2010.01.17(水) 黒檜山 赤城山


 大寒のこの日、山は晴れて風もなく暖かかった。昨年の正月は腰痛で山に登れなかったが、今年は何とか登れそう。一人で赤城山に向かう。

 コース:黒檜山登山口10:40→山頂12:25-13:20(北端の崖の上で展望を楽しみ、南端の赤鳥居の前で食事)→黒檜山登山口14:05 (所要時間3時間25分)

 登山口まで車道にほとんど残雪はなく乾いていた。登山口から先の赤城道路は閉鎖されている。
黒檜山山頂  標高差約465m


 1月2日は冷えて風が強く、霧氷で全山真っ白だった黒檜山も、今日は木々の間から残雪がわずかに透けて見える程度で、冬山の厳しい表情は全くない。大沼はやっと全面凍結して、湖上でのワカサギの穴釣りが解禁になり、青木旅館の前も、赤城神社の北側の駐車場も、釣り客の車でいっぱいである。
 登山口の駐車場は約10台の車が停めてあった。早速準備して登り始める。何時ものことだが猫岩の尾根までの出だしの登りがつらい。足は重いし、ゆっくり歩いているつもりなのに、息は切れるし心臓ばくばくである。先に登った人達が踏み固めたくれたおかげで、残雪は程よくしまっていてアイゼンで気持ちよく歩ける。
登山口付近


 猫岩の下部の尾根で一息つく。見下ろすと湖面のあちこちにテントの花が咲いている。しかし写真に撮ってみると黒いゴマ粒のようなものしか映っていなかった。イメージ違うなあ。
 また身体と相談しながらゆっくり登る。やっと猫岩の上部に出て、傾斜が緩んでホッとして見上げると、木の間を通して山頂が見える。まるで壁のよう。簡単には登らせてやらないよ、と言われているようで、ちょっと恨めしい。が、だから黒檜山が好きなんだろうな。
山頂までもう一登り


 以前、崖際に雪庇が発達し、崖沿いの灌木が雪の重さで垂れ下がって歩きにくい場所があった。楽に歩ける雪庇の上は踏み抜きそうで怖いし、内側は灌木が邪魔をするというわけである。今回は雪が少なく雪庇も発達していないせいもあって、そんな場所はどこにもなかった。帰りに注意しながら歩いたら、崖際の灌木は根元からさっぱり切り払われていた。冬も登る人が増えて安全に配慮されたのだろう。しかし冬の黒檜山の印象がひとつ減ったことも確か。山登りに限らず楽しみごとは安全でなければならないが、もともと矛盾していることが多いようだ。
崖際の道


 勾配がきつくなると、リュージュコースみたいに抉られた、うねうねの急な長い深い溝のなかを登る。このリュージュコースも年々立派になっていくんだろうなあ。途中一旦勾配が緩んで消えるが、その上にも続いている。下って来た同年輩の男性一人に会う。
リュージュコースみたいな・・・


 いつもなら霧氷がきれいな白樺の林を抜けると、勾配が少し緩んで、やがて山頂稜線の分岐の標識が見えてくる。一番うれしく、やれやれという感じだ。山頂稜線は雪に埋まって歩きやすく、すく山頂に出る。ご夫婦が一組下ろうとしているところだった。
山頂稜線の分岐が見えた。


山頂 山頂と日光の山々


 山頂稜線の北端には思いっきり気分のいい展望が広がっている。西から南側はもやっていた。
山頂の展望


毎度おなじみの谷川岳 新しいウサギの足跡
なぜよりによって山頂稜線なんだろう


   稜線南端の赤城大神にご挨拶して、地蔵岳を眺めながらポットの紅茶とおむすびで昼食。富士山がぼんやり見えた。食事中に吉岡から来たという同年輩の男性二人組がやって来た。記念写真のシャッターを押してあげて、お煎餅を二枚貰ってしまった。
 赤城大神の鳥居    


 今日は黒檜山だけのつもりで来たが、雪は少なくよく踏まれているので、駒が岳に回ってみようかな、という誘惑が頭を持ち上げたが、自制、自制、自制ばかりでこの歳まで何とか生きてきた。 来た道を下る。


   
 来た道を下る    小鳥ヶ島の赤城神社



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