05.05.10(TUE) | 大菩薩嶺 | 山梨県 |
前日は昇仙峡を歩いた後、石和温泉に一泊、翌日、上日川峠から大菩薩嶺・大菩薩峠を歩いた。運良く期待通りに富士山が顔を見せ、天候も穏やかで楽しい山歩きが出来た。 |
コース:上日川峠第3駐車場→ロッジ長兵衛9:30→福ちゃん荘9:50-9:55→雷岩11:00→大菩薩嶺山頂11:10-11:25→賽の河原(旧峠)11:55→大菩薩峠(介山荘)12:10-12:55→福ちゃん荘13:30→ロッジ長兵衛13:50→駐車場 (所要時間4時間20分) 上日川峠へは青梅街道裂石から林道に入った。狭い所もあるが舗装された林道である。ガイドブックによっては福ちゃん荘前の駐車場も一般使用可能とあるが、実際は福ちゃん荘の宿泊者しか使わせてもらえないようだ。 駐車場:上日川峠のロッジ長兵衛に近い所から第1、第2、第3駐車場まである。 |
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大菩薩峠・中山介山文学碑 |
中山介山の大菩薩峠なんて読んだことはない(威張るな)。読んだことはないが中山介山、大菩薩峠、机龍之介と並べるだけで、その名前の持つ雰囲気とかっこよさにイメージは限りなくふくらみ、何か読んだような気持ちにさせられてしまう。深田久弥の日本百名山と言う”文学作品”も、本は持っているが頭から読み通したことはない。この二つの文学作品によって、大菩薩峠、大菩薩嶺は他の山に無い不思議な魅力をまとい人気の山になった。賽の河原の荒涼とした風景や、笹原の尾根、その尾根から見える富士の姿もまた、必須の舞台装置なのだろう。 |
唐松尾根の登山口福ちゃん荘は、三十何年か前の冬、赤軍派が軍事訓練に結集して、大捕り物が行われた舞台でもある。唐松尾根をもつれるように楽しげに登る若いカップルには、風化した化石のように昔の、係わりのないことに違いない。 この日福ちゃん荘の前には青いユニホームを着た10人ほどの年配の人たちがおり、富士見山荘への道を登って行ったが、他にはあまり登る人は居ないようだった。 |
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福ちゃん荘 |
唐松尾根の道 | 最後の急登 |
唐松尾根は人気のあるコースで歩かれている割には荒れておらず歩きいい。笹原に出て視界が良くなると富士山が見える。少し登ると視界が変わってつい何枚も富士山の写真を撮ってしまう。最後の笹原が少しきついが一登りで雷岩に出る。雷岩は尾根の上の大きな露岩で展望がよくひと休みにちょうど良い。 |
唐松尾根上部からの富士山 左側に昨年三人で登った三ツ峠が見える。 今更ながら富士山の大きさに感じ入る。 |
雷岩の上でバンザイ |
大菩薩嶺山頂の特等席 | 神部岩の富士山 |
雷岩から10分で大菩薩嶺山頂、なだらかな広い山頂だが視界はない。ひと休みして来た道を戻り、雷岩から神部岩、妙見の頭、賽の河原、親不知の頭と、南アルプスから金峰山まで見える展望の良いなだらかな笹原の尾根のアップダウンを繰り返して、約50分で大菩薩峠着。介山荘前で昼食にして、休憩所で入れてもらったコーヒーをゆっくり楽しんで下ってきた。介山荘前には20人前後のツアーの団体さんがいたが、それを除けば他の登山者はほとんど居なかった。介山荘も車で補給のきく山小屋で、ラーメン等食事も出してくれるようなので、おにぎりを持たずに出かけても昼食に困るようなことはなさそうである。 |
賽の河原(旧峠)と避難小屋 | 親不知の頭から大菩薩峠介山荘 |
帰路の途中に今は使われていない勝縁荘という山小屋が残されている。昭和初期のものというが、山小屋と言うより山荘と言うにふさわしい本格建築である。中山介山もこの山荘で執筆したそうだが、ネットで検索してみると、当時の勝縁荘主人は、現在の介山荘の主人の祖父に当たる益田勝俊さんと言う方で、樋口一葉の研究家でもあったらしい。大正デモクラシーから昭和初期にかけて、日本の古きよき時代の経済力と、文化人のありようを彷彿させるものがある。 | ||
勝縁荘 |
蛇足だが、深田久弥は大正12年5月に、学校の旅行部の人たちと、未明に初鹿野で下車し、嵯峨塩鉱泉から雁が腹摺・小金沢山を経て(今この道はないようだ)、大菩薩峠に達し、峠から(裂石の)雲峰寺へ下ったときは暗くなっていた、と書いている。古い話で記憶は茫としているが、とことわっているのでそれ以上のことは分からないが、大雑把に標高差1300m、距離22km、コースタイム11時間位である。ちょうど今の季節だから午前4時頃から午後7時頃まで、15時間くらい掛けて歩いたのだろう。当時の山登りとはそう言うものだったのだろうが、さすがに良く頑張っている。 |
立寄り湯:残念ながら「大菩薩の湯」が定休日で、裂石登山口の民宿「ひがし荘」で入湯した。 民宿のお風呂(温泉ではない)なので一度に3人が限度。 汗を流してさっぱりと生き返って帰りのドライブに備えた。 |
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参考:裂石登山口15:00⇒道の駅みとみ15:50⇒道の駅ちちぶ17:00⇒高崎IC18:00