04.05.11(TUE) | 荒山 | 赤城山 |
妻はフォークダンスのお仲間とランチとお茶を楽しむらしい。きり絵か山か考えたが天気はそれほど持たないようなので、歩ける時に歩いておこうと赤城山へ出かけた。今年まだ一度も登ってない地蔵と長七郎に行って赤城大明神に義理を果たし、ミツバツツジとムシカリの様子でも見て来ようと思ったが、朝はよく見えていた赤城山は、出かける頃になると谷川岳のほうから気になる雲が押し寄せ、黒檜山あたりは雲をかぶっている。手前でまだ陽の当たっている荒山に予定変更した。それにしても榛名山は雲ひとつなく新緑のディテールが良く見えている。 | |
コース:箕輪駐車場10:50→荒山・荒山高原分岐11:05→荒山の尾根11:55→荒山山頂12:45-13:10→避難小屋13:30→荒山高原14:05→駐車場14:30 (所要時間3時間40分) 荒山高原を経由せずに直接荒山の登山道の途中に抜ける道は、駐車場と荒山高原の中間付近の大きな道標の後ろにある。道標に案内が無いがなく、出だしがちょっときついが整備されたよい道である。荒山高原へ行く道よりミツバツツジがずっと多い。 箕輪の駐車場(姫百合駐車場と言うんだそうですね):荒山・鍋割山に登る起点で赤城道路に面していて、便利で利用者も多い赤城山の玄関口の駐車場なので、トイレはそろそろ新しくしたいですね。駐車場の可愛い名前が泣いてるよ。 |
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鍋割山とミツバツツジ |
下から見ると荒山山頂近くの崖が赤い。アカヤシオがまだ残っているようだ。じゃあミツバツツジには少し早いかななどと思いながら歩き始める。途中の分岐点で荒山高原を経由せず直接荒山登山道の途中に抜ける道を選ぶ。この道はここ何年と歩いたことが無い。案内も無いが今どんな様子だろうということもあったがアカヤシオの方に引き寄せられたのかもしれない。 | |
風が強い。梢がジェット機でも飛んでいるように鳴っている。ちょっと息が切れる急登を少し登ると見頃のミツバツツジがぽつぽつ現れる。小さな尾根の上に出て一息ついて更に登ると、森の中に大きなミツバツツジが何本か有って思わずふらふらと吸い寄せられる。 ここで寄り道していたらダブルストックのかなり高齢の親父さんと一緒になる。お話しながらゆっくり登ると登山道間近にミツバツツジがどんどん増えてくる。ただまだ大きくふくらんだつぼみだったのは残念。今週末から日曜日でしょうね、きっと。ちょっと天気予報が気になるけど保証付き。 荒山の尾根に抜けて一休み。小さなハルリンドウが肩を寄せ合って風にふるえていた。 |
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荒山のミツバツツジ:この土日最高だと思います。 |
鹿の食害:袈裟丸山でも目立ちましたが日光から始まった鹿の食害、とうとう赤城山でも目立つようになりました。昨年までは登山道沿いでは見られなかったと思うんですが。この問題どうすればいいんでしょうね。 | ||||
ハルリンドウ |
少し登って視界が開けてくると隣の尾根にはアカヤシオがたくさん咲いているのが見える。白い花も混じっていて、双眼鏡で確認してもシロヤシオかムシカリか良く分からない。シロヤシオのように密集したのもあればムシカリっぽいのもある。荒山の登山道にアカヤシオが残ってなかったら、けもの道を辿って隣の尾根に渡って見ようかななどと思いながら登る。 荒山山頂直下の急登を登り始めたら、こちらの尾根にも結構残っているのが分かって安心する。勿論けもの道探検は取りやめ。昼寝の熊さんの安眠は妨害すべきでない。 |
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荒山のアカヤシオ |
山頂には女性二人と男性一人の先客が居た。山頂と北側の崖のアカヤシオはほとんど散ってしまって、一緒に登った親父さんの話だと先週に比べ半分だと言う。西側の崖はまだ見応えがあるが、アカヤシオの季節の終わりを実感する。次はミツバツツジが咲き、もうつぼみを膨らませているヤマツツジやサラサドウダンが荒山の山肌を駆け登って来る。ここしばらく荒山の賑わいは続く。 山頂からの帰りは避難小屋側へ下る。途中の崖の上から見下ろすと赤城温泉が見え、その沢の上流の垂直の岩壁の下から八丁峠へ抜ける林道の尾根まで、山肌がミツバツツジの薄いピンクに染められている。特に岩壁の下などかなり密度の濃い所もある。”このあたり元々ミツバツツジが多いんだ。” |
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荒山のアカヤシオ |
静かな荒山の東面を回って南面へ出てくると、森林公園からの道に合流する手前にひときわ華やかに咲いているミツバツツジがある。これはこのあたりが造園された時に植えられた園芸種でしょうね。 荒山高原には3人のハイカーが居た。多分山頂で一緒になった3人組でしょう。駐車場へ下り始めると登山道に白いビニールの荷造りテープが張り渡してある。カタクリの自生地を守りましょうと言う張り紙もある。そうここはカタクリの自生地なんですね。この荒れ果ててしまった登山道にはレンゲショウマも咲くんです。カタクリが復活したらヒメギフチョウも帰ってくるかもしれませんね。誰かが行動を起こしたんですね。この公園の管理者にお願いします。この急坂の道ほっておくと際限なく広がり、何本でも道が増えてしまいます(もう十分広がり、増えています)。ここらで登る道を決めて整備してください。 テープを張った方、どうかテープが風に飛ばされる前には片付けてください。 |
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荒山南面のミツバツツジ、園芸種? |
登る前、駐車場で隣に止めていた同年輩か少し歳上に見える親父さんに挨拶したら、”山かい花かい”と声を掛けられた。赤城に咲くすべての花を図鑑のように写真にしょうと頑張っているとのこと。この辺には花は咲いてないなと言う。荒山のてっぺん近くの崖が赤いのでアカヤシオが咲いてますよ、と言ったら、”アカヤシオはもう”とのこと。すぐ下の「ふれあいの森公園」にヒトリシズカや草ボケ、ウスバサイシンの花が咲いてますよ、と言ったら”もうみんな撮った”とのこと。となるとかなりの珍種、希少種の領域に来ているらしい。 この親父さんの話では昔の赤城に比べて何が減ったって鳥がいちばん減ったという。昔は今頃の森に来れば”少し静かにしろ”と怒鳴りたいほど鳥が鳴いていたそうである。そういえばここは鳥がほとんど鳴いていない。赤城山も道路や別荘地や公園など開発やりたい放題だからと言ったら、そればかりじゃないという。中国や東南アジアの開発もすごくて渡る鳥がどんどん減ってるとのこと。さも有りなんと思う。僕も冬場は群馬の森で散歩がてら鳥を見てるんですよと言ったら、”あすこはカラスばかりだろう”とバカにされてしまった。 いずれにしろ地球規模で種の崩壊が始まっている。勿論原因はカラス以上に増えた人類だ。人類の英知というやつを信じたいがそれを裏切る具体例はごまんと有っても、信じるに足る証拠も確信も無い。つらい事だが明日のことは明日考えることにして今日は寝てしまおう。たとえ全世界の種と言う種が全滅したところで数千万年も経てば次の人類が同じことを悩んでいるだろう。地球のタイムスケールで考えれば何てことも無い。 |
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