
ハイブッシュの栽培品種は、ノースランド、バークレイ、アーリーブルー、ブルークロップ、ウェイマウス、バーリントン、デライト、デューク、パトリオット、ゴールドトラウベ、ブルーヘブン、エリオット、ユビル、ジャージ、ブルーレイ、ハーバート、の16品種
ハイブッシュブルーベリーは6〜7月に収穫するブルーベリーでとても大きな樹になる品種から小さいままの品種までとても様々で、実も大きさや形、色、味などすべて品種によって違うので面白いです。大きな樹になる品種が大きい実をつけるかというと必ずしもそうでもありません。
ラビットアイ系に比べると実は大きく、皮はうすくやわらかく、タネが少なく、果汁が多く、ブルームがきれいに乗る品種が多いです。そのかわり乾燥に弱く、強い直射日光に弱く、強風に弱く、大きく成長してても突然枯れたりします。そして夏が暑すぎたり、雨が少なすぎたり、実を成らせすぎたり、冬が寒すぎたりすると、次の年はあまり実がつかなかったりします。さらに春にはケムシが、夏にはコガネムシが、秋には台風が彼女達を痛めつけ、収穫時期にちょうど雨期と重なります。
それから皮ごと食べるブルーベリーは含まれている食物繊維の量が水溶性・不溶性あわせると、生果実の中では最高レベルらしいです。糖度は去年の収穫では11〜15度でした。生ブルーベリーの美味しい食べ方はズバリ頬張る、だと思いますモグモグ。ブルーベリーは同じ木から収穫した実でも1コ1コの甘さや酸味がけっこう違う事と、1粒はだけだと口の中ですぐ味が薄まってしまうので1粒づつ食べるよりも数粒を一度に食べた方が美味しく感じます。
使用資材のピートモスは、はるばるカナダからブルーベリーのためにやってきた天然のコケでできた土です。ブルーベリーには無くてはならない土のようです。いままでに二度ほどちょっとづつ根本の土に加えました。
栽培はかなり顔色うかがい、御機嫌取り取り育てないとうまくいかないようです。私はいまだにあまりうまくいきません。極めつけは収穫時期になると空からは鳥たちが、地面からはアリンコの軍団が甘いブルベリーめがけて突進してくるのです。

現在の最大の天敵は根っこを切って気をぐらぐらにしてしまうモグラです。たかがモグラと思っていましたがものすごい数が生息している(?)のか、かなりまずいことになってきてしまっています。フカフカ土壌にミミズがうじゃうじゃいる畑なので当然といえば当然ですが困っています。ついでに上に乗っかって枝をぼきぼき折るカラスも・・・。前途多難です。
作付け直後はブランコ毛虫とコガネムシの大発生に悩まされましたが、生態が順調に多様化したおかげか近年は一種類の虫が大発生して大被害を被るということはほとんど無くなりました。
しかし十年ほどから当園のハイブッシュブルーベリーは急速に弱って来ました。もともと暑さと乾燥が苦手とされていたハイブッシュですので千葉の暑さと地下水位の低いぱさぱさ土の当地でよくここまで持ってくれたとも思います。将来的にもここでハイブッシュは無理なのかもと気付いた頃から自分で苗を作って改植をしています。というわけで切る株は思い切った剪定をし、温存する株はあまり剪定をしない方法もやってみました。その結果思いのほか復活して何とか乗り切ってくれるようになりました。元気全開バリバリとはほど遠い状態ですが花を咲かせ実を成らせてくれます。とはいえ害虫もそれなりで、特にイラガの幼虫が困り者です。害虫はより元気なく弱っているブルーベリーに集中攻撃を仕掛けてくると見え、かわいそうな樹はさらにかわいそうなことになります。自然界は弱者には決して優しくはしてくれないのです。強い者はより強く最大の恩恵を獲得し、弱者はとことん底の底まで突き落とされていきます。…分かっていますとも、分かっていましたとも…。でも必ずしもそうとは限らないこともあるのではないかと考えてしまうのはまだまだ甘いのでしょうか。
ともかく良い実を成らせてくれる株と実が成りすぎて粒が小さく
小さく小さくなってしまう株と二極化してきました。粒が小さく
小さく小さくなってしまったブルーベリーは果肉が少なくて皮を食べてるみたいな感じです。商品にはなりませんが不味いかというとそうでもなくて過見応えのあるしっかりした味わいです。しかもブルーベリーのポリフェノールはほぼ全て皮にあるらしいので身体に良さげなものを食べている満足感のおまけつきになりましたとさ。
ハイブッシュブルーベリーのもう一つの戦いはヒヨドリです、どっちかというと私とヒヨドリの戦いですが。と書きたい所ですがこちらからの反撃はなく一方的なヒヨドリの圧勝です。例年は気温が上がる6月頃になるといつの間にかどこかへ行ってしまっていたヒヨドリが、近年はどういうわけか居座ってブルーベリーを食べ続けるという大惨事が発生します。そんなわけでハイブッシュブルーベリーは成った割りにはかつてない程収穫が少ない年が多くなって来て、毎年ヒヨドリが食べ尽くさないことを願う春がやってきます。