遠野市立博物館、とおの物語の館

民話がたくさん残る里

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 遠野市は北上山地の真ん中にある小さな城下町である。それは周囲を日本百名山の一つ・早池峰山(はやちねさん)などの険しくはないが奥深い山々に囲まれた小盆地の町だ。当地は気候的にもかなり厳しい所で、昔は飢饉に縁の深い土地だった。そのため昔の人々の暮らしは里の生活に加えて、山の生活とも関わりが深かった。

 それは農耕や養蚕など里の生業だけでは生活が成り立たなかったから、山の恵みに頼る生活様式が定着した。例えば山仕事や馬の放牧、薬種造りと麻布や木皮の加工、山菜の採取、桐などの木製品加工、金鉱の採掘などだ。

 従って暮らしの中で生まれた信仰や芸能、あるいは民話などには、その風土が織り込まれている。そこでは産神・厠神・山の神・水の神などと、神がごく日常的な存在となっている。またオシラサマ、カッパ、ザシキワラシ(ワラシとは当地の方言でいたずらっぽい童のこと)などが民話の題材となっている。

 一方、北上山地最高峰の早池峰山は山岳宗教が盛んで、山伏が都の文化をもたらした。また当地は昔から北上川流域平野と三陸沿岸を結ぶ街道が通り、往時は荷役馬による輸送が繁盛した。このような地理的条件から、山間へき地ながらも遠野には独特の民俗習慣や民話を生む素地が培われた。

 この民話や民俗風習を世に広く流布する契機となったのが、柳田国男の遠野物語の出版(1910年)だった。その前文冒頭に彼が書いているように、それは佐々木喜善など地元の人々の協力を得て出来上がったものだ。柳田は権威好みとして批判される場合もあったが、日本の民俗学の確立に彼の貢献は非常に大きかった。そして遠野物語は立派な業績として認められている。

 「遠野市立博物館」は遠野の自然と生活、古来の生業、民間宗教や伝統芸能、町の歴史などを紹介し、シアターでは昔話の映像を上映している。これらを見れば民俗学の門外漢でも、民話の持つ意味が多少は理解できるように思える。

 また民俗学展示室には当地方の民俗や民話を研究した人々とその業績を紹介している。すなわち伊能嘉矩は明治中期にオシラサマの研究で遠野の民俗学的研究の先べんを切った。地元出身の佐々木喜善は遠野物語の作成や民話の収集保存に大いに貢献した。また柳田国男の遠野物語原稿も展示され、民俗学研究の現状に関しても説明している。

 また当館の近くには「とおの物語の館(旧とおの昔話村)」があり、柳田国男の旧宅(東京から移築したもの、写真参照)があり彼の関係資料や遺品が展示されている。また彼がよく利用した旅館などが保存されている。その物語蔵では昔話を系統的に区分して映像装置で視聴できる。両館合わせて見学すれば、他の場所では体験できない独自の世界に浸ることができるだろう。

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(作成日: 99/07/24、 更新日: )

 

(施設情報参考)名称_住所_電話番号_駅からの概算路線距離(駅からの概略方位と直線距離)・所要時間・バス_展示規模_対象_開館時間(受付終了時刻)_休館日_備考_{施設情報確認日}開閉館時間と休館日はよく変るし臨時休館もある。事前確認が賢明

 

遠野市立博物館_岩手県遠野市東舘町 3-9_TEL 0198-62-2340(遠野文化研究センター)_

JR釜石線遠野駅から0.6km(20deg.W 0.6km)徒歩8分_

駐車場 あり_中_大人子供_

9:00-17:00(16:30)_

(510月の)毎月末日(ただし月末日が日曜日や祝日に当たる場合は開館)

(113月の)月曜日と毎月末日(ただし月曜日が祝日、あるいは月末日が日曜日や祝日に当たる場合は開館)

資料特別整理期間など(11/2411/301/281/31)

年末年始

なお4月は無休_{17/06/02}

 

とおの物語の館_岩手県遠野市中央通り 2-11_TEL 0198-62-7887(遠野文化研究センター文化課)0198-62-2340()_

JR釜石線遠野駅から0.5km(35deg.W 0.4km)徒歩7分_

駐車場 有料24台、市民センター 60台_中_大人子供_

9:00-17:00(16:30)_

年中無休だが、2月中旬にメンテナンス休館あり。_食堂などあり_{17/06/02}_