05.06.22(WED) | 天狗岳 | 北八ヶ岳 |
先月大菩薩峠を歩いた山歩きの仲間、NさんOさんに、新たに加わったHさんの4人で北八ヶ岳の天狗岳に出かけた。Hさんはやはり現役の頃、ことあるごとにお世話になった大幹部のお一人で、Oさんとは囲碁の仲間でもある。 |
コース:渋御殿湯駐車場8:10→渋の湯分岐9:10→唐沢鉱泉分岐9:45→黒百合ヒュッテ10:35→中山峠10:45→スリバチ池分岐11:45→東天狗岳山頂12:00-12:30→スリバチ池分岐12:45→スリバチ池13:30-1345→黒百合ヒュッテ14:00-14:30→唐沢鉱泉分岐15:10→渋温泉分岐15:25→渋御殿湯16:15 (所要時間8時間05分) 国道299号渋川入口から渋川温泉を経て、渋御殿湯駐車場に至る道は、全部舗装路で特に走り難い所はない。 駐車場:渋御殿湯駐車場は20〜30台程度駐車可能。有料一日1000円。水洗トイレあり。この日行きも帰りも我々の車しかなかった。 |
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天狗岳山頂(って書いてあるよね) 何にも見えないよ! |
雨ん中歩くのって楽しいと思う?。山歩きを始めた頃、自信が無かったので晴れた日以外は歩かないこと決めた。前橋に住んで近郊の山の日帰り登山なら、車で行けばこれは可能である。それ以来ずっとそれを守って来たので、私のHPは青い空と白い雲がトレードマークのように並んでいる。かなり以前、やはりアウトドアが好きだった会社の同僚から、”泥人形じゃないんだから濡れたって溶けないよ。雨ん中はそれはそれでいいもんだよ”と言われたことがある。ミュージカルじゃあるまいし、雨ん中歩いて何が楽しい、と思ったが、その言葉は心に引っ掛かっていた。 |
渋御殿湯の受付で駐車料を払って駐車カードを貰い、駐車場に車を入れて空模様を見ながら準備する。降られる可能性が高いのでロングスパッツとザックカバーは付けて歩く。ザックカバーは、もう古びてきて買い替えを考えているザックを買って以来、初めての装着である。 登山口の橋を渡ってすぐ、岩だらけの歩きにくい道を登る。ちょうど一時間で尾根に出る。さらに40分程、コメツガやダケカンバの森の尾根を登り、10mほど崖を下ると唐沢鉱泉への分岐に着く。マイズルソウが僅かに咲いているが、ゴゼンタチバナはたくさん有っても花はまだのようである。 |
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渋御殿湯:微妙な空模様の中の出発 |
この辺りからは林に囲まれた涸れ沢を登る。ここが増水していたら大変だなと心配していたが、この岩だらけの沢を水が流れるのはよっぽど降った時だけのようである。要所には網目の鉄板を張った橋があり、一瞬も目を離せない岩だらけの道を歩いていると、鉄板の平らな道が如何に歩き易いか良く分かる。岩は濡れていても蛇紋岩のような滑りやすい岩ではなく、フリクションが良く効いて助かった。 |
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黒百合ヒュッテ |
更に小一時間で黒百合ヒュッテ到着。外には誰も居ない。ヒュッテそのものより新しくて立派な、有料トイレを使わせてもらう。外でしばし休憩して中山峠に向う。中山峠を過ぎてから、断崖沿いの標高差200mほどが、いかにも山登りという感じの登りで、かなりきつい。霧雨がたまに来るので雨具の上着だけ着たり脱いだりしたが、歩くのに問題になるような雨ではなかった。しかし展望はまったく効かない。 |
ミネザクラ | コイワカガミ |
中山峠より上ではコイワカガミがちょうどいいらしく、たくさん咲いていた。普段ならコイワカガミだけで10〜20枚くらいは写真を撮ってしまうところだが、今日は霧雨で条件は悪いし、皆のペースを乱すわけにも行かないので、申し訳程度に2〜3枚とって我慢する。後はアカモノとミネザクラ位だろうか。クロユリは茎が伸びているがまだ花はつけていない。花芽もまだ見え無いからあと2〜3週間は後だろうか。 |
ゾッとする様な崖の縁を登る | 鎖場 |
視界がせいぜい50m程度だから先も良く見えないし、どの辺を歩いているのかもつかみずらい。下から見るとピークのように見えるところを2,3度越え、天狗の奥庭への分岐を過ぎ、ぼんやり見えるピークを巻いて急登を越える。 |
そして予定通り12時ちょうどに山頂。かなり悪条件だったが初参加のHさんを含め皆んな元気で満足そう。無事登頂を祝う。展望はまるっきり無い。 一休みして奥蓼科温泉保科館で用意してもらった、おにぎりを食べる。久し振りに大きめの、しっかり握られた丸い美味しいおにぎりをほうばる。母のおにぎりを思い出す。一緒に入れてくれたたくあんも、ゆで卵も美味しかった。二つ入っていたが、一つでお腹が一杯になってしまうのが悲しい。 食事も終わる頃、傘を差したり雨具を着た4〜5人のグループが登ってきた。麦草峠から歩き始めて、今日は硫黄岳まで縦走するという。12時30分入れ替わりに下山を開始する。 |
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山頂でおにぎりをほうばる |
下山 | 天狗の鼻・東天狗・西天狗 |
天狗の奥庭への分岐からスリバチ池経由で黒百合ヒュッテへ向う。岩だらけというか、大きなガラガラした岩しかない道を下る。 ペンキの目印は多いが濡れた岩の踏跡は見えづらく、視界が狭いので、道を探しながら下る。雨が少し来て、面倒なので雨具を付けなかったズボンが濡れたが、特に冷たくも寒くも無かった。黒百合ヒュッテの真上に出るはずだが、ぼんやり見える稜線の、あれを越えれば見えるはずが二度ほど期待を裏切られる。 そのとき突然視界が開け、なんと一瞬天狗岳が見えた。上の写真よりはずっと奥行きも高度感もあって、”やあ、あそこまで登ったんだ”と言う感慨がわく。我々の登ったピークは天狗岳山頂とは書いてあったが、どう見ても東天狗岳で、6mほど高い西天狗岳の山頂までは行ってなかったのは確かなようだ。またしても残念。Hさん曰く、”そんなこと俺は知らないよ。見えなきゃよかったのに”。ご尤も。眼の下にスリバチ池が見えた。 |
スリバチ池を回りこむと黒百合ヒュッテの上に出た。ヒュッテの前で派手な雨具を着た15〜16人の一団が大きなテントを張っている。我々が到着した時、その一団が訓練登山だろうか、ザックは持たずスリバチ池に向って登り始める所だった。雨具をきっちり着込み、ヘルメットをつけ、重そうなロープをたすき掛けの人も居る。ほとんどはハーネスを付けて岩登りの金具をジャラジャラさせている。かなり蒸暑かったろうが皆若々しくてかっこよかった。女性も二人居たそうである。私はまったく気が付かなかった。テレビクルーが二人付いていて、聞いてみたら機動隊の取材で同行しているとのことだった。 彼らが見えなくなると、黒百合ヒュッテの前は又誰も居なくなり、我々はヒュッテでコーヒーを入れてもらって、ゆっくり登頂後の休息を楽しんだ。 |
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訓練登山に出かける機動隊員 |
途中3度ほど休んで来た道を下り(流石に疲れて皆さん無口でした。)4時過ぎに渋御殿湯帰着。皆大したダメージも無く元気でいい顔をしていました。昨日の夜は僕は11時には寝ましたが、HさんとOさんは、1時過ぎまで碁打ってたそうですよ。よくまあ天狗さんの罰が当たらなかったもんだと安堵しました。 渋御殿湯に聞いたら日帰り温泉は3時までとのことで、ここでの入湯をあきらめ、車を一台預けてあった保科館まで戻ったら、気持よく入湯させて貰えました。しかも只で。 |
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黒百合ヒュッテまで下りてまずは一安心 |
7月に梅雨が開けたら、NさんとOさんは北岳に行くというので、今回は少し歩きでのある山にしました。その上天気が今一で、常に濡れた岩だらけの道を歩くことになり、初めて参加のHさんには気の毒でした。 しかしHさん、「岩の多い急斜面と雨の難関的なところが、楽しさを倍増させてくれたのではないかと思う。”天気に恵まれてきれいだったよ”と言うより"雨で岩だらけの道は滑って、八ケ岳の天狗岳は結構難しかったよ”と言う方が、初めての山の感想としては格好いい。」と後でメールをくれました。ありがとう。お疲れ様でした。 |
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渋御殿湯前で:お疲れさま |
さて、雨ん中歩くのって楽しいと思う?答えは様々でしょうね。ラクが楽しいなら誰も山には行かない。山歩きは困難な方が楽しいという面がありますね。程々にね。でも今度雨の中を歩くなら、もっと道のいい、新緑の唐松林かなんかを歩きたいなあ。ほどよい雨の日を選んで奥日光にでも出かけて見ましょうか。 |
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