栗は自分が好きなので作ってみることに、昔から日本にあるので栽培も楽かしらと思っていたのに現実はちがいました。始めのうちは栗林を借りてやっていたのですが本気で栽培して売るには問題が山積みだったのです。

(1)実に入る小さな害虫を農薬無しに防ぐ術がない。
(2)カミキリムシ被害がひどい。(←だいぶ深刻)
(3)クリタマバチの被害もけっこうひどい。ゾウムシも…
(4)見栄えの良いものを目指すなら実生でなくちゃんとした品種を栽培したないとダメ。
(5)悲しくなるくらい安い。
(6)台風に弱い…カミキリムシで弱ってると根元からもってかれます。
(7)知らない人が知らないうちに収穫していく。(←かなり深刻)
そんなこんなで栽培目的を「自分で植えて自分が食べる」に変えました。するとほーら栗を育てるって楽しいんです。特に栗拾いが。♡
そこで何気なしにクリをまいてみたらスクスク育ち、思いのほか良い実が成ったのが峰の太郎栗(長男)です。そして調子に乗ってまいたのが次郎〜五郎、同じネットの中のクリをまいたのに芽が出たらそれぞれハッパの形も大きさも枝の出かたも角度もちがうんです。栗は冬期の剪定をしっかりすれば、後は収穫前に木の下にネットを広げ落ちたイガから実を取り出すだけ。手のかからない作物です。ただカミキリムシが樹の中に入ってしまって数年で枯死してしまうので毎年将来の候補を育てておく必要があり、忘れずに拾った栗の中から大きくてよさそうな実を土に埋めます。春になると埋めた実から芽が出て秋まで育った幼木を冬になってから、近々のうちに枯れてしまいそうな気がする栗の木の下に穴を堀り植え付けます。そして着々と増えて現在は十四朗栗まで。そういうわけで栗が増えて来たので良い実が収穫出来た時だけこりずに販売することにしました。
しかし栗は調理が面倒くさいので今後も消費は頭打ちになろうかと予想されます。これ以上の増産は自分の首を締めることになりそうなので、少しの収穫で大きな実を目指しているのですが今の所小粒の実も沢山収穫できてしまいこの時期は栗でお腹がいっぱいです。新米の美味しい時期ですが縄文人のように毎日毎日栗尽くし、ゼイタクといえばゼイタクですが…。
ついでに苗木屋さんのカタログをみていたら、渋皮がポロンとむけて食べやすいという変わった栗の木を見つけました。白栗、来歴不明。とあります。「え!あの包丁でガリガリやらないと取れない渋皮がカンタンにですか?。しかも来歴不明!?」とてもロマンチック。これも自分で植えなきゃ食べれナイ。
ということで衝動買い。はるばる山形からいらっしゃいました。でも白栗はどうしてだか成長が悪いです。ハッパはものすごく大きく枝も太い品種のようです。注:今話題の「ぽろたん」ではありません。ぽろたんも魅力的ですが、病気にも害虫にも弱いみたい。それではウチではつくれない。・・・といっても白栗が強いかどうかは?。
…そしてついに収穫できた白栗はかなり変わった栗でした。イガのトゲが太くてあまり密生していません。枝の一箇所にイガが3コくらいぎゅうぎゅう付いて、イガは小さく、中の栗はほぼ1コ、栗が入ってないイガも多いです。栗の皮は黒に近い茶ですが銀白色の短いうぶ毛がビロードのように生えていて白っぽくみえるほど。形はまんまる、てっぺんにみごとなちょんまげ付き、座布団は小さくオマケ程度。そして白栗の売りである渋皮の取れやすさも手でペロンとむけるので合格、し・か・し…残念なことに味が…!?。