
ヘアリーベッチはをまいている畑はブルーベリー畑、いちじく畑、大豆畑です。
ブルーベリー畑のヘアリーベッチは場所によって元気だったり元気でなかったり。元気な所は春何度引きずり降ろしても執念深くブルーベリーによじ登り、より上の方で花を咲かせようと必死です。元気で無い所は同じヘアリーベッチとは思えないほどこぢんまりと一所にたたずんでささやかです。
いちじく畑のヘアリーベッチは毎年ものすごい大盛況です。地面からもくもくと沸き上がるかのように全てを覆い尽くし、其の中にいちじくが小島のように生えています。
大豆畑のヘアリーベッチはちんちくりんです。ここは何年まいても全く改善のきざしが伺えません。5cmくらいで成長がピタっと止まり、やや赤紫色になってしまいます。
どれもこのまま冬になると枯れるものが多く、枯れなかったものだけ春になるとなんとなく伸びてきます。同じ時期に同じように種まきしているのにこの差、奥が深いですねぇ。突き詰めるつもりはありませんが。
そしてヘアリーベッチの姿はカラスノエンドウに良く似ています。春先に大繁茂して畑をおおいつくすとまるでカラスノエンドウの大草原に言えます。がしかし注意深い人はその違いに気付き雑草ではないことを密かに認識してくれます。でも気付いてもらえなければ雑草にしか見えません、なんてかわいそうなヘアリーベッチ。
とはいえ当の本人達はそんなことはどうでもいいらしく、好きなように育ち、思う存分花を咲かせてその人生をおうかしているのです。
わたしはあなたたちのようになりたいのです。ヘアリーベッチ。
さてこのヘアリーベッチですが、マメ科の植物は大なり小なり地中のチッソ養分を増やしてくれる特性があります。
秋にタネをまくとすぐに芽が出ます。冬の間はゆっくりゆっくり育ちます。春になると突然もくもくと大きくなり畑いっぱいに広がった緑のマットのようになり、夏になると高温のため枯れてしまい、茶色のじゅうたんのようでやさしく土を覆います。そして雑草はそのマットにうもれてヒョロヒョロです。(写真:春、ヘアリーベッチの海に沈む芽吹き前のイチジクの図)
根っこには根粒菌がついて畑に栄養分を与えてくれます。枯れても地中に残ってチッソ養分になり、地上部は雑草が茂るのを防いでくれるのです。
当園のヘアリーベッチはまめっこです。その他のヘアリーベッチを試してみたことはないのでまめっこが特に良いかは分かりません。種まきは10a(100平方メートル、300坪)あたり冬まきで3〜4kg、春まきで4〜5kg必要とカタログにあります(6〜8kgと書いてあるものもある!!)が、1kgで900円程するタネをそんなに潤沢にまいたら破産です。カタログは無視してケチケチまきます。とはいえ毎年10kg以上撒いていたのでそれでもいちまんえんいじょう…。
9月下旬から10月初旬に草もとらず耕しもしない畑に節分のようにバラバラとまきちらして種まき終了。土もかけません。毎年栽培しているとだんだんベッチ好みの畑になるようで、年々生育は良くなる傾向みたいです。
そこでこれからは春にヘアリーベッチが枯れたらそのまま放っておいて勝手に落ちたタネが秋に芽を出して繁茂してくれないかなーという淡い期待を実践してみることに。巡って春には例年並みのヘアリーベッチの雲海が出現してくれることを祈って祈って祈るだけです。つまり何もやってない。