創業(酒販免許取得)昭和28年



Cotes du Rhon
コート・デュ・ローヌ


エステザルグ協同組合
 

パリ 自然派ビストロ・ワインショップの定番

美食と文化の都パリには多くの自然派ワインを扱うビストロやワインショップがあります。「ラ ヴィーニャ」「カーヴ オジェ」「カーヴ デ パピーユ」「ル ヴェール ヴォレ」。こういったお店の顧客は主に近隣に住む人たちで、彼らはその日の夕食に飲むためのワインを買いに来ます。友人を招いての夕食にはシャンパーニュを、大切な記念日には熟成したグラン ヴァンを、日々の食卓には手ごろな価格のワインを、といったようにその日その日の食卓にあわせたワインを求めてやってくるのです。

様々な種類のワインの中でもデイリーワインとして多くのお店でお勧めされているのが、フランス最小規模の協同組合であり、フランス最上のこだわり協同組合であるエステザルグ協同組合のワインです。特にエステザルグ協同組合の看板ワインとなるレ グランド ヴィーニュは、味と価格のバランスにうるさいパリの若者に大人気のハイコストパフォーマンスなワインとして知られています。

エステザルグ協同組合は、ローヌ河南部の街アヴィニョンの南西側に位置しており、加入者が10名たらずというフランス最小規模の協同組合です。協同組合といえば、多収量・低価格のブドウを生産者から買い入れて価格の安いバルクワインを造るというのが一般的ですが、エステザルグ協同組合ではそれぞれの生産者が品質にこだわったワインを造り、自らの名前をエチケットに記してリリースしています。「協同組合」としての大きなメリットは、農機具や新しい醸造設備を共同で購入したり、醸造アドバイスを受けるシステムが構築しやすいなど、品質向上に向けた資金面でお互い協力し合える点といえます。

栽培に関しては、各生産者の畑は可能な限り有機栽培で管理されており、化学肥料や除草剤は使用しません。その他農薬に関しても必要最小限な場合に限り散布する「リュット レゾネ」の手法を導入しています(ヴィンテージによってもしくは、生産者によっては全く使用していない場合もあります)。この地域では、複雑な地層や多様なブドウ品種によってコクとボリューム感に富んだワインが造られており、エステザルグ協同組合では、それぞれの畑の個性をワインに反映させるために原則的に区画間のブレンドを行わずにワインを生産しています。

醸造においては、各生産者のもとで選果されたブドウを醸造所に持ち込み、コンクリートに埋め込まれた巨大なステンレスタンクにて発酵させます。酵母はブドウの実に付着する自然酵母のみで、醸造中は亜硫酸(酸化防止剤)を一切添加しません。その後、熟成もタンクにて行い、極少量の亜硫酸(酸化防止剤)を添加してボトリングされます。この規模の生産量を手がける造り手で、醸造中に亜硫酸(酸化防止剤)を一切添加しないというのは異例中の異例と言えます。

このようにエステザルグ協同組合では、いわゆる「協同組合」のがぶ飲み用ワインとは一線を画した品質主義のワインを生産しています。この協同組合をここまで高品質なワインを造る生産者に育て上げたのは、現在、南フランスのルーション地方で自らワイン造りを行うフラール ルージュのジャン=フランソワ ニックです。彼はこの協同組合を指揮し、多量のワインを高品質に、自然な造りで生み出していました。彼が独立した後もそのコンセプトを引き継ぎ、各生産者達がそれぞれに素晴らしいワインを造り上げているのです。


エステザルグ協同組合の特徴
いわゆる有機栽培の「ビオロジック」、もしくは極力農薬の使用を避ける「リュット レゾネ」による栽培

樹齢の高いぶどうから生まれる豊かな風味
土壌の個性を生かし、区画ごとに分けた収穫
平均35hl/haと低い収穫量で高い品質
自然環境に生息する自然酵母を使った発酵
発酵から熟成中は、亜硫酸(酸化防止剤)を添加しない
厳密な濾過(ろか)や清澄を行わずに瓶詰め


Les Airs Rouge
レ ゼール ルージュ 2020

品種:グルナッシュおよびシラー主体、カリニャン、ムールヴェードル

エステザルグ協同組合の醸造所に隣接する「レ ゼール」と名付けられた区画から生み出されるワインです。南向きのテラス状の斜面で日照に非常に恵まれた区画で、砂利の多い土壌で水はけがよく、また風がよく吹くため乾燥し病害が起こりにくいのも特徴です。醸造段階では亜硫酸(酸化防止剤)を用いず、自然酵母で低温発酵をしています。マセラシオン(醸し)も2週間ほど行い、フレッシュな果実味となめらかな口当たりを生み出しています。

穏やかで華やかな果実味が楽しめます。厚さのあるボディと酸がバランスよく、ほのかにローヌワインらしいスパイスや野生的なニュアンスがあります。余韻も品のよい上質なもので非常にバラスに優れた安心できる味わいです。


オジル
 

「兄弟二人三脚、自然体で向かう無謀な挑戦」
 
ジェローム ジュレ、ジル アゾーニ、マゼルなど名だたる造り手達が活躍するアルデッシュ地区。もっともアルデッシュと一言で言ってもその範囲は広大で、彼らが活躍するのはアルデッシュの中でも南のエリア。この場所は、ワイン産地としては辺境の辺境。テロワールというヒエラルキーではもっとも裾野に位置するとされた場所で、大手ネゴシアンや協同組合にブドウをkg単位で売るしか選択肢がなかったエリアでした。しかし、選択肢が無いと言うことは、失うものがないという意味でもあり、自らの信念に添って人生を賭けたワイン造りに取り組む生産者が一人、また一人と登場します。その先駆者はレザン エ ランジュのジル アゾーニ氏であり、ドメーヌ マゼルのジェラール ウストリック氏です。そして2006年に自然派ワイン造りをスタートさせたジェローム ジュレの登場によってこの地域は一気に活気を帯び始めました。
 
当初は、素朴で自然な味わいが魅力のワインを造っていたジェローム ジュレでしたが、その進化のスピードは脅威的で年を追うごとにその香り、味わいにはエレガントさをまとうようになり、ある種の色気を感じさせてくれるまでに成長します。そして今やフランスをはじめ世界中で大人気の造り手となりこの地域を代表する生産者となりました。
 
このジェローム ジュレの成功は、地域の若手生産者にとってのモデルケースとなります。ドゥ テール、ロ マス ド レスカリダ、シルヴァン ボックともともと協同組合にブドウを売るなどしていた栽培農家の新しい世代の造り手たちが自然派ワイン造りに挑戦し、ジェローム ジュレやジル アゾーニ、ジェラール ウトリックなどがワイン造りの指導や販売先の紹介など地域コミュニティをあげてサポートをしていきます。その結果、アルデッシュ地区は自然派ワインの一大産地となり、ホットスポットとなったのです。
 
2013年にトマとジャン=ダニエルのオジル兄弟によってはじめられたドメーヌ オジルもこのアルデッシュの潮流の中で生まれた新しい自然派ワインの造り手です。彼の父親は、典型的なこの地域の栽培農家で、ブドウのみを栽培してそれを協同組合に売っていました。しかし近年は、協同組合の倒産や低価格な新世界ワインの台頭によるネゴシアンの販売不振などの影響もあり、栽培農家として生計を維持するのが年々厳しくなっています。そんな中、息子のトマ オジルは、近隣のジェローム ジュレやジル アゾーニの成功を見て、自分たちの代では自然派ワインを造るんだという意志を固めて行きます。トマはまずジェローム ジュレの下でワイン造りを学び、そして独立前にはジル アゾーニの下でも研修を重ねます。特にジル アゾーニの息子であり、現在は引退したジルの後を継いでワイン造りを手がけるアントワンヌ アゾーニとオジル兄弟は、同世代ということもあって親交が深く、切磋琢磨しながら先駆者達の経験と知識をしっかりと吸収して、初ヴィンテージからキラリと光る魅力の備えたワインを生み出しています。

Bourret
ブーレ 2018

品種:グルナッシュ 100%

樹齢35年ほどの粘土石灰質の土壌に植わるグルナッシュを用いて、セミ マセラシオンカルボニックにて醸造されるキュヴェ。エレガントさ魅力のグルナッシュの魅力を引き出すために優しくプレスをし、過度な抽出を抑えて品の良さや爽やかさを残した造り。

しっかりと熟した果実の風味を備えつつも、口当たりは優しく余韻もしなやかで、とにかくストレスを感じさせない味わい。野生のベリーや野の花を思わせるようなチャーミングな香りとバランスの良い果実の旨味があり、シンプルながらも飲み飽きない奥深さがあります。

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