのです。

貴女も市民私も市民です。どの国でも市民には良く分からないことがあり、日本も国民は何だか良く分からないのに、政府はどんどん進んで行きます。日本は戦争を反省し憲法で武力行使を禁止しました。そして一生懸命働き、イラクにも石油のお世話になり、世界一のお金持ちと言われるようになりました。そしてお世話になった世界中の国にすごいお金と技術を渡してきました。

しかし現在はもう違うのです。見かけだけなのです。日本人が1年間の支出の約10倍の借金で国の運営をやっているのです。世界一の借金国なのです。おたくへ行ってるアメリカでさえ国の借金はアメリカ人が1年間の支出の4倍位なのです。そのアメリカへも日本はお金を渡し、更にイラクへお貸ししていた約40億ドルのお金も、つらいでしょう、だからもう返して頂かなくて結構ですということにしました。そして市民の皆さんも水のことで大変でしょう、ということで更に20億ドル位を使うことになりました。

私も老人です。日本では今税金を申告する真っ最中です。国民の負担がどんどん大きくなって行き、高齢化で老人もどんどん増えてきて、先の生活不安もそれにつれ大きくなって来ました。

私はケチなことを言ってるのではありません。助け合いはお互い様です。ただ遠いお国のことが分からないでは、僅かであっても税金を納めている日本国民として、どのようなお役にたっているのか、大きく言えば貴女のような市民の皆さんが、どういう国にされたいのか、そこがマスコミや政府の話では分からない、市民同士で分かればこんなに嬉しいことはありません。



いっせい翁のお手紙がリバーベンドさんへ届くといいけれど・・・

イスラム文化圏と女性問題は、変に書くとアメリカに利用されちゃうような気もして書きずらいのですよ。性器切除の問題もあるし、顔を隠さないといけないというのも、見た目で、女性蔑視、野蛮な国というイメージにつながりやすいでしょう?でも、主権はその国の人にあると思うから、あんまり傍で、歴史も心情もわからずに言うのはよくないと思うんだ。だから、コメントはかけないなあ,まだ。ペシャワール会の医師たちも、女性問題をとやかく言う前に、服の上から聴診器を当てて、「郷に入れば郷に従え」ととにかく診療所へきてもらうことを先決にしているって。

まずは、読んでみましょう。バクダットの情報を。




No,33

女性の視点で送られてくるバクダット情報
04/02/15
 はつこさん

皆さんへ

イラクから「Baghdad Burning」という女性の視点で発信されている情報があります。

発信しているのは24歳のイラク女性です。彼女は、リバーベンドというハンドルネームで、イラクでの米軍の実態、イスラムの習慣、イラク人の生活などを女性の目線で描いています。メディアから得ることのできない貴重な情報を少しでも多くの日本人に知らせたく、7人の女性でプロジェクトを作り12月から翻訳作業が始められました。現在8月から12月までの完了したものから順にリバーベントブロックサイトにアップされています。

リバーベントのイキイキした筆致で語られるイラク人の生活は、私たちに多くの共感を与えるとともに、戦争を経て、今も尚続く占領下の米軍の暴力、原理主義者の台頭は、イラク問題を考える上で私たちに多くの示唆を与えてくれると思います。

是非読んでください。

http://www.geocities.jp/riverbendblog/





No.32

戦争の思い出(3)
04/02/03
 いっせい翁

昭和20年8月、敗戦の日から何カ月後だったかもう記憶にないが、食べ物がなくなって遠方の縁戚筋に食べさせてもらうため、長崎駅からガタガタの列車に乗った。その時の光景、原爆被爆者達、特に親も亡くしたのだろう、被爆した子供たちが物乞いして、これが人間かと思うほどの焼け爛れた姿でウンカの如く群がってきた。地獄の一丁目という言葉があるが、思い起こせばあの光景がそうだった。イラクで劣化ウラン爆弾が使われたのではないかとの小さな記事で、遺伝子への影響も出たのではないかと、ヴェトナムでの「枯れ葉作戦」に使用された化学兵器の後遺症で1身2頭の赤ちゃんが生まれた現実も、つい昨日のような気がする。

翻って、イラクを武力で民主主義化しようとする米政策に何が何でもくっつかねばならないと、強引な採決を始めた政府と、昨年は40%弱だった自衛隊派兵賛成が、55%に迄上がってきた国民の意識・・・何かがおかしい・・・

そもそもが、フセイン打倒と大量破壊兵器の探索を大義に空爆開始、次にテロの本拠を潰すとの大義に変わり(イラクにテロの本拠があるのか?逆にテロを呼び込んでいる)そしてイラクに民主主義を確立するためにと、大義がくるくる変わり、日本はその大義実現の人道支援を何が何でもやらねばならぬという。
その立派な大義を実現するには、委員長席をプロレスまがいのやり方で取り囲み「本体派兵決定ー!」と・・そんなやり方じゃないと大義が果たせないのか、大義が泣いている。
本会議場で、元総理の娘議員が、議事紛糾の気配を感じて「ギチョー!審議打ち切りの動議を提出ー!」と、まるで女学校の剣道試合の宣誓みたいに叫んで審議打ち切り。この議員に深い哲学性を求めてもムリな話だが、頭の中どうなってるの?

随分前にドイツがNATO加盟国として、戦後初めて他国へ出兵するとき(旧ユーゴ紛争)軍隊派遣の是非を本会議で問うた際、旧ナチスの反省もあったから、議員一人一人が議場に立って胸に手を当てて夫々の考えを述べた後に採決に入った。それに比べ、重大問題のわが国の決め方、コリャ一体何だ。記名投票したら名前が分ってマズイとか、大物議員が採決前に退出すると党議で罰則をかけろ、イヤ大物だから後がどうとか、まるでコソ泥みたいなやり方、何だコリャ・・理念なき憲法の踏みにじり、恥だ。

国民世論の上昇、国会の強引なやり方、アメリカの喜びは尚一層深まったであろう。その副大統領チエイニーがCEOを勤める米大手石油会社ハリバートン社が、イラク会社に7億円の賄賂を渡していたことがバレて、要するに産軍共同体が後の利益確保に奔走してるし、又、自衛隊宿営地の地代について日本は70万円しか払わないというと、サマワの酋長達は600万円払えと、利益欲望が渦巻く所へ何で遮二無二人道支援派兵なのか・・病院、学校のことなら別のやり方がある筈。

限りなく軽いというか、ガキ大将が格好つけたがってるだけじゃないの・・・



本当に日本てガキだね。某派遣会社の面接で、待っている間に手に取った本にこんなことが書かれていたよ。テロの犠牲者の奥さんがね、おかしいと思ったんだって。飛行機がハイジャックされている間、世界に誇る米国の軍隊は何をしていたんだろうか。ビルに突っ込む前に何とでも手が打てたはずだって。それから、これも世界に誇るCIAさんは、要注意の外国人はしっかり把握していたはずだって。おかしい。やらせじゃないか!?とさ。

ドル安でしっかり軍事費を稼ぐ頭の持ち主だもの。ブッシュさんならやりそうだね。私もあのニュースの写り自身がよすぎると思ったね。

ニューデリー在住の女性作家アルンダティ・ロイさんも『帝国を壊すために』で書いているけれど、アメリカは第三世界も自分の都合のいいようにしたくて、あちこちで紛争を起こし、自分の手は汚さずにいるとさ。アフガンでもイラクでも、フセインさんやアルカイダに武器や軍資金を提供したのは他ならぬアメリカだそうだ。自分に都合が悪くなれば、やれ独裁者だ、テロリストだって、自分が育てておいて切っちゃうのだそうだ。

それもまた、いかにもやりそうだね

そんな悪知恵の働く方々に比べ、まあ、なんと幼いんでしょう、日本の政治家たちは・・・嘆いていても何もならないけれどね。もっと大人になって欲しいよ。




No.31

財投会計の裏
04/01/25
 いっせい翁

ななしの権兵衛さんが、よくぞトッテンさんのご意見を載せてくださった!私も、当掲示板や他でも国民がもっと国の財政に関心を払わないと、だまされて結局は増税やら社会保障費の負担増になって跳ね返ってくると投稿してきた。

米国イラク戦費は、円高防止名目で更にドルを買いを急増させ、そのドルで昨年12月には年間の米国債買付額は21兆円に跳ね上がり、それまでの年5〜7兆円の約3倍、それも1カ月の短期間のうちに買い付けた。21兆円という数字がどれ位のものか、日本の年間貿易収支の黒字にほぼ相当する。累計では権兵衛さんが紹介される約6000億ドル(約65兆円)くらいにはなるでしょう。更にドル安になれば、評価額とはいえ何のことはない、更に米軍事費を助けることになる。そんな想像をするまでもなく、ブッシュ大統領が年頭にイラク紛争に貢献している同盟国を賛美して、日本については「・・会計担当国として」と、はっきり明言している。

これは「外国為替特別会計」を利用したお金の捻出だが、大本は「財政特別会計」で、現在年80兆円位使っているのでしょうか、このうち50%は承認を必要とせず、政府・財務省が機動的に使える。その財源は郵便貯金、年金積立金で4年前は430兆円をいかようにも使えた。今は法律で押さえ込んだから80兆円位か、しかし運用していた旧大蔵省の資金運用部(これは名前だけで実際に部もなく名目だけ)の帳簿がないから累計では300兆円位になってるのかな?いずれにしても一般借金国債年32兆円をはるかに超えるもので、このほかに不足分を財投債発行しているのが90兆円・・これが道路公団、住宅公団、年金事業団、国際協力金として「貸付」られ、主たる財源は郵貯、年金積立金よりの借金、問題は「貸付」だから返済される筈との前提があるものの、道路公団赤字累計40兆円、そのほか特殊法人の不良債権はいかほどか、公表されたことがない。

年金にしたって、単純収支で足りなくなったから掛け金を増やす、その前に過去の運用で返ってこない分いくらあるのか、そこの責任を明確にすべきで、国民もそこを強く訴えないと、ジイチャンの郵貯もそうだが、国債買ってその利息誰からもらってるの?国は利息を税収で払えなくなってるから、又借金国債でお金を集めそれで利息払っているのですヨー。これジイチャン、自分で共食いしてるのですヨー!日の丸家の年間家計支出が82万円、収入が45万円、差引き赤字が毎年37万円借金累計700万円、まず返せない。いや方法が一つある。日の丸家他の全家庭の貯金が1400万円ある。これ使って棒引きにしてしまう。

この表向きの借金のほかに「隠れ借金」といわれる外為特別会計も含め、財投会計をバラしてみないと、ほんとに借金いくらあるものやら、田原総一郎がサンプロで始めて谷垣財務大臣に聞いたら、曖昧にしか答えない、しかし私は大臣の苦しそうな表情を見逃さなかった。野党は派兵問題だけでなく、何でここを突っ込まないのか・・自衛隊の人道支援、隊員にはご苦労さんだが、外為で足りない分更に借金して米国を助け、ウラは人道支援というキレイ事ではないって・・なのに派兵賛成、内閣支持の世論がジワジワ上がってきて、トッテンさんが言われる通り、いい加減お人好しをやめなきゃあ、ジイチャン、オレオレ詐欺の方がまだましだったということになりかねないよ。



いっせい翁が、同期会のほうの掲示板で、日本のサラ金家族的実態を明らかにしてくださっていたのは、このことをもご存知だったからなのですね。私も、真面目な日本人が、戦後頑張って働いてきたのに、何でここ数年でサラ金家族化しちゃったのか納得がいかなかったのですが、ビル・トッテンさんの文章を読んですごーく納得。これじゃあ、なくなるわけだわ。

でも、何で、こんなにアメリカにプレゼントしなくてはいけないわけ?自分の国が困るというのに?また、何で野党が追及できないわけ?その利益のおこぼれにでも預かっているのかしら?まるで「沈まぬ太陽」の世界そのまんまではないですか?

それとも、役人も国会議員も大馬鹿野郎の集まりなのかしら?いずれにせよ、国民がしっかりしないといけませんね。みなさーん、自分の国のお財布の中身をしっかりチェックしましょうね




No.30

日本国民はだまされていた!!
04/01/24
 ななしの権兵衛さん

怒り心頭になる記事を見つけました。ご参考にお送りします。体制といのは、天才的に悪知恵の働く集団ですね。

http://www.ashisuto.co.jp/corporate/rinen/totten/ow_text.php?A=1&B=621

書いている人は、何と日本でソフトウエア会社を経営しているアメリカ人、ビル・トッテンさん。

この内容には思わず、心の中でうなりました。

戦費調達として最高のテクニック!



みなさん、上記のurlの内容を読んで私は驚愕いたしました。な、なんと日本人は、すでに戦費調達係になっていたのです。

「外国為替資金特別会計」というのがあるんだそうです。昨年12月末における外貨準備高6735億2900万ドルのうち、5259億6700万ドルを証券で保持しているいう(財務省)。そしてそのほとんどを日本政府は米国債という形で保有しているんだそうな。そこで生じたドル安の差額が、単純計算で2003年1年間で1兆2000億円。それは父ブッシュ大統領時代に日本が負担した1兆3000億円の戦費とほぼ等しいのだそうな。

偶然だなんてとんでもない。2003年にブッシュはもう、イラクを攻撃することを明示していた。そして、その準備金も2003年に一桁上がっていますのさ。

権兵衛さんが怒り心頭に達した「テクニック」ですよ。日本政府のプレゼント。「金がない」「受益者負担」だって、うそばっかり。私たちの税金を使って、何でよその国の人たちを苦しめる戦争のために金を出すのさ!!

「米国債」だって!!日本の国債を、今まで働いて貯めたお金が預金では目減り一方だからと買っているじいちゃんたち、これからどうなるかわかんないんだよ。この借金だらけの日本は・・・しかも、資金調達のために借金までしてその借金の利息は、銀行さんにちゃんとお返しになった!!これはまさに 宗主国アメリカと自民党の選挙資金のスポンサーともいえる金融機関、この二 つを満足させる「一石二鳥」の政策ではないか。だってさ。

ビル・トッテンさん、頭もいいし、しゃれもわかると見えて、最後のせりふは「日本政府は国民を犠牲にして財界やアメリカに仕える政策 をとり続けている。今年は申年だが、猿回しの猿のようにアメリカのいいなり になっている首相と、「見ザル・言わザル・聞かザル」の国民では、日本は今年も大変な一年になるだろう。」だって、お教えてくれてありがとう!!くっくっ(泣き)

それにしても、今頃「自衛隊派遣、反対!!」なんてシュプレヒコールを挙げている場合じゃないでしょ!!日本の野党の情けないこと。国会の場で、2003年に討論すべきことだったんじゃなあい??

国の財政は、国会議員がちゃんとやってよ。でも、家計を握っていた経験から言っても、これは出すべきお金ではない。弱いものいじめの戦争に金を出すなんて、憲法違反もいいとこ。さらに、そのために自分の首を絞めているのですから・・・




No.28

戦争の思い出・靖国神社・憲法(2)
2004/01/12
 いっせい翁

昭和20年8月15日、毎日のように本土空襲に向かうB29爆撃機の編隊が突然上空に現れなくなった。防空壕から空を見ると静寂な青。・・・敗戦。その数日後、天気の良い日には朝鮮半島もかすかに見える水平線上に、軍港佐世保へ向かう、ネズミ色のマッチ箱をずらっと並べたような米第七艦隊の船影を見て腰を抜かした覚えがあります。オヤジは南方の激戦地から奇跡的に復員、叔父は終戦の3日後に満州に攻めこんできたソ連軍にやられ戦死。靖国神社に祀られているのかどうか知らない。

時の首相の靖国神社参拝に、アジア諸国の反発があるのは、アジア侵略の戦犯が合祀されているからでしょう。又中にはひどい兵隊もいたでしょう。その戦犯たちの極東軍事裁判の古い映像を見るたびに、彼らの弁明が、それでも開戦に賛成した一員かと怒鳴りつけたくなるような言い草だ。「私達が気がついた時にはもう開戦一色で、流れがそうなっていた。したがって開戦時の閣僚の一員とういうだけで有罪というのは不当だ、私は無罪である」と。この限りなく軽い責任感で何時の時代も戦争をされてしまう。

靖国神社も1年前、一般英霊を誰でも慰霊できるように別に国立墓地を建設しようと、官房長官が発案された。しかし2、3日前の報道ではこの案はなくなったと小さく報道されただけ。そして、今回の自衛隊イラク派兵に関連して自衛隊幹部は、隊員が死亡した時の名誉を国はどう扱ってくれるのか、政府に問い質している。しかし現行憲法では当然、戦死という概念はないから、まさか靖国神社という訳にはいかない、国の為に貢献し殉職した国民を慰霊する墓地の建設も立ち消え、やむなく防衛庁では6億円の費用で既に市ガ谷の敷地内にメモリアルゾーンを建設したとか。

何もかも中途半端で、継ぎ接ぎだらけのまま既成事実を作り突っ走る政府与党。アメリカは空自だけでは納得しないから、公明党も陸自派兵に賛成してくれと・・ここには人道支援などという気持ちは形だけで、要するに自民党政府と公明党の都合だけ。

憲法上の主権者国民が、猛烈に反対もせず、人道支援には軍隊が必要であると、多数の国民が支持したのだから、仕方ないか・・・



ちゃんと死後のことも考えてくださっているということは、自衛隊員にそういう可能性があるということは承知の上ということですね。大多数の国民は、そこまで、政府や自衛隊が腹をくくっているということに、多分何も考えていないのではないでしょうか?そこら辺がすごく怖いんですけど・・・「私は知らなかった」ではすまないことが起こりそうな気配なのに・・・




No.27

戦争の思い出・靖国神社・憲法
2004/01/10
 いっせい翁

昨日投稿の後当掲示板の、ゆきや様のご意見に気付き、拝読。昭和1桁のお生まれですと、私は2桁の最初の方ですから、人生の先輩です。

私は戦争中疎開に次ぐ疎開で、しかも空襲を逃れて逃げた方向が悪く、九州の離島まで逃げ延びましたが、終戦は国民学校3年。ゆきや様はご年齢からして、動員などもっと経験されたと推察します。私などまだ何が何だか訳の分からぬ年齢ですから、少年時代の戦争体験は骨身にしみます。本土から民間のボロ商船に乗せられて、船長が米潜水艦を避けるために、冬の東シナ海をジグザグに30時間、もう吐くものがなくなって、最後は内臓が全部出てくるような気がする目に会いました。

「朕おもうに我が皇祖皇宗くにをはじむることこうえんに・・・」・・扉が閉まったままの奉安殿に、中に何が入っているのだろうかと、子供の好奇心もあって、ただただお経をあげるみたいに教育勅語を唱えたものです。それが終わると、板の間の講堂に長時間座らされて、校長の軍人勅語の解説が続き、冬など赤ギレは痛いは、オッシコはしたいは、で、このつらい場を逃れつまみ出してもらうには、これしかないと思って一計を案じ、座ったまま垂れてやりました。運悪く床が少し傾いていたものですから、派遣されていた軍事教官の足元にゆっくり流れて行きやがった。これは良いテロか普通のテロかどちらかでしょう。今もって悪いテロであったとは思っておりません。怒りまくった教官に、先が割れた竹の棒で手を叩かれた痛みと、もうガラスなどなかった講堂に吹き込んでくる寒風の中で、夜中まで立たされた苦痛は未だに体感として残っております。

戦争の思い出は長くなりますので、少しづつ分けるとして、戦争、軍隊となると、どうしてもこの少年の原体験が顔を出してきます。

それにしても、僅か数時間サマワに行って、自衛隊派兵OKとは、公明党婦人部も何を考えているのか・・小泉首相も何で、中国・韓国の目先をはぐらかし、日程を目くらましさせてまで、戦犯合祀の靖国神社へ行くのか、こんなやり方で英霊は喜ぶのでしょうか・・憲法改正の動きが出てきたことと無縁とは思えない。



とうとう、派遣命令が出てしまいましたね。「自衛隊ならやれる」って、何をやらせるおつもりなんでしょうか、小泉さんは。英米の食糧の移送かなんからしいけど人道支援ってどこの国のため?どこの国民の人道?ため息をつきつつ見守るよりしょうがないですね。日本が戦争に巻き込まれることのないように!!イラク国民が安心できる暮らしが営めますように!!自衛隊の留守家族の方もご心配でしょう。無事の帰宅を祈ります。

それにしても、おしっこテロとは・・・ご幼少の頃からいっせい翁らしい・・・(*^。^*)




No.26

イラク問題・戦争は終わらない。
 いっせい翁
2004/01/07

謹賀新年

もう七草かゆの日も過ぎて、目の前に浮世の問題が次々に押し寄せてきた。年末に、社会の風景が一挙に変わってしまった感じを受け、一つは自衛隊派兵(もう派遣ではなく派兵です)、も一つは道路公団民営化が、ひどい抜け穴仕組みを巧妙に作って、元通り族議員と官僚の手でどうにでもなるようにしてしまった。

更に年明け早々小泉首相は、今度は郵便局を国民への更なるサービス機関として改革すると、道路問題で馬脚を出しておきながら、よくものうのうとこんなことが言えるなと、国民は完全にバカにされての年明けだ。哲学者梅原猛先生、大江健三郎先生の言葉を借りるまでもなく、哲学なき御仁によって、下手すると国を目茶苦茶にされてしまう不安が出てきた。

「たわむれに国を背負いて鶏は三歩歩いて初心を忘れ」もうはっきり言っていい時期だと思う。所詮スローガンの人であった。単純に正義漢を演出していただけであったと。

イラクはもう、戦争と平和といった根源的な模索を通り越して、わが国の自衛隊派兵を含め、既成事実だけがどんどん進行している。米国のバグダット大使館再開には、史上空前の3000人の館員を配置するという。民主化という名のもとに、アラブ諸国の石油機構OPECの解体とカスピ海に眠る膨大な石油資源の開発に地盤を築く意図はもう丸見え。

中近東は何千年にわたる宗教・民族的な戦いと、近代になって西洋列強の都合でひっかき回され、子供たちは生まれた時から戦争しか知らない。方や、戦争を知らない世代が増えてきた日本。戦争しか知らない子供たちは、身を守るには武器しかないと思って育ち、戦争を知らない子供たちも又、人道支援には武器が必要と考え、自衛隊派兵に賛同して行くのか・・・

サル年に当たり、誰かが言った言葉が思い出される。「所詮人間は、戦争をするサルだ」と・・・



おめでとうございます、と喜んでもいられないか。生まれたときから戦争しか知らない子供たち。命を捨てて爆弾と化してもそれをすら幸せと感じてしまうかもしれない子どもたち。大学を出ても永久就職なんてないだろうにいまだ受験戦争に追いやられる本当の戦争を知らない子どもたち。どっちも可哀想だなあ。

人間が戦争をさける知恵を持つサルであって欲しいと痛切に願っています。




No.25

明けましておめでとうございます。
 ゆきや
2004/01/04

昨年の暮れ小泉自民公明政権は、ついに憲法を徹底的に無視いたしました。「右手(めて)に日の丸左手(ゆんで)に賄賂(わいろ)・・・・」の政治屋群が、この憲法を蹂躙し続けて五十年今やこれを破壊しようとさえしています。戦争の加害者であり、被害者でもある私達昭和一桁世代は、努めて、この崇高な憲法を子孫に残さなければなりません。・・・残されし時幾許か古希過ぎていざ守りなん昭和憲法・

私には「テロ」をまったく否定することができません。

昔、「よい子・悪い子・普通の子」というテレビ番組がありました。私は、「よいテロ・悪いテロ・普通のテロ」というものがあってもおかしくない世界情勢だと、常々思ってきました。

クラスの「番長」がジャックナイフを持って登校し、いじめられっ子達がそれを持つことを禁じるなんて全く滑稽ですし、滑稽なんていっていられない・・・つまり弱者にとっては、「神をも恐れない『不正義』」以外のなにものでもないと思います。

世界の強国が「俺たちは原爆を持ってもいいが、おめー達にゃあ不要のものだ!」そう言っているのです。こんな馬鹿なことを日本政府がアメリカに尻尾を振ってそれも恥ずかしいくらい、千切れるほど振ってこの理屈を支持するわけですから一億総白痴でない限り、変に思う日本人が居るのは当然ではないでしょうか?.いったいテロってなんなのか?よその国の政府を倒したり、自分の国に都合の悪い政権や政治家を殺したり、殺させたりしていることがテロなら「アメリカこそ最大のテロ実行国だ」ということは、ここ数十年の歴史を見れば全くその通りだと言えそうです。イギリスのデモ隊のプラカードにもありました。

「テロ」という言葉だけに惑わされない日本人を私は増やしたいのです。それがおこがましければ、是非とも増えていただきたいのです。

今年の大河ドラマ「新撰組」はテロリスト集団だし、「忠臣蔵」だってあの時代で見れば「テロ行為」であったはずです。天草四郎も大塩平八郎も、時の権力者から見れば、すべて「立派な?テロリスト」だったと私は思うのです。それなのに、これらの物語が、「文化を構成するまでに」国民から承認されている現象は、いったいなんなのでしょう。それは、後世から見れば、それぞれの行動に、理解すべき理屈と、同情すべき事情があったからではないのでしょうか。

私が、「よいテロ・悪いテロ・普通のテロ」などという表現を使うのには、それなりの理由があってのことだ、とご理解いただけませんか?

教育基本法も今風前の灯、憲法もいまや踏みにじられっぱなし、こんな政府は今までになかった・・・と。いろいろ書きたいですが、今日はこの辺で失礼します。

2月ですか、辻元さんの判決が限りなく軽いことを祈ります。そして貴方の就職のご成功を祈ります。



おめでとうございます。

昨年は、大きな所でも、身近な所でもファッショが台頭してきたなあという想いでした。「力のあるものが勝ち」という図式を、今年は少しず崩してていけたらと思っております。

この掲示板でも書かれているように、貿易センタービルへのテロを私自身は認めはしません。あそこで犠牲になったのは一般庶民ですから・・・ただ、標的になったのはそれなりの理由があります。アメリカの商業的シンボルが狙われたということは、アメリカの巨大資本の第3世界への侵略が怒りを買ったのです。

その辺への批判が今読んでいるアルンダティ・ロイの「帝国を壊すために」に詳しく書かれています。私は戦争も嫌です。テロも嫌です。そこで巻き添えで死ぬ人たちのことを考えたら、良いテロなどあろうはずもありません。「正義」を振りかざす人も嫌いです。100%の正義などないのに・・・でも、ゆきやさんのおっしゃろうとしていることはわかります。今や日本では、アメリカの「正義」に乗っかっていますから・・・それに対する抗議として、この伝言板に載せさせていただきました。「こういう意見もあるんだよ」ということが、日本政府およびその方たちに投票した人へぜひ知って欲しいからです。

この掲示板を、これからもご自分の意見の発表場所として、ぜひご利用ください。




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