館山市立博物館

馬琴のライフワーク・里見八犬伝

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 房総半島の南端は昔、安房(あわ)と呼ばれた。中世から江戸初期までそこは戦国大名の里見氏が10代、約170年にわたって支配していた。戦国時代には後北条氏と現東京湾の海上交通の覇権を争った。

 それなのに里見氏は秀吉の小田原攻めに遅参し、上総地方を没収されてしまった。そのため里見氏は館山城に本拠を移し、残った安房の領国経営に力を注いでいる。江戸初期には外様大名として本領を安堵され、さらに加増も受けている。

 しかし、外様大名が江戸の海上交通の出口を領有するのは、幕府にとって気持ちのよいことではない。大久保長安事件が起こると姻戚関係を持っていた里見氏は大幅に減封されて国替えとなり、ほどなく断絶してしまった。里見氏以降の安房は、小大名や旗本領などが混在して行政的に統一性を欠く地域となった。

 館山城址にある「館山市立博物館」の本館では安房地方の歴史と人々の暮らしぶりを紹介し、特に里見氏の歴史を中心に扱っている。そして当館のもう一つのテーマは、南総里見八犬伝に関する展示である。旧館山城址本丸にある天守閣風の建物には関係資料がたくさん展示され、ここは別して館山館(八犬伝博物館)とも呼ばれている。

 南総里見八犬伝は江戸時代の代表的な文学作品の一つで、戯作者・曲亭馬琴(瀧澤馬琴 17671848)が46才から74才までの28年もかけて執筆した彼のライフワークだった。八犬伝は里見氏の歴史を題材とし、水滸伝その他の中国の小説を参考としながら、彼が創作した全9輯98巻106冊の長編である。

 八犬伝では里見氏の伏姫を中心として、犬が変身した八犬士が活躍する。登場人物は400人を越え、活動舞台は安房から始まって中部日本各地や京に及び、再び安房に帰ってくる。人間と霊魂や動物が複雑に絡み合ったその筋書きは複雑で、全編が仏教や儒教思想、及び武士道を反映し、因果応報と勧善懲悪の考え方でまとめられている。

 馬琴は八犬伝を執筆の途中で失明し、彼の口述を息子の嫁が代筆して創作は継続された。しかし、辞書もない時代、女性は漢字に弱かったから、漢文調作品の口述筆記は並大抵の苦労ではなかったと彼自身が八犬伝の後書きに述べている。

 八犬伝が完成したのは1841年だったが、その間、八犬伝は大当たりし、八犬伝ブームを巻き起こした。すごろく・凧・錦絵その他の八犬伝グッツが販売され、歌舞伎・狂言・講談などの題材にもなった。すでに馬琴存命中から類似本や偽本も出回り、彼が立腹するほどだった。現代でも漫画・映画・テレビ・パソコンゲームなどで題材として利用されている。

 ただ大部分の見学者は八犬伝や馬琴を断片的にしか知らないし、さらに江戸時代の展示品は字も難しくて読めぬから余り関心を持たないようだ。もう少し現代人にも分かりやすく易しい解説を加えた方が効果的だろう。

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(作成日: 01/04/08、 更新日: )

 

(施設情報参考)名称_住所_電話番号_駅からの概算路線距離(駅からの概略方位と直線距離)・所要時間・バス_展示規模_対象_開館時間(受付終了時刻)_休館日_備考_{施設情報確認日}開閉館時間と休館日はよく変るし臨時休館もある。事前確認が賢明

 

館山市立博物館本館・館山城(八犬伝博物館)_千葉県館山市館山 351-2 博物館本館(城山公園内)_TEL 0470-23-5212(学芸係・庶務係)_

館山駅から2.2km,徒歩なら約30分、

バス利用なら駅東口のJR関東バス1番乗り場から洲崎線や、日東バス「館山航空隊」行きなどを利用し「城山公園前」下車後徒歩5(駅からS25deg.W 1.6km)、駅からタクシーもある。_

城山公園無料駐車場あり_大人子供_

9:00-16:45(16:30)_

月曜日(祝日や振替休日に当たれば開館し、翌日休館。)

(火曜日が祝日に当たる場合の月曜日は開館し、その祝日の翌日に休館する)

12/291/3

館内消毒薫じょう期間、

(諸事情により休館日・開館日の変更あり)

(なお学校の夏休み期間中の月曜日は、館山城だけを臨時開館することがあるし、臨時開館もある)_{17/06/14}