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「人間という名の細胞」 (前編)                     2004.9.15


人間という生物を細胞と仮定しよう。

すると、
「地球」 が植物や昆虫・生物など沢山の種類の細胞で形成された

大きなひとつの生命体となる。

地球生命体の成長過程において、細胞(生物)もともに進化してきた。

最初は小さな細胞が海で生まれ、海から陸にあがり恐竜時代を経て、

現在の地球を支配しているのが人間という名の細胞である。

人間以外の生物は、地球生命の成長とともに共存し生きている、

地球にとって必要な細胞である。


では、地球にとって人間とは一体どんな細胞なのだろう?

人間は、山林を切り崩して鉱物を掘り、地下からも資源を取り出し、

人類の発展とともに地球環境を破壊して、

欲望にかられて無秩序に他種生物を破滅に追い込み、

さらに人間同士でも殺戮を繰り返し、そして地球の至る所に繁殖してしまった。

しかも、人間は地下エネルギーを大量に消費して、地球の長い歴史からみたら

ほんの僅かな期間で爆発的に増加した。


この人間の生態と進化の歴史を細胞に照らし合わせると、

正しく
「ガン細胞」 以外の何ものでもない。

人体にとってのガン細胞は、普通の細胞であったひとつの細胞が

特異的変異により、ある日突然、人体から沢山の栄養を吸収して

他の細胞や以前仲間だった細胞への攻撃を開始し、

短期間で爆発的に増殖し、臓器の機能を停止させ、人体を壊滅に追い込む。


このまま人間が、発展という名のもとに
「衰退への道」 を加速して歩み続け、

「私たち人間がガン細胞的な存在」 であるということを認めないでいると、

人間は地球生命体の寿命を縮め、それほど遠くないうちに共倒れするのだろう。


では、人間が地球にとってのガン細胞であるならば、

地球と共存していくための残された道はないのだろうか?

実は、ガン細胞の中でも
「ガンもどき」 と呼ばれる種類のガン細胞がある。

ガンもどきは悪性のガン細胞と何ら変わりないが、ある程度増殖したところで

突然成長を停止し、他部位へ転移もせず、自ら縮小していくのである。

ガンの詳しいメカニズムは今のところ解っていないが、

もしかしたらガンもどきは、自分たちがガン細胞であることを途中で悟り、

これ以上増殖し続けたら自らが生きていく場所を失うことを自覚した

賢い細胞群なのかも知れない。


手遅れにならないうちに、私たち人間がガン細胞であることに気づき、

ガンもどきのごとく自戒し、自ら地球崩壊を止めようとする日が来るのであろうか。


それとも、肥大した悪性腫瘍となり、地球生命とともに死滅の道を選ぶのであろうか。


はたまた、現在の地球上における権力支配のごとく、

それはガン細胞のアポトーシスのように、

ほんの一部の権力を握っているガン細胞が無駄にエネルギーを浪費する

ガン細胞を攻撃し死滅(侵略行為)させ、

権力を持ったガン細胞だけで生命体に攻撃を仕掛け、

少しでも長く生き延びようと努力していくのであろうか。


もしかしたら、宇宙という名の神様が、太陽系という大切な器官を守るため、

近いうちに人間というガン細胞をレーザー治療で死滅させに来るのかも知れない。


なんてことを考えていた、今日という日の思うこと。




続き → 人間という名の細胞 後編へ





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