常磐神社義烈舘、好文亭、徳川ミュージアム、西山荘

水戸藩の光と影

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 徳川光圀(義公 16281700)と斉昭(烈公 18001860)を祭神とする常磐(ときわ)神社は、百種三千本の梅で名高い偕楽園の入り口に鎮座している。神社に併設された「常磐神社義烈舘」は両公の遺品や業績を展示紹介している。

 中でも光圀の指示で開始された大日本史の編纂は水戸藩の特筆すべき大事業だった。当館はその草稿や版木、及び現物を展示している。この事業の過程で確立された水戸学の国体論や尊王攘夷思想は、斉昭によって強力に主張され、幕末の精神的指導原理となり、幕末の政治情勢に大きな影響を与えた。まさに水戸藩の光の部分といえるだろう。

 しかし光が強ければ影もまた強い。斉昭の思想や行動は強烈過ぎたので幕府に警戒され、大老・井伊直弼と激しく対立した。斉昭は蟄居に追い込まれ、その結果、桜田門の事件が発生した。斉昭亡き後、幕末の水戸藩は藩内が攘夷派と保守派に分かれて激しい抗争を繰り返した。

 やがて両派の争いには藩主の統制も利かなくなり、幕府軍まで巻き込んでの内戦に発展した。破れた急進的尊王攘夷派・天狗党は慶喜に訴えて状況改善を図ろうとして中部日本を転戦しながら京都を目指した。しかし慶喜が討伐軍を率いて出陣したことを知り力尽きた。維新に先立つこと僅か3年前だった。

 この争いで水戸藩は多数の人材を失い、維新には実質的に何の役割も果たせなかった。怨念を残した両派は、会津戦争終了後にも水戸城攻防戦をする有様だった。なお偕楽園内(写真参照)には藩主の休憩所であった「好文亭」はは残っており、内部参観ができる。偕楽園は梅と杉や孟宗竹が陰陽の配置で造園されていたが、藩士の方は派閥抗争が絶えずに自壊してしまった。

 水戸徳川家二代藩主光圀が着手した大日本史の編纂事業は、着手後250年間にわたり、途中、盛衰はあったが延々と継続され、1906年(明治39年)にようやく完成した。それは大日本史397巻、目録5巻を編纂した大事業であった。

 この事業の編纂作業所となったのが彰考館(しょうこうかん)である。その場所は江戸や水戸と、時代によって変わっているが、斉昭の時代には水戸城内にあった。水戸老公のドラマに出てくる助さんや格さんは実在の人で、彰考館総裁を務めた学者だった。殊に助さんは資料収集のため全国を回って調査活動をしたそうだ。

 「徳川ミュージアム」の旧名は水府明徳会彰考館・徳川博物館と称したように、その編纂事業の間に収集した膨大な資料を保存し、研究者の閲覧に供していた。また博物館には水戸家伝来の大名道具や美術工芸品、書画、染織、及び武具などを保存し順次展示している。婚礼道具など、その展示品は見事なもので見る目を楽しませる。

 なお水戸市の北北東、水郡線を利用して小一時間の常陸太田(ひたちおおた)市は山間部への入り口に位置する静かな土地だ。光圀はこの地を好み、1691年に「西山荘(せいざんそう)」を造営して晩年の約10年間隠棲して没した。彼はここで大日本史編纂事業を推進すると共に、民百姓とも親しく接した。

元来この地は戦国大名佐竹氏が本拠を置いた所だった。佐竹氏は平安末期から戦国時代までの長い間、ここから常陸一帯を支配していたから、水戸徳川家の領域になっても佐竹時代を懐かしむ気風も色濃く残っていたのだろう。

彼はここに住んで当地の人心収攬を計ったともいわれる。茅葺の簡素なご殿や庭からは彼の人柄が偲ばれる。西山荘は1817年に野火で類焼し、程なくやや規模を縮小して再建された。現在では名称も徳川ミュージアム分館・西山荘となったが、東日本大震災の被害を被り、公開をしながら災害復旧工事が続けられている。

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(作成日: 99/04/11、 更新日: )

 

(施設情報参考)名称_住所_電話番号_駅からの概算路線距離(駅からの概略方位と直線距離)・所要時間・バス_展示規模_対象_開館時間(受付終了時刻)_休館日_備考_{施設情報確認日}開閉館時間と休館日はよく変るし臨時休館もある。事前確認が賢明

 

常磐神社義烈舘_茨城県水戸市常磐町 1-3-1_TEL 029-221-0748_

JR常磐線水戸駅から3.0km(80deg.W 1.9km),水戸駅北口バスターミナル4(10系統)6(偕楽園行き)乗り場から茨城交通バスを利用し約20分、「偕楽園前」下車_小_大人_

(平日)9:30-15:30

(土・日曜日、祝祭日、梅祭り期間の平日)9:00-16:00_

木曜日(なお梅まつり期間・GW8/138/169/19/20 の期間に当たれば、木曜日でも開館する)_{17/03/02}

 

徳川ミュージアム_茨城県水戸市見川 1-1215-1_TEL 029-241-272103-3704-5188(徳川ミュージアム事務局)_

JR常磐線水戸駅北口から4.0km(W 2.8km)、水戸駅北口の4番乗り場から茨城交通バス3または37系統で約20分の「見川2丁目」下車後徒歩 5分。タクシーあり、約10分_

駐車場 無料 普通車30台_中_大人_

10:00-16:00(15:30)

月曜日(祝日に当れば開館)(また展示替えや施設メンテナンスなどの臨休あり)

部分開館になる場合もあり、休館日や開室状況などは要照会_{17/04/30}

 

徳川ミュージアム分館 西山荘_茨城県常陸太田市新宿町 590_TEL 0294-72-153803-3704-5188(徳川ミュージアム事務局)_

JR水郡線常陸太田駅から約2.8km(46degs.W 1.7km)、タクシー約5分_

9:00-16:00(15:30)_

年末年始(大体12/261/3)

悪天候や修復工事のための臨休もあり、詳しい開園情報は要照会_{17/04/30}

 

好文亭_茨城県水戸市常磐町1-3-3 偕楽園内 _Tel 029-244-5454(偕楽園公園課)029-221-6570(好文亭料金所)029-224-0441(水戸観光協会)_

JR常磐線水戸駅から3.0km(80deg.W 1.9km),水戸駅北口バスターミナル4番から茨城交通バス(10系統)を利用し約20分「偕楽園前」下車か、6番乗り場の「偕楽園行き」を利用して終点下車_

駐車場 近くに駐車場あり_

(2/209/30) 9:00-17:00(なお偕楽園と歴史館の公園区域は6:00-19:00)

(10/12/19) 9:0016:30(なお偕楽園と歴史館の公園区域は7:00-18:00)

12/2912/31だけ_{17/03/02}

 

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