
国産にんにく。しかも農薬を完全に使用せずに栽培したにんにくというのはなかなか探すのが難しいらしいのです。なるほど自分で育ててわかりました。にんにくってなんて病気に弱いのでしょう。そのうえ雑草にも弱い・・・というか最初から戦う気ないみたい。
にんにく達には毎年苦汁をなめさせられてきました。
冬の間は元気に育ち「今年はいけるか!?」と思っていると雨の季節にばたばたと病気に倒れてゆくのです。
青森生まれのホワイト6片には千葉県の気候は暖かすぎるのでしょうか。タネ代にもならない年もありました。
なにしろ1に病気に弱い、2に害虫に弱い、3に毎年タネを買わないとならない、4にタネがとっても高い…ついにというか見切りをつけ、それ以降は去年のタネで生えてくるのみとあいなりました。

そして数年…当園における超消極的ニンニク栽培はいよいよ佳境に入りもはや植え付けもお世話も何もせず生えているのを収穫だけして来た結果、ジャンボニンニクだけが生き残りみどりのはたけに帰化したようです。
ジャンボニンニクは「エレファントニンニク」という名前で売られていた巨大なニンニクでした。どうやらリーキと呼ばれる西洋ネギの一種のようで、みためは普通のにんにくを巨大化させたカタチですが幾つか違う点があります。
一つは花です。ジャンボニンニクは紫色のネギ坊主のような花が咲きます。
二つ目は味と食感です。ニンニクというかジャンボニンニクです。
そして三つ目はニンニク本体とは別に小さな子供が付くことです。
根っこの部分からランナーが出てその先端に玉っころがくっついています。ニンニクを収穫するとその子供が地中に残って同じ場所から小さな芽を出します。そして1年後には超ミニニンニク、2年後には普通のニンニク、3年後にはちょっとジャンボニンニク、4年後くらいにジャンボニンニクとなるのです。
というわけでみどりのはたけではそのまま2〜3年くらい収穫せずに育てて毎年1〜10個くらい頂戴する、というサイクルでなんとなーく自生しています。
とても栽培とは言えません。超ラクチン。ビバ!ジャンボニンニク!!
ぜひ御用とお急ぎのない方は作ってみてはいかがでしょうか。なおジャンボにんにくはユリ科で百合根のような独特の苦みがありますが、日が当たると表面が緑色を帯びて苦みが強くなるようです。
そして月日が経ちみどりのはたけで自生するようになったジャンボにんにく、試しに2025年から少量ですが冷凍パックにして販売してみることにしました。ただしジャンボにんにくは「にんにくではありません」、ジャンボにんにくです。なのでニンニクが大好きすぎてでっかいニンニクと期待を膨らませて買うとガッカリしてしまうかもしれませんのでご注意下さい。おそいよって?、ジャンボにんにくでごめんなさい。
風味はにんにくのようであり、それでいてにんにくではなさげでもあり、ニンニクとタマネギの中間と言われるとなんとなく納得しつつも腑に落ちきれず、ジャンボにんにくとしての個性もそれなりで、にんにくの代用には微妙にならないけれどにんにくもジャンボにんにくの代用には微妙にならないといった趣き。いわゆるニンニクの風味は弱いけれどコトコト煮込んで形がなくなっても残る風味はジャンボにんにくの方が強めかも?(※感覚には個人差がありにんにくにも個体差があります)。
冷凍野菜の宿命で解凍するとぷよぷよになるので、少し常温で放置するか数分水に浸して軽く解凍すると切りやすくなります。もしでかくて火が通りにくい、汁が焦げ付きやすい、独特の苦みが気になるなどの場合は半分くらいに切って下茹でしてから調理するといいかも。そして調理はじっくり加熱するのがコツ、茹でるとほっくり食感に油で揚げるとトロッと柔らかくなります。アヒージョや揚げジャンにん、肉野菜炒め、鍋、スープなどにいかがでしょい?。